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七一五
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メタルシェルはいつも通りに格納庫の天井から、吹き抜けになった山頂へ抜けて飛び立って行く。
ガーディアンは大き過ぎてそこからは出られない。
ガーディアンはキュラキュラと音を発ててゆっくりと前進すると、巨大な通路を真っ直ぐ突き進む。
この芋虫のような車輪は、『キャタピラ』と言うらしい。
どんな悪路も車輪を取られずに走破出来ると言う。
こんな巨大な物を走らせるにはまさにうってつけだ。
長い通路をどこまでも走る。
大きさのせいか体感的にはあまりスピードを感じなかったが、狭い通路を走るとそのスピードに驚く。
かなりの速度が出ているな。
馬で走るなど比べ物にもならない。
おそらく鳥が飛ぶよりも速い筈だ。
「現在は一二〇キロほどですが、最高速度は三三〇キロです」
管理人が教えてくれた。
三三〇キロとか、もう頭で考えてもちょっと良く判らないな。
ゴオオオォォ
いつの間にかキュラキュラとした音は、嵐のような唸り声に変わっている。
いったいどこまで続くのか。
「あと三〇秒ほどで外に出ます。ミスリル銀山の北側、デクター平原の中央、テクス湖の湖底です」
なに。
湖の中に出るのか。
大丈夫なのか、溺れたりしないよな?
「大丈夫です。そのまま速度維持で進んで下さい」
ジャバシャバジャバシャバ
路面が水で覆われてくる。
どんどん水溜まりの深さが増して行く。
水に入って行くのか。
本当に大丈夫なんだろうな。
ザバアアァー
ガーディアンが水の中に浸かっていく。
水にぶつかる衝撃を感じる。
そうか、いきなりだと衝撃が強いから速度を維持したまま少しずつ水に入っているのか。
ザブゥ
そして今、完全にガーディアンは水に埋没した。
しかし、速度は変わらない。
そのまま通路を突っ走る。
「出ます」
管理人が言った三秒後、ガーディアンは湖底と思われる外に出た。
湖底なのに道が舗装されている。
いつの間にこんな所まで。
「このまま進めば湖から出ます。後は指示に従って進行して下さい」
「判った」
俺は管理人にそう伝えると、ガーディアンの操縦桿を握り直した。
レーダーを見るとメタルシェルは少し先を飛んでいるのが判る。
さすがに地上を走ってメタルシェルに追い付くのは無理か。
しかしそれでも、この高い操縦席から見える景色は壮観だ。
ただ一つを除いては。
「見えるかレオ」
オオムカデンダルの声がする。
「ああ、見えるぞ」
進行方向正面。
おびただしい数の何かが見える。
黒い何かが蠢きながら地平線に広がっている。
モンスターの大群だ。
土煙を巻き上げながら、その中から凶暴ないななきが聞こえてくる。
まだ距離があるのにここまで聞こえてくるのか。
「……この世の終わりだな」
俺はポツリと独りごちた。
「なんの、まだまだ」
オオムカデンダルが耳ざとく聞き付けて言葉を返す。
「これはホンの前哨戦だ」
嬉しそうにオオムカデンダルが言った。
ガーディアンは大き過ぎてそこからは出られない。
ガーディアンはキュラキュラと音を発ててゆっくりと前進すると、巨大な通路を真っ直ぐ突き進む。
この芋虫のような車輪は、『キャタピラ』と言うらしい。
どんな悪路も車輪を取られずに走破出来ると言う。
こんな巨大な物を走らせるにはまさにうってつけだ。
長い通路をどこまでも走る。
大きさのせいか体感的にはあまりスピードを感じなかったが、狭い通路を走るとそのスピードに驚く。
かなりの速度が出ているな。
馬で走るなど比べ物にもならない。
おそらく鳥が飛ぶよりも速い筈だ。
「現在は一二〇キロほどですが、最高速度は三三〇キロです」
管理人が教えてくれた。
三三〇キロとか、もう頭で考えてもちょっと良く判らないな。
ゴオオオォォ
いつの間にかキュラキュラとした音は、嵐のような唸り声に変わっている。
いったいどこまで続くのか。
「あと三〇秒ほどで外に出ます。ミスリル銀山の北側、デクター平原の中央、テクス湖の湖底です」
なに。
湖の中に出るのか。
大丈夫なのか、溺れたりしないよな?
「大丈夫です。そのまま速度維持で進んで下さい」
ジャバシャバジャバシャバ
路面が水で覆われてくる。
どんどん水溜まりの深さが増して行く。
水に入って行くのか。
本当に大丈夫なんだろうな。
ザバアアァー
ガーディアンが水の中に浸かっていく。
水にぶつかる衝撃を感じる。
そうか、いきなりだと衝撃が強いから速度を維持したまま少しずつ水に入っているのか。
ザブゥ
そして今、完全にガーディアンは水に埋没した。
しかし、速度は変わらない。
そのまま通路を突っ走る。
「出ます」
管理人が言った三秒後、ガーディアンは湖底と思われる外に出た。
湖底なのに道が舗装されている。
いつの間にこんな所まで。
「このまま進めば湖から出ます。後は指示に従って進行して下さい」
「判った」
俺は管理人にそう伝えると、ガーディアンの操縦桿を握り直した。
レーダーを見るとメタルシェルは少し先を飛んでいるのが判る。
さすがに地上を走ってメタルシェルに追い付くのは無理か。
しかしそれでも、この高い操縦席から見える景色は壮観だ。
ただ一つを除いては。
「見えるかレオ」
オオムカデンダルの声がする。
「ああ、見えるぞ」
進行方向正面。
おびただしい数の何かが見える。
黒い何かが蠢きながら地平線に広がっている。
モンスターの大群だ。
土煙を巻き上げながら、その中から凶暴ないななきが聞こえてくる。
まだ距離があるのにここまで聞こえてくるのか。
「……この世の終わりだな」
俺はポツリと独りごちた。
「なんの、まだまだ」
オオムカデンダルが耳ざとく聞き付けて言葉を返す。
「これはホンの前哨戦だ」
嬉しそうにオオムカデンダルが言った。
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