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三四二
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「え、ええ。でもこれ……武器なの?」
オレコは眉をひそめて並べられた装備の数々を眺めた。
確かに、パッと見た感じ、何となく武器のような形状の物もあるが、何だか良く判らない物も含まれている。
「これはなんだ?」
カルタスがその中の一つを取り上げた。
「それは剣型の武器ね。破壊力と防御力を兼ね備えてあるわ」
「防御力?」
カルタスが聞き返した。
剣に防御力とはどう言う意味か。
それに剣の切れ味を破壊力と言った事が気になる。
「専門的な事は抜きにするけど、とても硬い合金で出来ているわ。この世界ならそう簡単に破壊されないと思う。貸してごらんなさい」
令子はカルタスから剣を取ると自ら使って見せた。
キュイー……ン
小さな音がなる。
刀身の幅が異様に広い。
正面に構えると顔が隠れてしまう程だ。
カルタスのブロードソードと同じくらいの長さだが、肉厚で刃が広い分こちらの方がより重量感がある。
「このままでも敵の攻撃は十分に防げるわ。でもこの剣の使い方はこうよ」
令子はカルタスに自分を攻撃するように言った。
「良いのか?知らねえぞ?」
そう言いながらもカルタスは、手加減するつもりなど毛頭無い。
顔にそう書いてある。
「ふんっ!」
カルタスが何の躊躇も無く、令子を想いっきり殴り付けた。
バインッ!
「うおあっ!?」
殴ったカルタスが逆に弾き返された。
もんどりうって後方に転がる。
「いってえ……なんだ今の?」
頭を押さえながらカルタスが立ち上がる。
お前、丈夫で良かったな。
母親に感謝しろ。
「目に見えない力場……力が発生して攻撃を弾き返すわ」
剣なのに盾でもあるのか。
「防御力はどのくらいだ?」
カルタスの質問に令子は考える素振りを見せた。
たぶん自分たちの言い方では伝わらないと考えて、俺たちにも判る言い方を考えているのだ。
「そうね……山の斜面を転がり落ちてくる巨大な岩を難なく跳ね返せるくらいかしら」
マジか。
剣はともかく受けた人間は耐えられないだろう。
「まあ、ある程度は力のある人じゃないと無理ね。でもインパクトの瞬間の衝撃を百分の一以下にやわらげてくれるから力さえあれば何とかなるわ」
令子はそう言って剣を持ち替えた。
インパクトの瞬間の衝撃か。
魔法攻撃の爆発や当たった瞬間は何とも無いと言うことか。
だがそれでは、例えば怪力モンスターに押された場合は単純に力比べになる。
やはり膂力は必要だ。
「これ、刃はどうなってるんだ。何だかでこぼこしてて、斬れそうにも無いが?」
カルタスが剣の刃を見て言った。
「これは剣の形をした武器と言うだけよ。厳密には剣では無いわ。使い方は似てるけど」
令子の言葉に俺とカルタスは顔を見合わせた。
オレコは眉をひそめて並べられた装備の数々を眺めた。
確かに、パッと見た感じ、何となく武器のような形状の物もあるが、何だか良く判らない物も含まれている。
「これはなんだ?」
カルタスがその中の一つを取り上げた。
「それは剣型の武器ね。破壊力と防御力を兼ね備えてあるわ」
「防御力?」
カルタスが聞き返した。
剣に防御力とはどう言う意味か。
それに剣の切れ味を破壊力と言った事が気になる。
「専門的な事は抜きにするけど、とても硬い合金で出来ているわ。この世界ならそう簡単に破壊されないと思う。貸してごらんなさい」
令子はカルタスから剣を取ると自ら使って見せた。
キュイー……ン
小さな音がなる。
刀身の幅が異様に広い。
正面に構えると顔が隠れてしまう程だ。
カルタスのブロードソードと同じくらいの長さだが、肉厚で刃が広い分こちらの方がより重量感がある。
「このままでも敵の攻撃は十分に防げるわ。でもこの剣の使い方はこうよ」
令子はカルタスに自分を攻撃するように言った。
「良いのか?知らねえぞ?」
そう言いながらもカルタスは、手加減するつもりなど毛頭無い。
顔にそう書いてある。
「ふんっ!」
カルタスが何の躊躇も無く、令子を想いっきり殴り付けた。
バインッ!
「うおあっ!?」
殴ったカルタスが逆に弾き返された。
もんどりうって後方に転がる。
「いってえ……なんだ今の?」
頭を押さえながらカルタスが立ち上がる。
お前、丈夫で良かったな。
母親に感謝しろ。
「目に見えない力場……力が発生して攻撃を弾き返すわ」
剣なのに盾でもあるのか。
「防御力はどのくらいだ?」
カルタスの質問に令子は考える素振りを見せた。
たぶん自分たちの言い方では伝わらないと考えて、俺たちにも判る言い方を考えているのだ。
「そうね……山の斜面を転がり落ちてくる巨大な岩を難なく跳ね返せるくらいかしら」
マジか。
剣はともかく受けた人間は耐えられないだろう。
「まあ、ある程度は力のある人じゃないと無理ね。でもインパクトの瞬間の衝撃を百分の一以下にやわらげてくれるから力さえあれば何とかなるわ」
令子はそう言って剣を持ち替えた。
インパクトの瞬間の衝撃か。
魔法攻撃の爆発や当たった瞬間は何とも無いと言うことか。
だがそれでは、例えば怪力モンスターに押された場合は単純に力比べになる。
やはり膂力は必要だ。
「これ、刃はどうなってるんだ。何だかでこぼこしてて、斬れそうにも無いが?」
カルタスが剣の刃を見て言った。
「これは剣の形をした武器と言うだけよ。厳密には剣では無いわ。使い方は似てるけど」
令子の言葉に俺とカルタスは顔を見合わせた。
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