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二八二
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外に出た。
ここは、中庭か。
広場のようになっているが、周囲には遊歩道がある。
テラス席も一部に見える。
さすが帝国、豪華だな。
小さな泉が設置してある。
こんな物まであるのか。
俺はその泉越しに向こうを見た。
あれは……
魔導士風の人影が見える。
二人か。
他はどうしたんだ。
話では三人と言うことだったが。
それを離れて見ているのは、将軍たちか。
身に付けている甲冑が違う。
目が覚めるような青い甲冑。
藍眼鉱だ。
あんな鎧を着ているのは帝国の将軍だけだ。
魔導士が二人、将軍が二人、他に部隊長らしき者が五名、全部で九名。
例の冒険者とやらは見えないがどこに居るのか。
まあ、いい。
用があるのは魔導士の方だ。
未だにコイツらの正確な職業が見えてこない。
キメラになった奴は、神官職の魔法も使うし、召喚術も使っていた。
自らは変身までしたわけだが、コイツらもアレの仲間だとしたら、当然同じ事は出来ると考えた方が良いだろう。
「おい、何者だ。何をしている!」
突如、背後から声がした。
慌てて振り返ると、部隊長らしき格好の男がここにも立っていた。
しまった。
魔導士の正体を考えていて、気がつかなかった。
男の声に気付いて、将軍たちもこちらを振り返った。
この場に居る全員に、気付かれた。
どうせこうなるとは思ったが、もう少しマシなタイミングが良かったんだが。
男が剣を抜いた。
やる気か。
「曲者ッ!」
叫びながら斬りかかる男の手を、ガシッと掴まえる。
「くッ!なにをっ!」
さすが軍人。
対人戦は馴れているな。
攻撃に迷いがなかった。
ただ、技量は今一つか。
ガッ!
男がとっさに爪先で蹴りあげる。
それが的確に俺の腹を捉えた。
だが、この程度は蚊に刺された程でもない。
「喧嘩技か。なかなかやるな。だが、実力不足だ」
俺はそのまま男を後ろへ放り投げた。
「うわあっ!」
男は地面を二度弾んで転がった。
さて、これで友好的な話し合いは無くなったか。
カルタスもオレコもそれは予想していた。
「どうするの?このまま乱闘?」
「俺は構わねえが、ちと分が悪いな」
部隊長が六人でも普通は勝ち目はない。
ましてや将軍と魔法職が合わされば、これはもう部隊と言うより兵団だ。
それを目の当たりにして、この程度のセリフが出てくるのは、二人が相当に手練れである事を意味していた。
「真に要注意なのは魔導士だ。他はどうとでもなる」
俺の言葉に二人は目を丸くした。
「この場で大口叩けるとは、お前もやるな」
カルタスが嬉しそうに言う。
別に大口叩いたつもりはないが。
「一応、話を聞いてもらえるか試してみよう」
俺はそのまま将軍たちに近付いた。
ここは、中庭か。
広場のようになっているが、周囲には遊歩道がある。
テラス席も一部に見える。
さすが帝国、豪華だな。
小さな泉が設置してある。
こんな物まであるのか。
俺はその泉越しに向こうを見た。
あれは……
魔導士風の人影が見える。
二人か。
他はどうしたんだ。
話では三人と言うことだったが。
それを離れて見ているのは、将軍たちか。
身に付けている甲冑が違う。
目が覚めるような青い甲冑。
藍眼鉱だ。
あんな鎧を着ているのは帝国の将軍だけだ。
魔導士が二人、将軍が二人、他に部隊長らしき者が五名、全部で九名。
例の冒険者とやらは見えないがどこに居るのか。
まあ、いい。
用があるのは魔導士の方だ。
未だにコイツらの正確な職業が見えてこない。
キメラになった奴は、神官職の魔法も使うし、召喚術も使っていた。
自らは変身までしたわけだが、コイツらもアレの仲間だとしたら、当然同じ事は出来ると考えた方が良いだろう。
「おい、何者だ。何をしている!」
突如、背後から声がした。
慌てて振り返ると、部隊長らしき格好の男がここにも立っていた。
しまった。
魔導士の正体を考えていて、気がつかなかった。
男の声に気付いて、将軍たちもこちらを振り返った。
この場に居る全員に、気付かれた。
どうせこうなるとは思ったが、もう少しマシなタイミングが良かったんだが。
男が剣を抜いた。
やる気か。
「曲者ッ!」
叫びながら斬りかかる男の手を、ガシッと掴まえる。
「くッ!なにをっ!」
さすが軍人。
対人戦は馴れているな。
攻撃に迷いがなかった。
ただ、技量は今一つか。
ガッ!
男がとっさに爪先で蹴りあげる。
それが的確に俺の腹を捉えた。
だが、この程度は蚊に刺された程でもない。
「喧嘩技か。なかなかやるな。だが、実力不足だ」
俺はそのまま男を後ろへ放り投げた。
「うわあっ!」
男は地面を二度弾んで転がった。
さて、これで友好的な話し合いは無くなったか。
カルタスもオレコもそれは予想していた。
「どうするの?このまま乱闘?」
「俺は構わねえが、ちと分が悪いな」
部隊長が六人でも普通は勝ち目はない。
ましてや将軍と魔法職が合わされば、これはもう部隊と言うより兵団だ。
それを目の当たりにして、この程度のセリフが出てくるのは、二人が相当に手練れである事を意味していた。
「真に要注意なのは魔導士だ。他はどうとでもなる」
俺の言葉に二人は目を丸くした。
「この場で大口叩けるとは、お前もやるな」
カルタスが嬉しそうに言う。
別に大口叩いたつもりはないが。
「一応、話を聞いてもらえるか試してみよう」
俺はそのまま将軍たちに近付いた。
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