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最終章〜終結。そして始まる
129話〜奇怪な光景と擬装{★}
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ここは名もなき城の中庭。
既に辺りは暗くなり、先程まで妖しげに紅く染まっていた月明かりも徐々に薄れ元の色へと戻りつつあった。
ここ南側の祭壇より東北東の位置では、グロウディスがキースと戦っている?
いやグロウディスは、戦っているというよりも、なぜかキースを警戒しながら後退りしていた。
「キース!? いい加減ふざけるのもたいがいにしろ!」
キースが余りにも信じられないことを言い出した為、グロウディスはどうしていいか戸惑っている。
「グロウディス。私はねぇ、ずっと前から貴方のことが好きだったの。だから、この気持ちを伝えたかったのよ」
目をうるうるさせながらキースは、グロウディスに詰めよる。
「お前、なにを言ってるか分かってるのか?」
顔を引きつらせグロウディスは、キースに捕まらないように避けながら間合いをとる。
するとキースは、更にグロウディスとの間合いを詰め話しかける。
「ええ、勿論よ。だから貴方も、私たちと一緒にニック様の下で……」
「ニック!? まさか、ニック・ソルトのことを言っているのか?」
「そうよ。あの方は、偉大な考えを持っておられるわ。そして、とても素敵な人よ」
キースはニックを思い目を輝かせていた。
(ニック・ソルト、元魔導騎士長。なるほど、あの人がこの件に関わっているってわけか。だがなぜだ?
そういえば、シェルズ城にリッツが潜入してたはず。そうなるとタツキは、何かこのことについて知っているかもしれんな)
そう思いながらグロウディスは、キースへと視線を向ける。
(うむ。どうする?)
グロウディスは自問自答していた。キースの言う通り、このままシェルズ城へ行っていいものかと。
(……まぁ、なんとかなるだろう)
そう思いグロウディスは軽く笑った。
「なるほどなぁ。まさかシェルズ城に、あの人がいるとはな」
「グロウディス。その口ぶりだと、ニック様のことを知ってるみたいね」
「ああ。城に仕えている者なら、その名を知らぬ者などいない。それに昔、城で会ったことがあるからな」
そう言いグロウディスは軽く笑みを浮かべる。
「そうなのねぇ。それなら、ニック様の実力も知っているのよね?」
「勿論だ。王直属の魔導騎士であり、次期大臣になるんじゃないかと噂されてた人だからな。だが数十年前、城から突如いなくなった」
「そうだったのね。そこまでニック様のことを知っているなら、私と共にニック様の下で働きましょう」
キースは身体をクネクネさせながらそう言った。
「そうだな。まぁ、あの人の下で働くならいいのかもな。だが今、俺は勇者側についている」
「そうだったわね。そうなると……」
「そうだなぁ。アイツらの目を欺かないといけない。さて、どうする?」
グロウディスは考えているフリをしている。
「ん~そうだなぁ。争っているフリをしその間、お前の異空間魔法で俺を城の外へ逃がす。その後、お前はキリのいいとこで城を抜け出してくればいい」
「なるほどぉ、そうね。その方がいいのだろうけど、上手くいくかしら?」
「さぁどうだろうな。だが今は、この方法しか思いつかん」
その言葉を疑う様子もなくキースは、グロウディスを信用し頷き行動に移した。
「クスっ。そうねぇ、貴方のことを信じるわ」
キースはそう言いグロウディスにウインクする。
一瞬グロウディスは、顔を引きつらせ目をそらしそうになったがなんとか耐えた。
そしてその後グロウディスとキースは、なかば本気の戦いを繰り広げるのだった。
(これが上手くいけば、シェルズ城に潜り込めるはずだ。だが、その後どう行動する? まぁ、今考えてても仕方ない。なんとかなるだろう)
既に辺りは暗くなり、先程まで妖しげに紅く染まっていた月明かりも徐々に薄れ元の色へと戻りつつあった。
ここ南側の祭壇より東北東の位置では、グロウディスがキースと戦っている?
いやグロウディスは、戦っているというよりも、なぜかキースを警戒しながら後退りしていた。
「キース!? いい加減ふざけるのもたいがいにしろ!」
キースが余りにも信じられないことを言い出した為、グロウディスはどうしていいか戸惑っている。
「グロウディス。私はねぇ、ずっと前から貴方のことが好きだったの。だから、この気持ちを伝えたかったのよ」
目をうるうるさせながらキースは、グロウディスに詰めよる。
「お前、なにを言ってるか分かってるのか?」
顔を引きつらせグロウディスは、キースに捕まらないように避けながら間合いをとる。
するとキースは、更にグロウディスとの間合いを詰め話しかける。
「ええ、勿論よ。だから貴方も、私たちと一緒にニック様の下で……」
「ニック!? まさか、ニック・ソルトのことを言っているのか?」
「そうよ。あの方は、偉大な考えを持っておられるわ。そして、とても素敵な人よ」
キースはニックを思い目を輝かせていた。
(ニック・ソルト、元魔導騎士長。なるほど、あの人がこの件に関わっているってわけか。だがなぜだ?
そういえば、シェルズ城にリッツが潜入してたはず。そうなるとタツキは、何かこのことについて知っているかもしれんな)
そう思いながらグロウディスは、キースへと視線を向ける。
(うむ。どうする?)
グロウディスは自問自答していた。キースの言う通り、このままシェルズ城へ行っていいものかと。
(……まぁ、なんとかなるだろう)
そう思いグロウディスは軽く笑った。
「なるほどなぁ。まさかシェルズ城に、あの人がいるとはな」
「グロウディス。その口ぶりだと、ニック様のことを知ってるみたいね」
「ああ。城に仕えている者なら、その名を知らぬ者などいない。それに昔、城で会ったことがあるからな」
そう言いグロウディスは軽く笑みを浮かべる。
「そうなのねぇ。それなら、ニック様の実力も知っているのよね?」
「勿論だ。王直属の魔導騎士であり、次期大臣になるんじゃないかと噂されてた人だからな。だが数十年前、城から突如いなくなった」
「そうだったのね。そこまでニック様のことを知っているなら、私と共にニック様の下で働きましょう」
キースは身体をクネクネさせながらそう言った。
「そうだな。まぁ、あの人の下で働くならいいのかもな。だが今、俺は勇者側についている」
「そうだったわね。そうなると……」
「そうだなぁ。アイツらの目を欺かないといけない。さて、どうする?」
グロウディスは考えているフリをしている。
「ん~そうだなぁ。争っているフリをしその間、お前の異空間魔法で俺を城の外へ逃がす。その後、お前はキリのいいとこで城を抜け出してくればいい」
「なるほどぉ、そうね。その方がいいのだろうけど、上手くいくかしら?」
「さぁどうだろうな。だが今は、この方法しか思いつかん」
その言葉を疑う様子もなくキースは、グロウディスを信用し頷き行動に移した。
「クスっ。そうねぇ、貴方のことを信じるわ」
キースはそう言いグロウディスにウインクする。
一瞬グロウディスは、顔を引きつらせ目をそらしそうになったがなんとか耐えた。
そしてその後グロウディスとキースは、なかば本気の戦いを繰り広げるのだった。
(これが上手くいけば、シェルズ城に潜り込めるはずだ。だが、その後どう行動する? まぁ、今考えてても仕方ない。なんとかなるだろう)
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