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五二九
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俺は辺りを気にしながら歩いた。
広いと言ってもニーズヘッグの頭の中だ。
庭園のように広い訳では無い。
「!?」
俺の足が止まる。
何だこれは。
十数メートル先に壁が見えた。
ここがこの空間の端っこなのか。
その肉壁から大きなコブが突き出ている。
だが、そんな事くらいで驚きはしない。
問題はそのコブが何かだ。
「ぐっぐっぐっぐっ……」
コブが笑った。
いや、確かに笑ったのだ。
にちゃあ……!
コブの先端が割れる。
中から現れたのは。
「……バーデン!」
俺は度肝を抜かれた。
「ぐぎぎぎぎ……!」
言葉をしゃべってはいない。
だが、明らかに俺に対して反応はしている。
よく見ると上半身だけだ。
コブの中から上半身だけ生えている、そんな感じだった。
身体中に血管や筋のような物が浮き上がり、それとコブとが繋がっている。
ニーズヘッグと繋がっていると言う事は、やはりこれはバーデンの意思でニーズヘッグを操っていると言う事か。
パリッ
「!?」
俺は異変を感じた。
何だこれは。
パリパリパリッ
体が痺れる。
よく見れば、肉壁と言わず床と言わず、辺りのいたる所が青白い光を放っている。
「……体が!?」
体が思うように動かない。
足がもつれる。
「管理人……!これは何だ?」
俺は思わず管理人に助けを求めた。
「おそらくニーズヘッグの神経から発せられる、筋肉を動かす為の微弱な電流です。と言ってもこのサイズですからレオさんにとっては微弱ではないかもしれませんが。ニーズヘッグは異物であるレオさんを排出しようとしているのかもしれません」
駄目だ。
何を言っているのかさっぱり判らん。
とにかくニーズヘッグが俺を除去しようとしていると言う事だけはなんとなく判った。
「おそらくですが……」
なんだ。
まだ何かあるのか。
そう思って視線をバーデンに移した俺は鳥肌が立った。
気持ち悪っ。
生理的嫌悪感を感じる。
何だか良く判らないが、カビのはえたパンのような、何とも形容しがたい物がこの部屋に入って来ている。
「……次に来るのは白血球、マクロファージ等の免疫系の血液細胞です」
頼むから判るように言ってくれ。
俺はもつれる足を必死に動かして距離を取った。
「データ収集、解析に入ります」
管理人はそう言うと黙ってしまった。
くそ、どうすりゃ良いんだ。
「ぐっぐっぐっぐっ……」
バーデンが笑う。
意識はあるのか。
何故しゃべらないんだ。
続々とこの奇妙でグロテスクな物たちが増えていく。
このままではまずいぞ。
囲まれてしまう。
ぎゅばっ!
突然、白血球とか言う化け物が襲い掛かった。
「うおっ!」
俺は必死にかわしたが、次から次に襲い掛かってくる。
数が尋常では無い。
広いと言ってもニーズヘッグの頭の中だ。
庭園のように広い訳では無い。
「!?」
俺の足が止まる。
何だこれは。
十数メートル先に壁が見えた。
ここがこの空間の端っこなのか。
その肉壁から大きなコブが突き出ている。
だが、そんな事くらいで驚きはしない。
問題はそのコブが何かだ。
「ぐっぐっぐっぐっ……」
コブが笑った。
いや、確かに笑ったのだ。
にちゃあ……!
コブの先端が割れる。
中から現れたのは。
「……バーデン!」
俺は度肝を抜かれた。
「ぐぎぎぎぎ……!」
言葉をしゃべってはいない。
だが、明らかに俺に対して反応はしている。
よく見ると上半身だけだ。
コブの中から上半身だけ生えている、そんな感じだった。
身体中に血管や筋のような物が浮き上がり、それとコブとが繋がっている。
ニーズヘッグと繋がっていると言う事は、やはりこれはバーデンの意思でニーズヘッグを操っていると言う事か。
パリッ
「!?」
俺は異変を感じた。
何だこれは。
パリパリパリッ
体が痺れる。
よく見れば、肉壁と言わず床と言わず、辺りのいたる所が青白い光を放っている。
「……体が!?」
体が思うように動かない。
足がもつれる。
「管理人……!これは何だ?」
俺は思わず管理人に助けを求めた。
「おそらくニーズヘッグの神経から発せられる、筋肉を動かす為の微弱な電流です。と言ってもこのサイズですからレオさんにとっては微弱ではないかもしれませんが。ニーズヘッグは異物であるレオさんを排出しようとしているのかもしれません」
駄目だ。
何を言っているのかさっぱり判らん。
とにかくニーズヘッグが俺を除去しようとしていると言う事だけはなんとなく判った。
「おそらくですが……」
なんだ。
まだ何かあるのか。
そう思って視線をバーデンに移した俺は鳥肌が立った。
気持ち悪っ。
生理的嫌悪感を感じる。
何だか良く判らないが、カビのはえたパンのような、何とも形容しがたい物がこの部屋に入って来ている。
「……次に来るのは白血球、マクロファージ等の免疫系の血液細胞です」
頼むから判るように言ってくれ。
俺はもつれる足を必死に動かして距離を取った。
「データ収集、解析に入ります」
管理人はそう言うと黙ってしまった。
くそ、どうすりゃ良いんだ。
「ぐっぐっぐっぐっ……」
バーデンが笑う。
意識はあるのか。
何故しゃべらないんだ。
続々とこの奇妙でグロテスクな物たちが増えていく。
このままではまずいぞ。
囲まれてしまう。
ぎゅばっ!
突然、白血球とか言う化け物が襲い掛かった。
「うおっ!」
俺は必死にかわしたが、次から次に襲い掛かってくる。
数が尋常では無い。
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