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一三八
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「へぇ。重力子を遮断しているのか。どういう理屈か判らないが大したもんだ」
オオムカデンダルが感心したように言う。
グレート・ウォールが自分の攻撃を遮断している事に驚いている。
どっちの理屈も判らないが、グレート・ウォールは上位魔法職が複数人でそれぞれの役割を果たさなければ成立しない。
魔法を発現する役、それを束ねて安定させる役、それを壁のように展開させて障壁を作る役。
グレート・ウォールはこのようにして作っていると聞いた事がある。
もちろん、人数は多ければ多いほど強固で長大なものになる。
オオムカデンダルに破壊できない物が無かったとしても、そう簡単にはいくまい。
「耐えている……グラビトンガンに」
オニヤンマイザーが感嘆の声をあげた。
「最小威力とオオムカデンダルは言ったが、それにしても見事な防御壁だ」
あの蜻蛉洲が、ここまで他人の作った物を評価するというのもイメージにない。
よほど凄い事なのだろう。
「重力子を透過させないのも、重力子に耐えているのもどちらも興味深いな。見事だ」
いよいよオニヤンマイザーは身を乗り出した。
「壁の向こうで安心してふんぞり返ってるんだろ?だが、俺の手の届かない場所なんてない」
オオムカデンダルの声がする。
何をする気だ。
「おい、もう十分だろう。これ以上やると地殻に影響が出る!」
オニヤンマイザーが叫ぶ。
だが、オオムカデンダルにはやめる気など、さらさら無かった。
「今さら地震の一つや二つ!」
「馬鹿かお前は!その地震で国を滅ぼす気か!それとも地球を壊す気か!」
地球を壊す……!?
それは穏やかじゃない。
止められるなら是非止めてもらいたい。
少なくとも俺には止められそうもないが。
「やつらが絶対の自信を持っているもの。それを潰して見せないと、こう言う手合いは相手を認めないからな」
「もう龍をやっただろ、それで十分だ」
「いーや、俺はやる」
なんて子供みたいに聞き分けがないのか。
地球が壊れるんじゃないのか。
それよりも相手を踏みにじることが優先なのか。
「もちろんだ。レオ、よく覚えておけ。舐められたままにしておくな。それが『ネオ・ジョルト』の掟だ」
俺はオニヤンマイザーとウロコフネタマイトを見た。
「……俺も長年幹部を勤めているが、今日、初めて聞いた」
オニヤンマイザーはそう言うと、もう諦めたというように黙って立ち尽くした。
ウロコフネタマイトに至っては、もう光景を見てもいなかった。
なんか、つま先で石を蹴っている。
つまりこっちも諦めたと言うことか。
「無視できないようにしてやるぜ」
こちらの心配をよそに、オオムカデンダルが言った。
オオムカデンダルが感心したように言う。
グレート・ウォールが自分の攻撃を遮断している事に驚いている。
どっちの理屈も判らないが、グレート・ウォールは上位魔法職が複数人でそれぞれの役割を果たさなければ成立しない。
魔法を発現する役、それを束ねて安定させる役、それを壁のように展開させて障壁を作る役。
グレート・ウォールはこのようにして作っていると聞いた事がある。
もちろん、人数は多ければ多いほど強固で長大なものになる。
オオムカデンダルに破壊できない物が無かったとしても、そう簡単にはいくまい。
「耐えている……グラビトンガンに」
オニヤンマイザーが感嘆の声をあげた。
「最小威力とオオムカデンダルは言ったが、それにしても見事な防御壁だ」
あの蜻蛉洲が、ここまで他人の作った物を評価するというのもイメージにない。
よほど凄い事なのだろう。
「重力子を透過させないのも、重力子に耐えているのもどちらも興味深いな。見事だ」
いよいよオニヤンマイザーは身を乗り出した。
「壁の向こうで安心してふんぞり返ってるんだろ?だが、俺の手の届かない場所なんてない」
オオムカデンダルの声がする。
何をする気だ。
「おい、もう十分だろう。これ以上やると地殻に影響が出る!」
オニヤンマイザーが叫ぶ。
だが、オオムカデンダルにはやめる気など、さらさら無かった。
「今さら地震の一つや二つ!」
「馬鹿かお前は!その地震で国を滅ぼす気か!それとも地球を壊す気か!」
地球を壊す……!?
それは穏やかじゃない。
止められるなら是非止めてもらいたい。
少なくとも俺には止められそうもないが。
「やつらが絶対の自信を持っているもの。それを潰して見せないと、こう言う手合いは相手を認めないからな」
「もう龍をやっただろ、それで十分だ」
「いーや、俺はやる」
なんて子供みたいに聞き分けがないのか。
地球が壊れるんじゃないのか。
それよりも相手を踏みにじることが優先なのか。
「もちろんだ。レオ、よく覚えておけ。舐められたままにしておくな。それが『ネオ・ジョルト』の掟だ」
俺はオニヤンマイザーとウロコフネタマイトを見た。
「……俺も長年幹部を勤めているが、今日、初めて聞いた」
オニヤンマイザーはそう言うと、もう諦めたというように黙って立ち尽くした。
ウロコフネタマイトに至っては、もう光景を見てもいなかった。
なんか、つま先で石を蹴っている。
つまりこっちも諦めたと言うことか。
「無視できないようにしてやるぜ」
こちらの心配をよそに、オオムカデンダルが言った。
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