見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三四一

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「簡単に言ってくれるなよ……」

 カルタスがぼやく。

「ここに居ればそう言う機会は意外と訪れる。俺だって話でしか聞いた事の無いようなモンスターに何回も出会ってる。お前みたいなのにはここは居心地が良いだろうよ」

 それを聞いてオレコもため息を吐いた。

「どうやらそうみたいね。私は望んでないけど」

「確かに……お前と居るだけでレイスだワイトだと賑やかな事この上ねえ。キメラも俺はまだ見た事はねえし、その上ヴァンパイアとはな」

「そもそも、この場所に居るだけでモンスターには事欠かない。なんたってモンスターの巣窟ミスリル銀山だからな。なんならここでバジリスクやコカトリスとも出会えるぞ。俺はロック鳥とオウルベアとも戦った事があるぞ。まあ改造手術の前だがな」

 カルタスは肩をすくめた。
これ以上コメントは無いらしい。

「ま、いいや。これ以上は考えても仕方がねえ。とりあえず戻ろうぜ」

 カルタスがそう言うので、俺たちは一路拠点へ戻った。

「レオ。令子が全員戻ってきたらラボに来いって」

 戻るなり広間に居たフィエステリアームがそう言った。
テーブルの定位置に座り何かを飲んでいる。

「何を飲んでいるんだ?」

「コーラだよ」

「こーら?」

 聞いたことが無い飲み物だ。

「旨いのか?」

「んー。まあまあかな」

 まあまあなのか。
お茶みたいなもんか?
俺はそんな事を考えながら、令子のラボへと向かった。
だったら先に帰らずに俺たちと一緒に戻っても良さそうなもんだが。
俺は三人を連れて令子のラボを訪れた。

「令子さん。入るぜ?」

 俺はそう言ってからラボへと足を踏み入れた。

「来たわね」

 令子が何かを準備しながら振り返った。

「何をしてるんだ?」

「あなたたちの装備を用意してたのよ。専用の装備って訳じゃないけど、有りものでも役に立つわ。それぞれに合ったものを選んだから見なさい」

 有りものの装備?
床には何やらどっさり物が並べられていた。

「令子。それレオたちにやるのかい?」

 フィエステリアームの声が背後からした。
付いてきたのか。

「レオはもう改造を受けてるから必要ないわ。これはそっちの二人の分ね。トラゴスさんには今は必要ないわ」

 まあ、戦闘要員でも無いし、正体はバフォメットだからな。
もっと言えば山羊だし。

「俺たちの装備?」

「そうよ。改造手術は免除しても良いけど、もっと強くなる分には構わないでしょ?充実した装備ならあなたたちも嫌がらないんじゃない?」

「まあ、そりゃあそうだ。俺は傭兵だからな。武器は何でも扱えるし、それが良い武器ならなおさら大歓迎だ。なあ?」

 カルタスはそう言ってオレコを見た。
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