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和やかな雰囲気
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「まことに美味。だがしかし。こういう妙なるもんはおいを困らせるもんじゃのう。見なさい、この髭を」
唐突に青山様が仰って、呵呵と笑う声が響く。
見ると、口髭がクリームで覆われていて、立派な軍人たる面影は微塵もなかった。
失礼とは思ったが、込み上げてくる笑いを抑えられない。私は顔を覆って笑ってしまった。母もおば様も声を出して笑っている。
しばらく一緒に笑っていた青山様が、髭を拭いながら仰った。
「今日は素晴らしくお天気もよかけん、若い人らは外に出られてはいかがかな。ここはせっかく広いお庭がある。一見の価値どころか、あの世への土産話にもなりそうな庭じゃ。さ、利晴君、文子さん」
利晴様は大きく頷いて、ぴたと私に目を合わせてくる。
「外はとても素敵ですよ、ご一緒に」
優しい眼差しに、私はごく自然に頷いていた。
二人で廊下へ出た途端、部屋の中から青山様の声がする。
「いやはやなんとも、今日は気分が良か。妙なる味に立派な日本男児、麗人と呼ぶにふさわしいお嬢さん。長生きはしてみるもんじゃ。お二人の祝言も楽しみですな、まことによかよか!」
「まあ、なんてお気の早い」
三人の楽しげな笑い声が聞こえてきた。
恥ずかしくて仕方ないけれど、同時に嬉しさが込み上げてきた。
唐突に青山様が仰って、呵呵と笑う声が響く。
見ると、口髭がクリームで覆われていて、立派な軍人たる面影は微塵もなかった。
失礼とは思ったが、込み上げてくる笑いを抑えられない。私は顔を覆って笑ってしまった。母もおば様も声を出して笑っている。
しばらく一緒に笑っていた青山様が、髭を拭いながら仰った。
「今日は素晴らしくお天気もよかけん、若い人らは外に出られてはいかがかな。ここはせっかく広いお庭がある。一見の価値どころか、あの世への土産話にもなりそうな庭じゃ。さ、利晴君、文子さん」
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「いやはやなんとも、今日は気分が良か。妙なる味に立派な日本男児、麗人と呼ぶにふさわしいお嬢さん。長生きはしてみるもんじゃ。お二人の祝言も楽しみですな、まことによかよか!」
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