神々との契約と運命の歯車!!★孤独な英雄王…★

第2章〜冒険の果て

68話〜自分の立場

　ここはシャインスプラウトのモルケノフの屋敷。ガルドはあれからマルティスとマリアンヌと、白い建物と茶色の建物の間で待つグドルフマグド達の元へ行き合流した。

　その後、シャインスプラウト行きの馬車に乗りモルケノフの屋敷に向かった。そして、モルケノフの屋敷に着くと疲れているだろうと、各自用意された部屋に案内された。

　夕食の準備がされ、屋敷のメイド達が各部屋を廻り、ガルド達に声を掛けて歩いた。そして、ガルド達は食堂に向かうが、そこにはモルケノフはいなかった。

　現在ガルド達は食事を済ませ各部屋に戻っていた。

　ガルドは窓から外を眺めながら色々と考えていた。するとマグドが扉を開け部屋の中に入ってきた。

「ガルド。話があるんだが今大丈夫か？」

「ん？ああ、大丈夫だが、どうしたんだ？」

　そう言うとマグドはガルドの側まできた。

「ここまで旅をして来て、ふと思ったんだが。ガルド単刀直入に聞く。お前、ビスカの事をどう思っている？」

「……マグド!?いきなり何を言い出す！」

「はぁ、俺はいつの間にかビスカの事が好きになってたみたいなんだ。」

「なるほど、そうだったのか。だが、何で俺に聞くんだ？」

「いや、ビスカを見てると、どうもお前の事を常に気にかけ見ているように思えるんだ。」

「ビスカがか？いや、それは気のせいだろう。それにもしそうだとしても、俺はビスカの事を仲間としか思っていない。」

「そうなのか。それを聞いて少しは安心した。」

「それはそうと。明日ここの大臣モルケノフと会うんだよな。」

「……ああ、そうだな。ガルド前から気になってたんだが。お前は目上の人や格上の人に対して滅多に様やさんを付けないよな。」

「ん？気にしてなかったが、そう言えばそうだな。」

「ふぅ。まぁ、今のお前の立場なら、今のままで大丈夫だろうがな。」

「そうなのか？てか、いまいち今の立場とか言われても色んな意味で分らねぇんだが。」

「そっか。お前はまだ自分の立場を理解していないって事か。だがこの先、自分の立場を理解してないと、逆に周りに迷惑をかける事になる。」

「そうかもしれないな。てか、マグド……そう言うお前こそ理解してるのか？お前一応王子なんだよな！」

「一応って……一応じゃなく、紛れもなく王子だ！」

「あっ、そうだったな。いや、よかった。お前は理解してるみたいでな。」

「……はぁ、まぁいい。さて、そろそろ寝るか。」

「ああ、そうだな。俺もそろそろ寝る。またな。」

「ああ、また明日な。」

　そう言うとマグドは手を振り自分の部屋に向かった。

「……自分の立場か。確かに考えた事がなかったな。まぁ、とりあえず今日は疲れたし、後でこの事について考えるとして寝るかな。」

　そう言うとガルドは、ベットの方に行きゴロンと横になると頭の整理をしていた。そして、いつの間にか眠りについた。

　そして翌朝、ガルド達は朝食を済ませしばらく部屋で待機していると、メイド達がジェシカとレフィカル以外の部屋を分担して廻っていた。

　ガルドは部屋で椅子に座り昨日マグドに言われた事を考えていた。

　すると扉を開けメイドが部屋の中に入ってきて、ガルドの前まで来ると一礼をした。

「ガルド様。モルケノフ様の方の準備が整いましたので、お迎えにあがりました。」

「ああ、すまない。さて、行くとするか。」

　ガルドは椅子から立ちあがり、メイドと共にモルケノフの待つ部屋へと向かった。

　そして、マグドとビスカとユリィナとマリアンヌもメイド達と共にモルケノフの元へと向かった。