見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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七二八

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「グラウンドミサイル発射!」

 ガーディアンからミサイルが連続発射される。

 バシュ!
バシュバシュバシュ!

 四発発射して、一直線にワイバーンへと飛んでいく

 ドオォーン!

 一発命中。
三発はかわされた。 

 密集していれば一発くらいは当たる。
しかし、ワイバーンの飛行能力は、とてもフレキシブルだ。
無理な体勢からでも体を曲げて強引に旋回してしまう。
全弾命中は難しい。

 追尾型のミサイルでなければ駄目なのか。

「いや、ファルコンロケットを使え」

 オオムカデンダルの指示があった。
ファルコンロケット。
俺は武装検索する。
これか。

「ファルコンロケット発射!」

 ぼっ!
ぼっぼっぼっ!

 発射された瞬間からそれは違った。
初速が速い。
だが、そこから瞬時に加速する。
撃ちだされて、あっという間に最高速に達する。

 イイイィィ……ンッ!

 一瞬の加速の間を置いて、次の瞬間には命中した。

 ボオォンッ!
ドカドカドカボオォンッ!

 全弾命中。
速すぎて避けられないのだ。 
ワイバーンが気付いた次の瞬間には、もう命中している。

 グラウンドミサイルに比べて爆発は小さいようだが、速さから来る打撃力は並では無かった。
ファルコンロケット一発六〇〇キロ。
そんな重さの金属の塊が、音速を超えて対象に激突する。
それだけでも打撃力は計り知れない。

「あれでも軽量なんだぜ。スピードを出す為にな」

 オオムカデンダルがうそぶく。
その結果があの打撃力なのか。

 ワイバーンが虫のように力無く地面に墜落する。

 どごお!
どかどか!
ずしーん!

 ワイバーンの巨体が地面で跳ねて横たわる。 

 イイイィィン
キシャアアアア

 力無くワイバーンが吼える。
どうやらダメージはあるようだが、あれでも決定打にならないのか。
改めて龍族の頑強さを思い知る。

「外側からは相当な強度ね」

 ウロコフネタマイトが言った。

「だったら僕がとどめを刺すよ」

 そう言うとフィエステリアームが飛び出した。
タッタッタとワイバーンに走り寄ると、ワイバーンの口の中に自らの腕を突っ込んだ。 

 まさか。

 ギシャアアアア……!

 ワイバーンが一瞬吼えた。
しかし、すぐにパタリと事切れた。

 毒だ。

 フィエステリアームは強力な毒を放つ。 
俺のとは別の成分らしいが、強力過ぎてオオムカデンダルたちも近寄らない。
なるべくフィエステリアームを闘わせないようにしている節さえある。

 あのワイバーンを一瞬で絶命させるだけの猛毒だ。
外からは打たれ強くても中から毒でやられては、如何に飛龍と言えども抵抗は難しい。 
そうは言っても毒に対する抵抗力も、龍族は他の種族に比べて並でない事は容易に想像がつく。
それを一瞬で絶命させるところにフィエステリアームの毒性の凶悪性があった。

 フィエステリアームは次々にワイバーンを回って、毒を食らわせた。

「おーい、終わったよ」

 フィエステリアームが全部のワイバーンを始末した後、無邪気にオオムカデンダルに向かって手を上げた。
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