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退院〜まだまだ成長できるはず

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 [5月28日]
 退院の朝、朝食後に旅行鞄に持ち物を詰めて、着替えて準備万端の私でおます。
 ちなみにこの日の私の体温は36.8°で、血圧は120ー70という健康体。

 家族が迎えに来てくれて、支払いを済ませて病院を後にしました。
 ありがとうございました、病院の全てのスタッフ様。ごきげんよう~

 今回の入院、健康保険の高額療養費制度のおかげで、支払い金額は少なかったです。加入している健康保険組合や収入によって違いますが、国民皆保険制度の有り難みを知りました。

 支払い金額は収入によって変わりますので、仮にジェフ・ベゾスやイーロン・マスクが入院したら(⁉︎)多額のお支払いですね。それでも半分くらいの負担で済むのかもしれん。


 さて、退院後の私は暇に任せて、『杖なしでスタスタ歩いて退院した人の話で、何故私はショックを受けたのか?』を考察してみました。

 私は結構な年齢wですけど、人工股関節置換術を受ける人の中では、まだ若いほうです。
 だから、自分は手術を受けたらシャキシャキ歩ける、みんなが驚くくらい回復は早いに違いない、勝手にそう思い込んでいたんです。

 事実、シャワーも初日からひとりで好きなように利用できてるし、歩行器見守りもすぐ解除になったし、リハビリも時間が来たら一人で体温を測って行くし。

 『自立した入院患者』みたいな気になっていたんです。自分は他の方より回復が早い、とうぬぼれていたんです。
 実際は、他の入院患者さんとなんら変わらない。

 食事の世話も病室の掃除も全部してもらわないと、一人では何も出来ないんです。
 それなのに自分を特別視する痛い人、それが私。

 唐突に、若かりし頃に通った自動車教習所での出来事を思い出しました。
 私は運転に不向きで免許取るのに苦労しましたが、この日もボロクソに怒られながら一時間の教習を終えました。最後に教官からいろいろ注意がありますが、「自意識過剰なんじゃないですか」って言われたのです。
 私は意味が分からず、「はあ。ありがとうございました」って返事して車を降りました。

 降りてから、じわじわと頭に来て、教習所で仲良くなった男の子に「こんなこと言われたんだけど、どういう意味だろう? なんかムカつく」と言ったら、彼は笑って「さあ? でもあの教官、女の子に泣くまでネチネチ文句言うって噂だし。変な人なんだろうから、気にしなくていいんじゃない」なんて慰めてくれました。

 ええ子や。なんで彼と交際に至らなかったんだろう? 私の一存ではどうにもならないことではあったが。
 それはともかく。

 そろそろお迎えが来る歳にな(以下略)私はわかりました。入院生活ですら、人目を気にしすぎていたんじゃないかと。
『ええかっこしい』だったんじゃないかと。優等生であろうと意識していたんじゃないかと。
 くだらない。

 何十年も忘れていた『自意識過剰』という言葉。私はどちらかと言うと、『無意識過剰』と言われるようなタイプ(これはこれで問題)なのですが、根っこは『ええかっこしい』で『承認欲求の塊』なのかもしれません。

 今回の入院をきっかけとして、まともな人間になれるよう、鋭意努力していきたいです。

 ~終わり


【おまけです】
 現在の私は、杖さえあれば一時間は歩けます。
 来月の検診で主治医の先生からお許しが出たら、自転車も乗りたいと思っています。
 体重が1.5kg減りました。
 毎日熱心にリハビリしたとか、ダイエットしたとかでなく、どう考えても入院中に浣腸したり下剤飲んだことが影響してると思う……
 って最後までシモ話、失礼しましたぁ!
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