715 / 826
七一四
しおりを挟む
「ネオジョルトはこれより、特別警戒体勢に移行します。各自速やかに配備に着いて下さい。繰り返します……」
アジト内に管理人の声が響き渡る。
これと同じ声が西の繁華街中に伝わっている筈だ。
しかし、今回は全員留守番だ。
留守を守れと言われている。
あの十万の大軍を、たった五人で蹴散らすとオオムカデンダルは言った。
その中にはワイバーンも居た。
と言う事は、同じかそれ以上のクラスのモンスターが居る事も想定しておいた方が良い。
「ラグナロクでもあるまいし……」
俺は通路を行きつつ呟いた。
「レオ、お前はガーディアンに乗れ」
蜻蛉洲が振り向きもせずに言った。
ガーディアンって、あの馬鹿デカいメタルシェルか。
「えー!あれには俺が乗ろうと思っていたんだぞ!」
オオムカデンダルがすぐに反応した。
「駄目だ。お前は俺たちと一緒に最前線だ」
「何でだよ!」
「近接格闘が得意なお前が後方でマシンに乗ったら意味無いだろ」
「あれに乗ったらそれで全部事足りるだろ!」
「じゃあ、お前があれに乗れ。僕たちは広間で見物しててやる」
「ぐ……」
オオムカデンダルが言葉に詰まる。
敵を蹴散らして終わりと言う訳にはいかんのか。
「殲滅するだけならそれで構わんが、戦いという物は最終的には人が必要だ」
ただの防衛戦では無いのか。
「ただの防衛戦だよ。だが、黒幕がまだ見えない」
蜻蛉洲が淡々と答える。
敵は王国だろ。
「王国にあれだけのモンスターを従えさせる力があるなら、とっくの昔に帝国は破れている」
つまり、何だ?
「王国に力を貸してるのが居るんだよ」
オオムカデンダルが続ける。
王女じゃないのか。
中身はヴァルキリーだ。
「じいちゃんが言ってたが、ただの神の尖兵にあれだけのモンスターを使役出来るとは思えないってよ」
賢者サルバスが?
じゃあ誰が黒幕なんだよ。
「それを見極めに行くんだ。だから蹴散らせば良いって訳でも無い。いや、蹴散らしはするんだが……」
そうか。
最後は人がやらなきゃならないと言う事か。
「巨大で強力でも物は物だ。道具に過ぎない。結局は人がやる事になる」
判ったぜ。
俺は蜻蛉洲の言う意味を理解した。
四人はメタルシェルに乗り込む。
俺は奥のガーディアンへと向かった。
「レオさん。こちらです」
管理人の声が俺を案内する。
俺は案内に従ってガーディアンへと乗り込んだ。
しかしデカイな。
俺は昇降する板に乗って乗り込み口へと登った。
乗り込む為の装置が無ければ乗り降りさえ出来ないとは。
改造人間ならともかく、普通の人間には奪って乗る事も難しいな。
当然、降りられまい。
「さて、じゃあ行くか」
オオムカデンダルの声が聞こえた。
俺はガーディアンの操縦席に乗り込むと、指示に従ってガーディアンを発進させた。
アジト内に管理人の声が響き渡る。
これと同じ声が西の繁華街中に伝わっている筈だ。
しかし、今回は全員留守番だ。
留守を守れと言われている。
あの十万の大軍を、たった五人で蹴散らすとオオムカデンダルは言った。
その中にはワイバーンも居た。
と言う事は、同じかそれ以上のクラスのモンスターが居る事も想定しておいた方が良い。
「ラグナロクでもあるまいし……」
俺は通路を行きつつ呟いた。
「レオ、お前はガーディアンに乗れ」
蜻蛉洲が振り向きもせずに言った。
ガーディアンって、あの馬鹿デカいメタルシェルか。
「えー!あれには俺が乗ろうと思っていたんだぞ!」
オオムカデンダルがすぐに反応した。
「駄目だ。お前は俺たちと一緒に最前線だ」
「何でだよ!」
「近接格闘が得意なお前が後方でマシンに乗ったら意味無いだろ」
「あれに乗ったらそれで全部事足りるだろ!」
「じゃあ、お前があれに乗れ。僕たちは広間で見物しててやる」
「ぐ……」
オオムカデンダルが言葉に詰まる。
敵を蹴散らして終わりと言う訳にはいかんのか。
「殲滅するだけならそれで構わんが、戦いという物は最終的には人が必要だ」
ただの防衛戦では無いのか。
「ただの防衛戦だよ。だが、黒幕がまだ見えない」
蜻蛉洲が淡々と答える。
敵は王国だろ。
「王国にあれだけのモンスターを従えさせる力があるなら、とっくの昔に帝国は破れている」
つまり、何だ?
「王国に力を貸してるのが居るんだよ」
オオムカデンダルが続ける。
王女じゃないのか。
中身はヴァルキリーだ。
「じいちゃんが言ってたが、ただの神の尖兵にあれだけのモンスターを使役出来るとは思えないってよ」
賢者サルバスが?
じゃあ誰が黒幕なんだよ。
「それを見極めに行くんだ。だから蹴散らせば良いって訳でも無い。いや、蹴散らしはするんだが……」
そうか。
最後は人がやらなきゃならないと言う事か。
「巨大で強力でも物は物だ。道具に過ぎない。結局は人がやる事になる」
判ったぜ。
俺は蜻蛉洲の言う意味を理解した。
四人はメタルシェルに乗り込む。
俺は奥のガーディアンへと向かった。
「レオさん。こちらです」
管理人の声が俺を案内する。
俺は案内に従ってガーディアンへと乗り込んだ。
しかしデカイな。
俺は昇降する板に乗って乗り込み口へと登った。
乗り込む為の装置が無ければ乗り降りさえ出来ないとは。
改造人間ならともかく、普通の人間には奪って乗る事も難しいな。
当然、降りられまい。
「さて、じゃあ行くか」
オオムカデンダルの声が聞こえた。
俺はガーディアンの操縦席に乗り込むと、指示に従ってガーディアンを発進させた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
31
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる