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最終章〜終結。そして始まる
147話〜それぞれの戸惑いと決断
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南側の祭壇より遥か北東側にいるハウベルトとテリオスは、東側の通路がある入口付近をみていた。
東側の通路の方からは、異様な魔力が先程より更に増して来ている。
二人は東側の通路に向かいたい。だが、自分たちが向かったところで何もできないとそう思いとどまった。
そう思っていると急に地鳴りがし激しく揺れ始める。二人は、何が起きたのかと思い南側の祭壇の方を向くと同時に驚き青ざめた。
「なんなんだ。あの武器は?」
「まさか、あり得んっ! なぜあの能力を、使っている?」
「テリオス王子。それはいったい?」
そうハウベルトに聞かれテリオスはその能力について説明する。
「……待ってください。じゃあ、我が国に保管してたその書物は誰が持ち出したのですか?」
「分からぬ。だが、あの書物のことを知っているのは王族か大臣のみ。となると、」
そう考えながら南側の祭壇付近にいるカプリアをみた。
「まさか、カプリア様が。いえ、そんなことをするはずは……。今回の件は、探るためグレイルーズの大臣の誘いにのっただけ」
「ああ、それは分かってる。だが、そうなると王族の誰かとなる。……身内を疑うのは、いやだが。この件が片づいたら、早急に調べた方がよさそうだな」
「ですね。今は、この状況下でどう動くのかを考える方が先です」
その後ハウベルトとテリオスは話し合い、ひとまず中庭を離れ東側の通路に移動することにする。
そう南側の祭壇に向かったとしても邪魔になると思った。それと東側の通路にマナが異常に集まっているように感じたからである。
そう話がまとまるとハウベルトがゲネスをいやいや抱きかかえ、二人は急ぎこの場を離れ東側の通路へと向かった。
ここは南側の祭壇から北に位置する場所。辺りは轟音が響き渡り激しく揺れている。
その頃アキリシアとニャムは、とてつもない危機感に襲われていた。
「ニャム、これどうするつもり?」
「まさか、なんで……。この能力をここで使うとは聞いていません。ですが、このままでは、」
ニャムは下を向き考え込んだ。
「聞いてないって誰に?」
「それは……」
ニャムはアキリシアにそう問われ言葉に詰まる。
「何を考えてるのか分からないけど。今のこの状況、凄くまずいの分かってるよね?」
「ああ、だけど。まさか、まだ開発途中の能力をここで使うとは思わなかった」
「そうかもしれない。でもね、ニャムがあの書物を持ち出さなければ……」
そう言いかけ、ふとあることに気づく。
「待って、確かあの書物は他の国にも……。そうなると他国でも同じことが、」
「うん、誰とは言えないけど……そうなるね」
それを聞きアキリシアは、ニャムの他にいったい誰があの書物を持ち出したのかと辺りを見回す。
(多分だけど、ここにはいないと思う。でも誰が……)
「アキリシア。悪いけど僕はここから離れる。危険だと分かってるのにいるのはどうかと思うしね」
そう言うと西側の通路の入口へと駆け出した。
「待てニャム!? まだ話が、」
アキリシアはニャムを追いかける。しかし南側の祭壇が気になりチラリとみた。
だが、今はニャムを捕まえて問い詰めるのが先だと考える。それに自分が祭壇に向かわなくても大丈夫だろうと思ったからだ。
そしてそのままアキリシアは、ニャムを追いかけ城の外へと向かったのだった。
東側の通路の方からは、異様な魔力が先程より更に増して来ている。
二人は東側の通路に向かいたい。だが、自分たちが向かったところで何もできないとそう思いとどまった。
そう思っていると急に地鳴りがし激しく揺れ始める。二人は、何が起きたのかと思い南側の祭壇の方を向くと同時に驚き青ざめた。
「なんなんだ。あの武器は?」
「まさか、あり得んっ! なぜあの能力を、使っている?」
「テリオス王子。それはいったい?」
そうハウベルトに聞かれテリオスはその能力について説明する。
「……待ってください。じゃあ、我が国に保管してたその書物は誰が持ち出したのですか?」
「分からぬ。だが、あの書物のことを知っているのは王族か大臣のみ。となると、」
そう考えながら南側の祭壇付近にいるカプリアをみた。
「まさか、カプリア様が。いえ、そんなことをするはずは……。今回の件は、探るためグレイルーズの大臣の誘いにのっただけ」
「ああ、それは分かってる。だが、そうなると王族の誰かとなる。……身内を疑うのは、いやだが。この件が片づいたら、早急に調べた方がよさそうだな」
「ですね。今は、この状況下でどう動くのかを考える方が先です」
その後ハウベルトとテリオスは話し合い、ひとまず中庭を離れ東側の通路に移動することにする。
そう南側の祭壇に向かったとしても邪魔になると思った。それと東側の通路にマナが異常に集まっているように感じたからである。
そう話がまとまるとハウベルトがゲネスをいやいや抱きかかえ、二人は急ぎこの場を離れ東側の通路へと向かった。
ここは南側の祭壇から北に位置する場所。辺りは轟音が響き渡り激しく揺れている。
その頃アキリシアとニャムは、とてつもない危機感に襲われていた。
「ニャム、これどうするつもり?」
「まさか、なんで……。この能力をここで使うとは聞いていません。ですが、このままでは、」
ニャムは下を向き考え込んだ。
「聞いてないって誰に?」
「それは……」
ニャムはアキリシアにそう問われ言葉に詰まる。
「何を考えてるのか分からないけど。今のこの状況、凄くまずいの分かってるよね?」
「ああ、だけど。まさか、まだ開発途中の能力をここで使うとは思わなかった」
「そうかもしれない。でもね、ニャムがあの書物を持ち出さなければ……」
そう言いかけ、ふとあることに気づく。
「待って、確かあの書物は他の国にも……。そうなると他国でも同じことが、」
「うん、誰とは言えないけど……そうなるね」
それを聞きアキリシアは、ニャムの他にいったい誰があの書物を持ち出したのかと辺りを見回す。
(多分だけど、ここにはいないと思う。でも誰が……)
「アキリシア。悪いけど僕はここから離れる。危険だと分かってるのにいるのはどうかと思うしね」
そう言うと西側の通路の入口へと駆け出した。
「待てニャム!? まだ話が、」
アキリシアはニャムを追いかける。しかし南側の祭壇が気になりチラリとみた。
だが、今はニャムを捕まえて問い詰めるのが先だと考える。それに自分が祭壇に向かわなくても大丈夫だろうと思ったからだ。
そしてそのままアキリシアは、ニャムを追いかけ城の外へと向かったのだった。
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