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五五二
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ひゅるっ
その間にもプニーフタールは止まらない。
プニーフタールの腹が開くと、そこから触手が伸びた。
「!?」
その触手がウロコフネタマイトに絡み付く。
これは。
「……私の真似?」
そうとしか見えなかった。
ウロコフネタマイトが腹から伸ばした触手にそっくりだ。
しかも開いた腹から消化液とおぼしき液体を滴らせている。
「……学習しているのか?」
オオムカデンダルが言った。
学習している。
邪神と言うだけあって知能はかなり高いのだろう。
そもそも学習したからと言って、それをすぐ出来るようにはならない。
学んだからと言って、人が飛べないのと同じだ。
それをすぐに体現出来るのは、やはり神だからか。
だが、今のところウロコフネタマイトに影響は無い。
ウロコフネタマイトの消化液を模した物ならば、ウロコフネタマイト自身に影響を与える事は無い筈だ。
自分の消化液で溶ける筈が無い。
「困ったわね」
ブ……ン
プニーフタールの腕に光の線が現れた。
まさか。
「ムカデンダルブレードも模したのか」
オオムカデンダルが頭を掻いた。
たっ!
プニーフタールが腕を振り上げてウロコフネタマイトに襲い掛かる。
「む!」
ウロコフネタマイトは自分の腕でそれを受け止める。
ガシッ!
ウロコフネタマイトの手甲がジジッと音を発てる。
斬れない。
だが、ウロコフネタマイトの装甲が傷つくのも初めてだ。
「……ますます困ったわね」
ぐっば
それも束の間、プニーフタールの頭が左右に割れた。
また舌か。
ばしゅっ!
ぱきぱきぱきっ
液体が吐き出され、ウロコフネタマイトに掛かった。
凍っている。
「……こんな事まで!?」
ウロコフネタマイトは体の前面を氷で覆われた。
ばしゅっ!ばしゅっ!ばしゅっ!
ぱきぱきぱきぱきぱきぱきっ
プニーフタールは冷凍液を連続発射した。
たちまちウロコフネタマイトは厚い氷で覆われる。
「……舐めるんじゃないわよ」
ガキインッ!
ウロコフネタマイトは一瞬で氷を破壊した。
当然と言えば当然か。
氷を割るくらい彼女らにとっては大した事では無い。
だが。
「……迂闊に何も出来ないわね。ますます強くしてしまう」
そうなのだ。
致命傷を与えられない限り、攻撃はプニーフタールの学習材料に過ぎない。
いずれ彼らにも手に追えなくなる時が来る。
これが実にまずい事は、誰の目にも明らかだ。
「蜻蛉洲。僕がやる」
フィエステリアームはもう一度言った。
もう選択肢は無いように思われた。
フィエステリアームが止められなければ、もう誰にも止められない。
「……判った」
蜻蛉洲は諦めた。
これ以上フィエステリアームを止める理由が無い。
フィエステリアームのやる事は判っている。
毒だ。
他の能力はオオムカデンダルやウロコフネタマイトが試して無駄だと判明している。
しかし。
その間にもプニーフタールは止まらない。
プニーフタールの腹が開くと、そこから触手が伸びた。
「!?」
その触手がウロコフネタマイトに絡み付く。
これは。
「……私の真似?」
そうとしか見えなかった。
ウロコフネタマイトが腹から伸ばした触手にそっくりだ。
しかも開いた腹から消化液とおぼしき液体を滴らせている。
「……学習しているのか?」
オオムカデンダルが言った。
学習している。
邪神と言うだけあって知能はかなり高いのだろう。
そもそも学習したからと言って、それをすぐ出来るようにはならない。
学んだからと言って、人が飛べないのと同じだ。
それをすぐに体現出来るのは、やはり神だからか。
だが、今のところウロコフネタマイトに影響は無い。
ウロコフネタマイトの消化液を模した物ならば、ウロコフネタマイト自身に影響を与える事は無い筈だ。
自分の消化液で溶ける筈が無い。
「困ったわね」
ブ……ン
プニーフタールの腕に光の線が現れた。
まさか。
「ムカデンダルブレードも模したのか」
オオムカデンダルが頭を掻いた。
たっ!
プニーフタールが腕を振り上げてウロコフネタマイトに襲い掛かる。
「む!」
ウロコフネタマイトは自分の腕でそれを受け止める。
ガシッ!
ウロコフネタマイトの手甲がジジッと音を発てる。
斬れない。
だが、ウロコフネタマイトの装甲が傷つくのも初めてだ。
「……ますます困ったわね」
ぐっば
それも束の間、プニーフタールの頭が左右に割れた。
また舌か。
ばしゅっ!
ぱきぱきぱきっ
液体が吐き出され、ウロコフネタマイトに掛かった。
凍っている。
「……こんな事まで!?」
ウロコフネタマイトは体の前面を氷で覆われた。
ばしゅっ!ばしゅっ!ばしゅっ!
ぱきぱきぱきぱきぱきぱきっ
プニーフタールは冷凍液を連続発射した。
たちまちウロコフネタマイトは厚い氷で覆われる。
「……舐めるんじゃないわよ」
ガキインッ!
ウロコフネタマイトは一瞬で氷を破壊した。
当然と言えば当然か。
氷を割るくらい彼女らにとっては大した事では無い。
だが。
「……迂闊に何も出来ないわね。ますます強くしてしまう」
そうなのだ。
致命傷を与えられない限り、攻撃はプニーフタールの学習材料に過ぎない。
いずれ彼らにも手に追えなくなる時が来る。
これが実にまずい事は、誰の目にも明らかだ。
「蜻蛉洲。僕がやる」
フィエステリアームはもう一度言った。
もう選択肢は無いように思われた。
フィエステリアームが止められなければ、もう誰にも止められない。
「……判った」
蜻蛉洲は諦めた。
これ以上フィエステリアームを止める理由が無い。
フィエステリアームのやる事は判っている。
毒だ。
他の能力はオオムカデンダルやウロコフネタマイトが試して無駄だと判明している。
しかし。
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