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入院前⑵

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 さて、今年四月十五日。
 三年ぶりに訪れた市立病院は、すっかり様変わりしていました。
 入り口に行列が出来ています。一人ずつしか中に入れない様子。当然ですが、一列に並んでいる来院者さんたち全員、不織布マスクを着けている(もちろん私も)。

 中に入ってすぐの所に、非接触自動検温器が置かれていて、通る際に37.0°以上の表示が出ると、少し離れた所に連行wされ、体温計で測り直しィ!
 発熱が認められた人は、その後どうなるのかわかりません……。
 って。
 多分、その日は帰されるだけだと思います。

 担当医の先生は、三年前とは違う方です。が、三年前に診察して下さったドクターが「僕、今年いっぱいで違う病院に移ります。新しく来られる先生はとても優しい方ですし、ちゃんと引き継ぎはしておきますので、ご心配なく」と、何故かウキウキした物言い(←ここ重要?かな)で仰っていたので、ザッツオーケー。

 四月十五日は、最初にレントゲン撮影したはずですが、あまり覚えていません。撮影機器がヤマタノオロチみたいな形をしていて、デカっ! と言ってしまったほど大きかったことは印象的ですが。

 さてさて、主治医となる先生との面談ですが。
 痛みの程度や連続してどのくらい歩けるか、さらに右脚がどの程度開脚できるか? などの問診を終え。
 ドクターは淡々と、「これはもう手術ですね」と仰いました。覚悟はしていましたが、やはりそう言われてしまうとビビります。

「いつにしますか?」
 ドクターはカレンダーを見ながら私に尋ねてくれますが、続けて、
「五月はもう十一日くらいしか空いてませんねえ」と仰るではないですか。

 手術日は週二日、先生方によって曜日は決まっており、私の主治医であるドクターの手術日は確か火・水だったような。いや、水・金だったか。忘れた。まあいいや。

「六月は未だ全部空いてます」
 とも言われましたが、間が空きすぎると気持ちが萎えそうだったので、
「五月十一日でお願いします!」
 と、返事してしまいました。

 さて、一週間後の四月二十一日。この日から手術の準備に入ります。
 朝っぱらから必死で自転車漕いで(←大げさ)病院に行きました。あっ、自転車は漕げるのですよ、股関節が悪くとも。

 自転車は、あとで家族に取りに来てもらいました。なぜなら、この日は様々な検査と自己血貯血じこけつちょけつという大イベント(?)があるからでおます! 

 自己血貯血とは、文字通り、手術前に自分の血を採って貯めておくこと。血液採取直後は、自転車及び自動車運転は禁止なのです。

 手術はメスを入れるわけですから、当然出血はあります。従って、事前に貯めておいた自分の血を輸血しながら手術するわけですね。私の場合、骨盤も削る(!)ので、出血量はやや増えます。
 書いてて怖い。貧血起こしそうだ。

 採取は、一回につき四百ml。それを二回。
 これは体重によって違うようで、五十kg以下の人は、一回二百mlを四回に分けて取るとか何とか。
 太っててすまん(誰に謝っているのか? 自分に?)

 私は貧血ではないですが、検査数値は貧血ギリギリなの。過去に二回献血して、二回とも気分が悪くなって献血ルームでしばらく休ませてもらったようなダメな奴なの。

 今回は一度に四百mlも取る! 死んだらどうしよう(それはない)
 ところが意外にも、この日は四百ml採取後、自転車で帰れたんじゃね? ってくらい全然平気でした。

 自己血貯血を終えて、元気ハツラツ(死語)で帰宅する私の身に起こった奇妙な出来事を、次回はお話しさせてもらいましょう。
 さらに! 翌週二回目の自己血貯血の際、私に訪れたプチ事件……。
 お楽しみに(⁉︎)
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