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四七四
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翌朝。
俺とオレコとカルタス、それにトラゴスの四人で繁華街に向かった。
蜻蛉洲はあとで来ると言っていた。
俺は早速銀猫の所へ向かう。
銀猫の店は閉まっていたが、訪ねると中へ入れてくれた。
「いやあ参ったよ」
銀猫が頭を掻いた。
「引き受けたは良いが、あまりに勝手が違いすぎる。今日は両替所のオープンだ。あと畑仕事をしたいヤツに畑仕事自体を教えるんだとよ」
そりゃあこんな街中で暮らしてたやつらが、いきなり農夫は無理だろう。
だいたい畑はどうするつもりなんだ。
「畑は何とかすると言っていたぞ」
銀猫が肩をすくめる。
本当かよとも思うが、たぶん何とかしてしまうのだろう。
「夕べ蜻蛉洲は漁業もそのうちするとか何とか言ってたぞ」
俺が夕べの秋津洲の言葉を伝えると、銀猫は目を丸くして俺を見た。
「言わなくていい。お前の気持ちは俺も判る」
俺は銀猫の言葉を遮ってそう言った。
街中で漁業?
まったく訳が判らない。
「……海まで作ってしまうのか?」
言わなくて良いと言ったのに、言わずにはおれんか。
「俺も同じことを言ったが、阿保と言われた。作るのは魚なんだそうだ」
そっちは阿保じゃないのか。
俺は思い出してため息をついた。
「農夫のための農業学校を設立すると言っていたぞ。その他の業種も同様だそうだ」
カルタスが口を挟む。
紡績から服飾まで学校を作るのか。
いったい、いつ働くんだ?
「学びながら働くんだそうだ。しかも金も出るんだと」
「働きながら?それで金までもらえるのか?」
銀猫が驚く。
「ジョルターで支払うらしいがね」
カルタスも肩をすくめた。
全員の頭の中は、クエスチョンマークだらけだった。
「ジョルターねえ。上手くいくのか?」
銀猫が言った。
「蜻蛉洲様は大変な自信がお有りのご様子だったわよ」
オレコが答える。
まあ、自信はあるのだろう。
と言うか、彼らは自信しかない。
そんな奴らだ。
「ジョルターを渡して金貨と両替できるようにするらしい」
「へえ。レートは?」
銀猫が俺を見る。
「それはまだ判らんが、かなり高レートだと思う。金貨を稼ぐよりもジョルターを稼ぐ方が簡単だからな。金貨欲しさに皆ジョルターを欲しがるようになる」
「なるほどねえ。だがそんなに上手くいくのか?」
そう、問題はそこだけだ。
だが俺はなんとなく上手くいくんだろうと思っていた。
理由は特に無いが、彼らならやるんだろうと思う。
「た、たた大変です!」
そこへウェイトレスの女が転がるように部屋に入って来た。
銀猫の配下がこんなに慌てるなんて珍しいな。
「落ち着け。どうした?」
ウェイトレスの女はもつれる口で、必死にまくし立てた。
「て、てて帝国の兵隊がこっちに来ます。すごい数です!」
俺とオレコとカルタス、それにトラゴスの四人で繁華街に向かった。
蜻蛉洲はあとで来ると言っていた。
俺は早速銀猫の所へ向かう。
銀猫の店は閉まっていたが、訪ねると中へ入れてくれた。
「いやあ参ったよ」
銀猫が頭を掻いた。
「引き受けたは良いが、あまりに勝手が違いすぎる。今日は両替所のオープンだ。あと畑仕事をしたいヤツに畑仕事自体を教えるんだとよ」
そりゃあこんな街中で暮らしてたやつらが、いきなり農夫は無理だろう。
だいたい畑はどうするつもりなんだ。
「畑は何とかすると言っていたぞ」
銀猫が肩をすくめる。
本当かよとも思うが、たぶん何とかしてしまうのだろう。
「夕べ蜻蛉洲は漁業もそのうちするとか何とか言ってたぞ」
俺が夕べの秋津洲の言葉を伝えると、銀猫は目を丸くして俺を見た。
「言わなくていい。お前の気持ちは俺も判る」
俺は銀猫の言葉を遮ってそう言った。
街中で漁業?
まったく訳が判らない。
「……海まで作ってしまうのか?」
言わなくて良いと言ったのに、言わずにはおれんか。
「俺も同じことを言ったが、阿保と言われた。作るのは魚なんだそうだ」
そっちは阿保じゃないのか。
俺は思い出してため息をついた。
「農夫のための農業学校を設立すると言っていたぞ。その他の業種も同様だそうだ」
カルタスが口を挟む。
紡績から服飾まで学校を作るのか。
いったい、いつ働くんだ?
「学びながら働くんだそうだ。しかも金も出るんだと」
「働きながら?それで金までもらえるのか?」
銀猫が驚く。
「ジョルターで支払うらしいがね」
カルタスも肩をすくめた。
全員の頭の中は、クエスチョンマークだらけだった。
「ジョルターねえ。上手くいくのか?」
銀猫が言った。
「蜻蛉洲様は大変な自信がお有りのご様子だったわよ」
オレコが答える。
まあ、自信はあるのだろう。
と言うか、彼らは自信しかない。
そんな奴らだ。
「ジョルターを渡して金貨と両替できるようにするらしい」
「へえ。レートは?」
銀猫が俺を見る。
「それはまだ判らんが、かなり高レートだと思う。金貨を稼ぐよりもジョルターを稼ぐ方が簡単だからな。金貨欲しさに皆ジョルターを欲しがるようになる」
「なるほどねえ。だがそんなに上手くいくのか?」
そう、問題はそこだけだ。
だが俺はなんとなく上手くいくんだろうと思っていた。
理由は特に無いが、彼らならやるんだろうと思う。
「た、たた大変です!」
そこへウェイトレスの女が転がるように部屋に入って来た。
銀猫の配下がこんなに慌てるなんて珍しいな。
「落ち着け。どうした?」
ウェイトレスの女はもつれる口で、必死にまくし立てた。
「て、てて帝国の兵隊がこっちに来ます。すごい数です!」
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