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最終章〜終結。そして始まる
167話〜無謀な時間稼ぎ
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ここは神々の塔の最上階にある異空間漂う部屋。
無表情のままラミアスはハクリュウが映る画像をみている。
(やはり、ドラゴンの力を得なければ無理やもしれぬ。ですが、まだブラグジオスは……。それにハクリュウはまた何かをやろうとしています)
そう思い考えたあとラミアスは、もう少し様子をみることにした。
場所は変わり、ここは名もなき城の中庭の東側。辺りは激しく揺れ、轟音が鳴り響き、ガラガラ、ドサドサと至るところに崩れ落ちる。
デブピエロ悪魔は魔法で崩した壁を通って中庭に足を踏み入れると、一旦立ちどまり、南側の祭壇の方を向いた。
「マナ……モット……チクセキ……チカラ……タリナイ……」
そう言いながら、ノソノソと音も立てずに南側の祭壇へと向かい歩き始める。
一方、タツキはデブピエロ悪魔の側まで来ていた。
(マナ……か。恐らくブラグジオスの分身は、更に力をつけるつもりだ。その上で本体と完全に切り離す算段だろう。もしそうなら、阻止しなければ今より状況が悪化するだろうな)
どう対処したらいいかと思考を巡らせながらデブピエロ悪魔の行動を監視する。とその時、祭壇の上に腰掛けているハクリュウが視野に入ってきた。
(ハクリュウ!? なんでそこにいる? それに、なぜ座っているんだ! 確かそこにはユウの妹がいたはず……)
そう思いながら視線を右へと向ける。
(これはどうなっている? ユウの妹がどこにも見当たらない。それにあのバルムとかいうヤツもな)
今の状況が飲み込めず困惑しながら再び南側の祭壇に向かうデブピエロ悪魔の方をみた。
(……予定と変わった。しかし、まだラミアスから変更の指示がない。ってことは、このまま続行する)
そう考えが纏まるとデブピエロ悪魔へと突進しながら装備一覧からクナイを数本取る。と同時にクナイをデブピエロ悪魔へ目掛け一斉に投げつけた。
すると、クナイがグサグサとデブピエロ悪魔に刺さる。
デブピエロ悪魔は自分の体にクナイが刺さって静止した。そしてゆっくりとタツキの方へと振り返る。
「ダレダ……ワレノ……ジャマヲ……スル……モノハ……」
そう言いながらタツキを見下ろした。
「俺だ!!」
そう言い、デブピエロ悪魔を鋭い眼光で見やる。
それを聞いてか、聞かずかの間に、デブピエロ悪魔は巨大な足でタツキを踏み潰そうとした。
タツキはそれに気づき、咄嗟に避けて後退する。それと同時に、即座に剣を抜いたあと飛び上がった。その後デブピエロ悪魔の巨大な足に剣を渾身の力で突き刺す。
「グワァァァーー!?」
痛みのあまりデブピエロ悪魔は、奇妙な声で叫び暴れた。
デブピエロ悪魔の足に刺さる剣を握り締めたままタツキは振り落とされないよう必死に耐える。
「クッ……クソォォォォッーー!」
こんなことなら違う策を用いて、時間を稼げばよかったと後悔していたのだった。
無表情のままラミアスはハクリュウが映る画像をみている。
(やはり、ドラゴンの力を得なければ無理やもしれぬ。ですが、まだブラグジオスは……。それにハクリュウはまた何かをやろうとしています)
そう思い考えたあとラミアスは、もう少し様子をみることにした。
場所は変わり、ここは名もなき城の中庭の東側。辺りは激しく揺れ、轟音が鳴り響き、ガラガラ、ドサドサと至るところに崩れ落ちる。
デブピエロ悪魔は魔法で崩した壁を通って中庭に足を踏み入れると、一旦立ちどまり、南側の祭壇の方を向いた。
「マナ……モット……チクセキ……チカラ……タリナイ……」
そう言いながら、ノソノソと音も立てずに南側の祭壇へと向かい歩き始める。
一方、タツキはデブピエロ悪魔の側まで来ていた。
(マナ……か。恐らくブラグジオスの分身は、更に力をつけるつもりだ。その上で本体と完全に切り離す算段だろう。もしそうなら、阻止しなければ今より状況が悪化するだろうな)
どう対処したらいいかと思考を巡らせながらデブピエロ悪魔の行動を監視する。とその時、祭壇の上に腰掛けているハクリュウが視野に入ってきた。
(ハクリュウ!? なんでそこにいる? それに、なぜ座っているんだ! 確かそこにはユウの妹がいたはず……)
そう思いながら視線を右へと向ける。
(これはどうなっている? ユウの妹がどこにも見当たらない。それにあのバルムとかいうヤツもな)
今の状況が飲み込めず困惑しながら再び南側の祭壇に向かうデブピエロ悪魔の方をみた。
(……予定と変わった。しかし、まだラミアスから変更の指示がない。ってことは、このまま続行する)
そう考えが纏まるとデブピエロ悪魔へと突進しながら装備一覧からクナイを数本取る。と同時にクナイをデブピエロ悪魔へ目掛け一斉に投げつけた。
すると、クナイがグサグサとデブピエロ悪魔に刺さる。
デブピエロ悪魔は自分の体にクナイが刺さって静止した。そしてゆっくりとタツキの方へと振り返る。
「ダレダ……ワレノ……ジャマヲ……スル……モノハ……」
そう言いながらタツキを見下ろした。
「俺だ!!」
そう言い、デブピエロ悪魔を鋭い眼光で見やる。
それを聞いてか、聞かずかの間に、デブピエロ悪魔は巨大な足でタツキを踏み潰そうとした。
タツキはそれに気づき、咄嗟に避けて後退する。それと同時に、即座に剣を抜いたあと飛び上がった。その後デブピエロ悪魔の巨大な足に剣を渾身の力で突き刺す。
「グワァァァーー!?」
痛みのあまりデブピエロ悪魔は、奇妙な声で叫び暴れた。
デブピエロ悪魔の足に刺さる剣を握り締めたままタツキは振り落とされないよう必死に耐える。
「クッ……クソォォォォッーー!」
こんなことなら違う策を用いて、時間を稼げばよかったと後悔していたのだった。
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