見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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二六六

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「じゃあこれは?そのネオジョルト討伐の為に新戦力の創設と拡充をしているらしいって」

 いや、それは知らんな。
初耳だ。

 だが、それがどうしたと言う話だ。
彼らならそんな物、何の問題もないだろう。
有っても無くても変わらない。
蟻が居ても居なくても変わらないのと同じなのだ。

「将軍クラスが数名に、新たなブラックナイトクラスが四名、それに魔導士が数人。盗賊団相手にしては結構な戦力よ」

 確かにそうだが、完全に役不足だ。
将軍クラスはともかく、今さらブラックナイトクラスなど物の数ではない。
そもそも、その将軍クラスが二人もやられているのにだ。
そこへ魔導士が束になったところで、何の意味もあるまい。

 オレコは人差し指を立てると、チッチッチッと左右に振った。

「ところがよ?このブラックナイトクラスはつい最近までハイパーナイトクラスの冒険者だったらしいわ。それが短期間でブラックナイトクラスに昇級したって。しかも」

 オレコは勿体つけて俺たちの顔を見渡した。

「実力はドラゴンクラスだと帝国内部で囁かれているのよ。これは内部の私の協力者から聞いたから確かよ」

 ドラゴン級だと。
そんな馬鹿な。

 ドラゴンクラスはレジェンドだ。
どこにいるのか、それが誰なのか、多くは不明である。
つまりウチに食客として居候している賢者サルバスは特別なのだ。
変わり者と言って良い。

 それにドラゴンクラスは階級ではない。
称号なのだ。

 人々が尊敬と畏敬の念を込めてそう呼ぶのだ。
ブラックナイトでありながら、それを遥かに凌駕する実力者を特別にそう呼ぶ。

 かつて世に四度現れたと言う魔王。
それぞれの魔王は互いに何の関係もない存在だが、そのどれもが世界を統べるも、破壊するも、思いのままだったと言う。

 その魔王を討伐したのがドラゴンクラスの冒険者だ。
つまり規格外のブラックナイト冒険者である。

 以来、それに見合うだけの実力が認められなければドラゴンクラスは名乗れないし、名乗ったところで笑われて相手にされないのがオチである。

 それを、帝国が認定しただと。
皇帝は何を考えているのか。

「どう?少しは価値がある情報だったかしら?」

 オレコが俺の顔を見た。

「……いや。意外に興味深かったが、俺はプニーフタールとその信者共以外、眼中にない」

 俺は素っ気なく答えた。
最初に思ったほどつまらなくは無かったが、それでもやはり俺には必要のない情報だ。

 オレコは肩を落とした。

「そう……仕方ないわね。お役に立てなくて申し訳ないわ。代わりにオマケ情報も付けとくわね。その加わった魔導士の素性がよく判らないらしいの」

 ホントにオマケだな。
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