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四二一
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マイヤードの顔が青ざめる。
「き、金貨五十枚……だとぉ」
卒倒しそうになるのをマイヤードは怒りで踏みとどまった。
「お前の気持ちは判る。俺も何故そんな大金をと思ったからな。だが結果として俺たちが先に手に入れた。お前が金をケチらずに金で買っていれば、或いはブラッドサファイアはお前の物になっていたかもしれんな」
これは偽らざる俺の本心だ。
なまじ金など払う必要は無い、奪ってしまえば良いと考えたからこそ、出し抜かれたのだ。
結果論だが、これはオオムカデンダルの判断が正しかった事を意味する。
価格が適正だったかどうかは、その価値をどう見積もったかによるのだ。
「ふ、ふふふ……ははははははは!」
マイヤードは突然笑い出した。
ショックで錯乱したか。
「そうか、お前が手に入れたのか。だったら要らん」
諦めが早いな。
負け惜しみか。
「貴様のような化け物に効果が無いなら、ブラッドサファイアも偽物と言う事だ。それに金貨五十枚とは。大馬鹿は貴様だ!」
マイヤードはそう叫んで更に大笑した。
なるほど。
やはりそう考えていたか。
「喜んでいる所悪いが、俺は別にモンスターじゃない。化け物である事自体は否定しないが」
「抜かせ!どこからどう見ても貴様はモンスターだろ!」
「ブラッドサファイアが本物である事は、賢者サルバスのお墨付きだ。まあ、貴様がどう思うと勝手だが」
マイヤードが突然真顔になる。
「まあ、もう終わった話だ。そんな事はどうでもいい。ただ、何故お前が退魔の力を持つブラッドサファイアを欲しがったのか。それを聞きに来たのだ」
マイヤードが忌々しげに俺を睨み付ける。
そんな目で見てもブラッドサファイアはやらんぞ。
「そんな事を聞いてどうするのだ?」
「お前にも、お前の組織にも、ブラッドサファイアが必要とは思えん。何故あの子供たちを追い回してまで欲しがったのか、何の為に俺たちを襲ったのか、それを聞かせてもらおう」
「貴様には関係あるまい……お前を襲わせたのはブラッドサファイアが本物だと信じたからにほかならない」
「金に替える気だったのか?」
「ふふ、馬鹿な。あらゆるモンスターを退けるんだぞ。誰が金に替えるか」
じゃあ何か。
本当にモンスター避けとして欲しがったと言うのか。
「知れた事を。他に何がある」
「何故モンスターを恐れている?」
マイヤードが俺を見た。
真剣な眼だ。
「何故だと?それが判れば苦労は無いわっ!」
マイヤードが堰を切ったように叫んだ。
何を言ってるんだコイツは。
理由も判らずあのレアアイテムを欲しがったと言うのか。
だが、マイヤードの眼は真剣そのものだった。
「き、金貨五十枚……だとぉ」
卒倒しそうになるのをマイヤードは怒りで踏みとどまった。
「お前の気持ちは判る。俺も何故そんな大金をと思ったからな。だが結果として俺たちが先に手に入れた。お前が金をケチらずに金で買っていれば、或いはブラッドサファイアはお前の物になっていたかもしれんな」
これは偽らざる俺の本心だ。
なまじ金など払う必要は無い、奪ってしまえば良いと考えたからこそ、出し抜かれたのだ。
結果論だが、これはオオムカデンダルの判断が正しかった事を意味する。
価格が適正だったかどうかは、その価値をどう見積もったかによるのだ。
「ふ、ふふふ……ははははははは!」
マイヤードは突然笑い出した。
ショックで錯乱したか。
「そうか、お前が手に入れたのか。だったら要らん」
諦めが早いな。
負け惜しみか。
「貴様のような化け物に効果が無いなら、ブラッドサファイアも偽物と言う事だ。それに金貨五十枚とは。大馬鹿は貴様だ!」
マイヤードはそう叫んで更に大笑した。
なるほど。
やはりそう考えていたか。
「喜んでいる所悪いが、俺は別にモンスターじゃない。化け物である事自体は否定しないが」
「抜かせ!どこからどう見ても貴様はモンスターだろ!」
「ブラッドサファイアが本物である事は、賢者サルバスのお墨付きだ。まあ、貴様がどう思うと勝手だが」
マイヤードが突然真顔になる。
「まあ、もう終わった話だ。そんな事はどうでもいい。ただ、何故お前が退魔の力を持つブラッドサファイアを欲しがったのか。それを聞きに来たのだ」
マイヤードが忌々しげに俺を睨み付ける。
そんな目で見てもブラッドサファイアはやらんぞ。
「そんな事を聞いてどうするのだ?」
「お前にも、お前の組織にも、ブラッドサファイアが必要とは思えん。何故あの子供たちを追い回してまで欲しがったのか、何の為に俺たちを襲ったのか、それを聞かせてもらおう」
「貴様には関係あるまい……お前を襲わせたのはブラッドサファイアが本物だと信じたからにほかならない」
「金に替える気だったのか?」
「ふふ、馬鹿な。あらゆるモンスターを退けるんだぞ。誰が金に替えるか」
じゃあ何か。
本当にモンスター避けとして欲しがったと言うのか。
「知れた事を。他に何がある」
「何故モンスターを恐れている?」
マイヤードが俺を見た。
真剣な眼だ。
「何故だと?それが判れば苦労は無いわっ!」
マイヤードが堰を切ったように叫んだ。
何を言ってるんだコイツは。
理由も判らずあのレアアイテムを欲しがったと言うのか。
だが、マイヤードの眼は真剣そのものだった。
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