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第4章〜儀式の始まり…そして…

番外‥⑬〜不安から疑問へと

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 光と勇聖と草壁は沈黙したままリュウキの住むアパートに着いた。

 屋根が薄い茶色で、クリーム色のコンクリート造りの二階建ての建物。そして、二階の奥の205号室にリュウキは住んでいた。

 リュウキの部屋の前に来ると、

「ふぅ、やっと着いたで。ここがリュウキの部屋や。」

 そう言うと勇聖は頷いた。

「草壁さんて、ここに来た事があるんですか?」

「ああ、一度だけな。」

 そう言うと草壁はチャイムを鳴らしてみた。

 しかし何の反応もなかった。

「リュウキさんいないのかな?」

 そう言うと草壁は不思議に思い、

「確かに変やな。前に来た時はチャイムを鳴らしたら、直ぐにドア開いたんやけどな。」

 それを聞き勇聖は急にソワソワし始めた。

「勇聖さん、どうしたんですか?もしかして、トイレですか?」

 そう言うと勇聖は顔を赤くして違うとばかりにおもいっきり首を横に何度も振った。

(……なんか。急に、会うのが不安になって来たんだけど。はぁ、大丈夫かな……その前に、今でさえ光と草壁とほとんど会話出来てないのに。俺は、リュウキさんと会話出来るのか?)

 そう思っていると、今度は光がチャイムを鳴らした。

 しかし、やはり出てくる様子はなかった。

「ん~出てくる様子ないですね。」

 そう言うと光は試しに扉を開けてみた。

 すると鍵がかかってなかった為、扉が開いた。

「あ~えっと、開いちゃったけど大丈夫かな?ん~でも、リュウキさんが心配だし……。」

 そう言うと光は少し考え、

「勇聖さん、草壁さん。靴が置いてあるって事は、リュウキさん中にいるんじゃ?」

(多分そうだろうな。でも、何でチャイムに反応しなかったんだ?……まさか、自殺って事はないよな?)

 そう思うと、勇聖は急に心配になり顔が青ざめ家の中に入ろうとした。

「あっ、勇聖さん……。」

 すると、咄嗟に草壁が勇聖に飛びかかり抑え込んだ。

「はぁ、危なかった。あと少しで不法侵入になるとこや。……てか、勇聖!勝手に人の家に上がんなや!確かに心配やけど、まだ声も掛けとらんやないか。」

 そう言うと勇聖は頷いた。

「じゃ、俺が声掛けてみますね。」

 光はチャイムを鳴らした後、

「すみません。リュウキさんいますか?」

 すると、奥でガタッと言う音がしたが、出てくる様子がなかった。とりあえず、光はドアを閉めた。

「今音がしたって事は、中にいるのは間違いないな。でも、何で出てけぇへんねん?」

「もう一度チャイムを鳴らして、声を掛けてみますか?」

「そやな。その方がええやろ。じゃ、今度は俺が鳴らして声を掛けてみるわ。」

 そう言いチャイムを鳴らしドアを開けると同時に目の前に、リュウキの顔があり草壁は尻餅を付いた。

 そして、草壁を見るなり、

「ふぁ~ん?何でここにお前が来てるんだ。」

 草壁は立ちながら、

「お前なぁ、何回もチャイム鳴らしとんのに、なんで出てけぇへんねん!」

 そして、光と勇聖はリュウキの顔を見ていた。

(えっと、もしかしてハーフなのかな?)

(ん?無事で良かったけど。何か酒臭い。……飲んでたのかな?)

 そう考えていると、リュウキが草壁の後ろにいる光と勇聖に気付き話し掛けてきた。
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