見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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二六五

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 結局その後、結論も出ないままに時間は過ぎた。
俺のやる事は決まっているので、カルタスがどうするかは興味がない。
まあ、好きにするだろうさ。

  翌朝。
少し早めに起きると、オレコの店に向かう支度を始めた。
顔を洗っているとカルタスがやって来た。
意外と早起きだな。
花屋の朝は早いのか。

 カルタスと入れ違いに店に出るとトラゴスも居る。

「おはようございます」

 トラゴスが挨拶する。

「ああ、おはよう。早いんだな」

 早起きしたつもりが、結局みんな同じ時間に起床するとは。
ちょっと拍子抜けだ。

「よお、みんな準備はいいか?」

 カルタスもやって来た。

「はい」

 トラゴスが返事をする。

「ちょっと待て。いったい何の話だ?」

 俺は状況が呑み込めずカルタスに質問した。

「なに寝ぼけた事を言ってやがる。行くんだろ?オレコんとこ」

 なに?
なんでお前らまで来るんだ。

「夕べあんな話を聞かされちゃ気になるじゃねえか。オレコが何て言うか聞きてえしな」

 別に来たきゃ来れば良いが、妙な事になった。
ただの野次馬根性なのだろうが。

 俺は特に反応せずに、店を出た。
後ろから二人が付いてくる。
まだ薄暗い道を、オレコの店まで三人で歩く。
オレコの店が見えてくると、もう灯りが点いているのが見えた。

 ギイ

 ドアを開けて足を踏み入れる。

「オレコ。レオだ、居るか?」

「あら、早いわね。でも待ってたわ」

 オレコは店内に居て、すぐに返事を返してきた。

「おや、まあ。珍しい御一行様だこと」

 俺たちの編成を見てオレコが目を丸くした。

「その人相の悪いのはともかく、そちらのお嬢様は?」

「はじめまして、トラゴスと申します」

 トラゴスがお辞儀をした。

「人相が悪いは余計だ」

 カルタスがふてくされる。

「それで何か判ったかい?」

 俺はせっかちに話を促した。

「そうね、お望みの答えドンピシャとはいかなかったけれど……」

 やはりそうか。
まあ、そんなに最初から上手く行くとは俺も思っていない。

「代わりになるか判らないけど、面白い話はあるわ」

 面白い話?
関係ない話なら無用だ。
興味ない。

「まあ、聞きなさいよ。実はね帝国内部で不穏な動きがあるらしいのよね」

 帝国関連か。
今は俺の興味対象外だ。
それにマズルには帝国へは行くなと忠告されている。

「最近、凶悪な盗賊団が現れたらしいんだけど、それが強いの何のと噂になってるわ。どうも将軍クラスが二人もやられたらしいって」

 おい、それは。

「何て言ったかしら……ネオ……ネオショベル……じゃなくて」

「ネオジョルトか」

「そう、それ!ネオジョルト!なんだ、知ってたの?」

 オレコが少しガッカリした顔で言った。

「まあな」

 俺は無反応に返した。
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