見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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二四七

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「ひぎゃああああ!ひいぃぃぃぃぃっ!」

 キメラが苦痛に絶叫する。
相当に苦しい筈だ。
毒耐性など無ければ、数秒で即死するほどの猛毒だ。
俺にもどんな原理の毒なのかは判らなかったが、データによれば神経を破壊し、細胞を破壊し、血液中の酸素を破壊し、血液の凝固を無効化し、無機物を強力に腐蝕させるとある。
意味は判らずとも、相当にヤバイのだろうと言うことだけはすぐに理解した。

「言え、妹はどこだ」

 俺はもう一度キメラに尋ねた。
キメラの脳天に刺さった触手の周囲がただれている。

「わ、我らの神殿だ……そこに送られた……!」

 送られただと。

「異界の門を通して一瞬で移動させたのだ。さあ、しゃべったぞ、も、もう良いだろう」

「そんな訳ないだろ。神殿の場所は?」

「そ、それは……」

「言わないつもりか。お前、度胸あるな」

 俺はキメラの脳天に毒を微量注入する。

「ぎやあああああああっ!」

 キメラが白目をむいて叫んだ。

「さっさと言えよ」

「い、言う!言うがラアッ!」

 俺は毒の注入を止めた。

「はあっ、はあっ……西だ。西の渓谷、帝国領の外にある古代の遺跡が……神殿だ」

 そんな所に遺跡があったか。
聞いたことがない。

「嘘じゃないだろうな」

「……どうせ調べるのだろう?嘘など言っても仕方があるまい」

 確かに一理あるが、そう簡単に信用する訳にもいかない。

「もう一つ答えろ。貴様はプニーフタールを知っているか」

 途端にキメラが黙った。

「……もう良いだろう。殺せ」

 キメラが諦めたように言った。
そんなに答えるのが嫌なのか。

「そこまで言いたくないって事は、そうだと言っているのと同じよ」

 令子が言った。
そうだ。
その通りだ。
やはりコイツらがプニーフタールを崇拝する狂信者どもか。

「ワシも聞きたい。お前……何者だ。なぜそんな力を有している。なぜプニーフタールを知っている?」

 キメラが小さなで尋ねた。
まるで誰かに聞かれるのを警戒しているようだ。

「プニーフタールと言うよりも、それを崇拝している狂った奴らに借りがある。プニーフタールはついでだ」

 キメラは一瞬黙った。

「ついでだと……?」

「あれが復活したらヤバイ事ぐらいは知っている。だからそれは阻止するが、狂信者どもの殲滅が目的だ。プニーフタールはそのついでだ」

 キメラが静かに笑った。

「くくく……うはははは……プニーフタールをついでとは」

 可笑しいか。
まあ、可笑しいだろうな。
だが俺は本気だ。

「お前は……いや、お前たちは確かに強い。サイクロプスを退け、キメラをも倒すのだ。並みの強さではない。だが、神であるプニーフタールを倒す気でいるとは」
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