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五八六
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四人とも自信を付けているな。
実力もバルバを見る限り、間違いなくパワーアップしている。
今の四人なら、あの時のヴァンパイアを倒せるかもしれない。
ブラックナイトの冒険者は、良く将軍と比較される。
かたや、堂々正面突破の将軍。
攻めても守っても強く、正攻法は特に強い。
まさに戦い方の教科書のような存在だ。
こなた、ブラックナイトクラスの冒険者は戦いの経験値がものを言う。
あらゆる敵とあらゆる状況で戦闘を繰り返し、柔軟に戦いを繰り広げる。
魔法やアイテムの使用にも長けているのが特徴か。
どちらも同等の強さとされているが、さて。
先に攻撃を担当するバルバを叩くべきか。
俺は立ち上がりつつあるバルバにターゲットを絞った。
「おっと、そうはさせん」
ガイがそれを察知して背後のソル皇子を狙う素振りを見せる。
やはりソル皇子を攻撃する事に、何のためらいも見られない。
コイツら。
「エンチャント・ウェポン。エンチャント・アーマー。エンチャント・フェザーライト。コンセントレーション。ヘイスト。オーガパワー」
ディーレが続けざまに強化魔法を連呼する。
呪文の詠唱も省略されているし、パーティー全体にこの数の魔法を同時付与とは。
底知れない魔力だ。
何より俺が驚いたのは、バーデン将軍と魔法のオーダーが重なっている事だ。
勇者のオーダーとここまで似通うとは、まさか、勇者になりつつあるのか。
称号の最高位はブラックナイトであり、ブラックナイト以上は名誉称号である。
つまり『ドラゴンクラス』だ。
勇者や賢者などと呼ばれているのは、ここにランクされる者たちだ。
ブラックナイトに収まりきらない者たち。
そこに片足突っ込んでいると言うのか。
ハイパーナイトクラスが、何故こんなにも短期間で成長出来る。
そこに秘密があるな、と俺は疑った。
「クリエイト・トラップ!」
ルガが地面に魔方陣を指で描いた。
早いな。
同じソルジャー職のオレコよりも早い。
考える隙も無く、地面から鎖が飛び出す。
ジャラジャラジャラっ!
「おっと」
俺はそれをかわしながら、ソル皇子を後ろへと追いやった。
皇子を守りながらは思ったよりも荷が重い。
「殿下」
「なんじゃ」
「申し訳ありません。メタルシェルの中に避難していて下さい」
「あの乗り物かえ?」
「はい」
「あい判った」
ソル皇子は自分が邪魔になっている事に気付いている。
俺の言葉に素直に従った。
「どうした?防戦一方だな」
ガイが言う。
「遠慮は要らんと言ったのは俺の方だったな。だから取り消したりはしない。だが、こちらも本気を出させてもらう」
「なに?」
四人が警戒する。
俺が変身できる事まで知っているのか?
知っていてもいなくても、変身はするがな。
「……変身」
俺は呟きながら一回転した。
くるり
「……!」
四人の息を呑む音が聞こえてくる。
「知っているんだろ?俺のこの姿を。自ら体験してみるがいい」
俺はサフィリナックスに変わると、拳を握って見せた。
ギリギリギリッ
力を込めた俺の拳がギリギリと鳴った。
実力もバルバを見る限り、間違いなくパワーアップしている。
今の四人なら、あの時のヴァンパイアを倒せるかもしれない。
ブラックナイトの冒険者は、良く将軍と比較される。
かたや、堂々正面突破の将軍。
攻めても守っても強く、正攻法は特に強い。
まさに戦い方の教科書のような存在だ。
こなた、ブラックナイトクラスの冒険者は戦いの経験値がものを言う。
あらゆる敵とあらゆる状況で戦闘を繰り返し、柔軟に戦いを繰り広げる。
魔法やアイテムの使用にも長けているのが特徴か。
どちらも同等の強さとされているが、さて。
先に攻撃を担当するバルバを叩くべきか。
俺は立ち上がりつつあるバルバにターゲットを絞った。
「おっと、そうはさせん」
ガイがそれを察知して背後のソル皇子を狙う素振りを見せる。
やはりソル皇子を攻撃する事に、何のためらいも見られない。
コイツら。
「エンチャント・ウェポン。エンチャント・アーマー。エンチャント・フェザーライト。コンセントレーション。ヘイスト。オーガパワー」
ディーレが続けざまに強化魔法を連呼する。
呪文の詠唱も省略されているし、パーティー全体にこの数の魔法を同時付与とは。
底知れない魔力だ。
何より俺が驚いたのは、バーデン将軍と魔法のオーダーが重なっている事だ。
勇者のオーダーとここまで似通うとは、まさか、勇者になりつつあるのか。
称号の最高位はブラックナイトであり、ブラックナイト以上は名誉称号である。
つまり『ドラゴンクラス』だ。
勇者や賢者などと呼ばれているのは、ここにランクされる者たちだ。
ブラックナイトに収まりきらない者たち。
そこに片足突っ込んでいると言うのか。
ハイパーナイトクラスが、何故こんなにも短期間で成長出来る。
そこに秘密があるな、と俺は疑った。
「クリエイト・トラップ!」
ルガが地面に魔方陣を指で描いた。
早いな。
同じソルジャー職のオレコよりも早い。
考える隙も無く、地面から鎖が飛び出す。
ジャラジャラジャラっ!
「おっと」
俺はそれをかわしながら、ソル皇子を後ろへと追いやった。
皇子を守りながらは思ったよりも荷が重い。
「殿下」
「なんじゃ」
「申し訳ありません。メタルシェルの中に避難していて下さい」
「あの乗り物かえ?」
「はい」
「あい判った」
ソル皇子は自分が邪魔になっている事に気付いている。
俺の言葉に素直に従った。
「どうした?防戦一方だな」
ガイが言う。
「遠慮は要らんと言ったのは俺の方だったな。だから取り消したりはしない。だが、こちらも本気を出させてもらう」
「なに?」
四人が警戒する。
俺が変身できる事まで知っているのか?
知っていてもいなくても、変身はするがな。
「……変身」
俺は呟きながら一回転した。
くるり
「……!」
四人の息を呑む音が聞こえてくる。
「知っているんだろ?俺のこの姿を。自ら体験してみるがいい」
俺はサフィリナックスに変わると、拳を握って見せた。
ギリギリギリッ
力を込めた俺の拳がギリギリと鳴った。
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