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六四八
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「心配無用。そいつは現在絶賛死亡中だ。だが新鮮なうちなら何とかなる」
「死んでいる?蘇生魔法は無意味な筈だ」
「肉体を甦らせる事はそう難しくない。ただ、お前が言う通り蘇生させても神との契約てのが問題だ」
「なるほどな……」
マンモンはすぐにピンと来たようだった。
「一度神に捧げた肉体は魂を含め、髪の毛一本に至るまで全て神の物だ。それを勝手に取り返すなど、あの神が許す訳は無いな……」
「その通りだ。まあ作り物の心臓でも良かったんだがな、願いと引き換えに魂を抵当に入れたようなモンだ。いくら体裁を整えても肝心の魂が帰って来ない事には蘇生もへったくれも無い」
「……だから神の力が及ばない我の心の臓が必要と言う事か」
「話が早くて助かるぜ」
オオムカデンダルが明るく言った。
マンモンにとっては堪った物では無いが。
「お前の心臓なら神とは関係無く動いてくれるだろう?心臓が動いていれば、当然体は生き返る。作り物の心臓ではどうも動かないらしいからな」
なるほど。
神の力が邪魔をすると言う事か。
「それに……調べたら別の興味深い事も判ってな」
「……なんだ」
「この世界に流通する通貨は、お前がこしらえた物なんだってな」
「ほう。良く判ったな」
マンモンがあっけらかんと認めた。
「こっちの世界では調べが付かなかったが、俺の居た世界では『マンモン』と言えば人間に経済を教え、金の概念を教えた悪魔だとされているそうだ。興味の無い分野だったから知らなかったが、色々調べていてその事実に気が付いた。ひょっとしてこっちでもそうなんじゃないかと思ったんだ」
マンモンが金貨を造っていたのか。
起源が古すぎて古典さえ残らないのも頷ける。
「ふふふ。古い話を良く調べたな。如何にも、我が人間に教え与えた物だ」
何故そんな事を。
「知れた事を。その方が人間を飼い慣らし易いからに決まっている」
何てこった。
「金欲しさに人間は争うからな。その為に他者を欺き蹴落とす。戦になればたくさんの命がこちら側へ送られてくる。自動的にな」
俺は何と言えば良いか判らなかった。
コイツか諸悪の根源だとして、じゃあ金など無ければ良かったかと言えばそうも言えない。
第一、今更金の無い世界を、とも思えない。
それこそ原始時代に逆戻りだ。
「まあ、別にそれは良い。物事何でもメリット、デメリットを天秤に掛けて、人間が勝手に決めれば良いだけの話だ」
オオムカデンダルは特にそこにはこだわりを見せなかった。
「俺が聞きたいのはそれだけが理由かと言う事だ」
「どう言う意味だ」
「ただ人間を飼い慣らし易いからと言う、それだけの理由かと聞いている」
マンモンはしばし沈黙した。
何だ。
他にも理由があるのか。
「ふ……ふふふ。お前はただの人間では無いのか?何故そこまで考える」
「俺たちは世界征服を目論んでいる。その為に世界の仕組みを把握し、その目的も知っておく必要がある」
「……何の為に?」
「この世界の支配者が居るんだろう?どこかの誰かが影でこの世界を管理している筈だ。そいつにその座を譲ってもらわないとな」
オオムカデンダルは事も無げにそう言った。
判っていた事だが、さすがにそんな事まで考えていたとは。
話が壮大過ぎてついていけるか、自信が無かった。
「死んでいる?蘇生魔法は無意味な筈だ」
「肉体を甦らせる事はそう難しくない。ただ、お前が言う通り蘇生させても神との契約てのが問題だ」
「なるほどな……」
マンモンはすぐにピンと来たようだった。
「一度神に捧げた肉体は魂を含め、髪の毛一本に至るまで全て神の物だ。それを勝手に取り返すなど、あの神が許す訳は無いな……」
「その通りだ。まあ作り物の心臓でも良かったんだがな、願いと引き換えに魂を抵当に入れたようなモンだ。いくら体裁を整えても肝心の魂が帰って来ない事には蘇生もへったくれも無い」
「……だから神の力が及ばない我の心の臓が必要と言う事か」
「話が早くて助かるぜ」
オオムカデンダルが明るく言った。
マンモンにとっては堪った物では無いが。
「お前の心臓なら神とは関係無く動いてくれるだろう?心臓が動いていれば、当然体は生き返る。作り物の心臓ではどうも動かないらしいからな」
なるほど。
神の力が邪魔をすると言う事か。
「それに……調べたら別の興味深い事も判ってな」
「……なんだ」
「この世界に流通する通貨は、お前がこしらえた物なんだってな」
「ほう。良く判ったな」
マンモンがあっけらかんと認めた。
「こっちの世界では調べが付かなかったが、俺の居た世界では『マンモン』と言えば人間に経済を教え、金の概念を教えた悪魔だとされているそうだ。興味の無い分野だったから知らなかったが、色々調べていてその事実に気が付いた。ひょっとしてこっちでもそうなんじゃないかと思ったんだ」
マンモンが金貨を造っていたのか。
起源が古すぎて古典さえ残らないのも頷ける。
「ふふふ。古い話を良く調べたな。如何にも、我が人間に教え与えた物だ」
何故そんな事を。
「知れた事を。その方が人間を飼い慣らし易いからに決まっている」
何てこった。
「金欲しさに人間は争うからな。その為に他者を欺き蹴落とす。戦になればたくさんの命がこちら側へ送られてくる。自動的にな」
俺は何と言えば良いか判らなかった。
コイツか諸悪の根源だとして、じゃあ金など無ければ良かったかと言えばそうも言えない。
第一、今更金の無い世界を、とも思えない。
それこそ原始時代に逆戻りだ。
「まあ、別にそれは良い。物事何でもメリット、デメリットを天秤に掛けて、人間が勝手に決めれば良いだけの話だ」
オオムカデンダルは特にそこにはこだわりを見せなかった。
「俺が聞きたいのはそれだけが理由かと言う事だ」
「どう言う意味だ」
「ただ人間を飼い慣らし易いからと言う、それだけの理由かと聞いている」
マンモンはしばし沈黙した。
何だ。
他にも理由があるのか。
「ふ……ふふふ。お前はただの人間では無いのか?何故そこまで考える」
「俺たちは世界征服を目論んでいる。その為に世界の仕組みを把握し、その目的も知っておく必要がある」
「……何の為に?」
「この世界の支配者が居るんだろう?どこかの誰かが影でこの世界を管理している筈だ。そいつにその座を譲ってもらわないとな」
オオムカデンダルは事も無げにそう言った。
判っていた事だが、さすがにそんな事まで考えていたとは。
話が壮大過ぎてついていけるか、自信が無かった。
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