見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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八〇八

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 さて。

「お前ら何してるんだ」

 俺はケンのそばまで行って話し掛けた。

「む?何者!」

 ケンが身構える。
ああ、そうだ。
透明化を解かなければ。
俺は透明化を解除した。

「おお!レオ!」

「レオじゃないだろう。何の騒ぎなんだこれは」

 ズズーン

 ミノタウロスが倒れた。
俺はそれを無視してケンに語り続ける。

「ちょっと、アタシは無視?」

ウロコフネタマイトが近付いて来る。

「どうでも良いけど生きたまま良く食えるな。せめて殺してからじゃ駄目なのか」

 俺はウロコフネタマイトに言った。

「別に食事って訳じゃ無いのよ。結果として食べているけど、ああ言う機能だから……」

 相手を食うのを技とは言わない。
まあ、別に文句がある訳じゃ無いが。
生きたまま食うのも食われるのも嫌じゃ無いかと思っただけだ。

「そんな事より子供たちはどうしたんだ?保護を要請した筈だが?」

 俺はウロコフネタマイトに尋ねた。

「ああ、それなら隊員たちがアジトへ連れて行ったわよ」

 隊員?
西の繁華街の住民たちの事か。

「輸送用のトラックで来たから全員乗れた筈だけど」

 そうか。
それなら良かったが……いや待て。
そんな話じゃない。

「何で二人とも一緒なんだ。ここで何をしているんだ?」

 俺は改めて問いただした。

「何でって……」

 ウロコフネタマイトがケンの顔を見た。

「俺が来てもらったんだ」

 ケンが?

「王城の地下から上がって、これはどう言う事か聞きたかったんだけど」

 そこまで言って宰相を見る。
なるほど。
後は宰相が知っているな。

「で、アンタはどうして二人を取り押さえようとしてたんだ」

 俺は宰相に尋ねた。

「な、なななな、何者だ貴様ら!また勝手に玉座の間へ進入しおってぇ!」

「良くおっしゃる!お立場を利用していったい何をしていたのか!是非お聞かせ願いましょう!」

 ケンが宰相を睨み付ける。
判ってるクセに意地悪だな。

「何の話だ!この反逆者共め!この騒ぎをどう説明するつもりだ!」

「な、何をおっしゃるか!問答無用で兵を差し向けて来たのは貴方ではありませんか!」

 ケンが食ってかかる。
無駄だよ。
この手のヤツには何を言っても無駄だ。
そんな開き直れるような正格なら、最初からこんな小細工はしない。

 俺は宰相に歩み寄る。

「アンタ宰相?」

「何だ無礼だぞ!貴様こそ何者だ!」

「地下の子供たちをどうするつもりだった?」

「地下?子供たち?何の事だ」

 やっぱりか。

「じゃあ、麻薬も知らないと?」

「知らん!」

「何をぅ!」

 ケンが激昂する。
まあ、落ち着けよ。
意外と熱血漢だな、こいつ。

「本当に知らないと?」

「ええい!くどい!」

 俺と宰相のやりとりを、王はジッと見つめている。
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