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【1章】運命の仲間との出会い
19》♠︎パーティーの真の目的〜噂話と待機と堪える〜♠︎
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ここはラガの屋敷の一階の大広間。ここでパーティーが行われる。
多くの村人や急遽呼ばれた近隣の貴族は、各々が着飾り好きな場所で談話をしていた。
そしてテラス付近の窓側では、村人らしき二十代ぐらいの細身の女性と小柄の女性が何やら話している。
「ねぇ、聞きまして? あのマリエスお嬢様が婚約するらしいわよ」
「ええ、頂いた招待状に書いてありましたが、あまりにも突然のことで驚きましたわ」
「ですが、あのお嬢様が好きになった人って、どんな殿方なのかしら」
そうこう話しながら二人は歩き出しこの場から離れていった。
一方レックスはこの大広間に入ってくるなり、キョロキョロと辺りを見回している。
(あのガキは、まだ来てないのか?)
そう思いながらゆっくり歩きトウマを探し始めた。
(……やっぱり、いない。んー、こういうとこって苦手なんだよなぁ。まあ、そのうちくるだろうしテラスの方で待つか。
それに、動き回って機会をのがしたくないしな)
レックスは外の空気を吸うためテラスの方へと向かう。
場所は移り、ここは客間。その頃トウマは、ラガと共にハミルが剣を持って戻ってくるのを待っていた。
トウマは不安な面持ちで俯いている。
(どうしよう……)
その真向かいにはラガがいて、ニコニコしながらトウマをみていた。
(うむ。もしルディ家と関わる者だったとして、なぜ素性を隠そうとする。隠さねばならない事情でもあるのか?)
そう考えているとラガは、トウマの肩に乗っているウッピィに気づきジーッとみつめる。
「ほう、肩にいるのはうさリスだな。君のペットか?」
そう聞かれトウマは、一瞬どう返答するか迷ったが頷いた。
「はい、ペットと言うか大事な仲間です」
「なるほど仲間か、それは良い。その年齢での一人旅は、何かと心細いだろうからな」
そう言われトウマは軽く頭を下げる。
「お心遣いありがとうございます。ですが旅をしていて、さほど心細いと思ったことはありません」
「うむ、そうか。それはそれで良いことだ」
そうこう話していると、扉をノックする音がして「旦那さま。トウマ様の剣をお持ちしました」とハミルの声が聞こえてきた。
それに気づいたラガは「うむ、入れ」と言い、そを聞いたハミルが扉を開け会釈をすると部屋の中に入ってくる。
そしてラガの前までくるとハミルは、一礼しトウマの剣を手渡した。
ラガはハミルから剣を受け取ると、食い入るように隅々までみる。
「なるほど、確かにこの家紋はルディ家のもの。それにこの剣は、」
そう言い鞘から剣を抜いた。
「なかなか良い剣ではないか。このような素晴らしい剣を持っているという事はだ。やはり君は、ルディ家と深く関わりのある者だな」
「はい、ですが……」
そう問われ一瞬口を滑らせそうになるも、また俯き黙り込んだ。
(どうしよう、このままじゃ……)
多くの村人や急遽呼ばれた近隣の貴族は、各々が着飾り好きな場所で談話をしていた。
そしてテラス付近の窓側では、村人らしき二十代ぐらいの細身の女性と小柄の女性が何やら話している。
「ねぇ、聞きまして? あのマリエスお嬢様が婚約するらしいわよ」
「ええ、頂いた招待状に書いてありましたが、あまりにも突然のことで驚きましたわ」
「ですが、あのお嬢様が好きになった人って、どんな殿方なのかしら」
そうこう話しながら二人は歩き出しこの場から離れていった。
一方レックスはこの大広間に入ってくるなり、キョロキョロと辺りを見回している。
(あのガキは、まだ来てないのか?)
そう思いながらゆっくり歩きトウマを探し始めた。
(……やっぱり、いない。んー、こういうとこって苦手なんだよなぁ。まあ、そのうちくるだろうしテラスの方で待つか。
それに、動き回って機会をのがしたくないしな)
レックスは外の空気を吸うためテラスの方へと向かう。
場所は移り、ここは客間。その頃トウマは、ラガと共にハミルが剣を持って戻ってくるのを待っていた。
トウマは不安な面持ちで俯いている。
(どうしよう……)
その真向かいにはラガがいて、ニコニコしながらトウマをみていた。
(うむ。もしルディ家と関わる者だったとして、なぜ素性を隠そうとする。隠さねばならない事情でもあるのか?)
そう考えているとラガは、トウマの肩に乗っているウッピィに気づきジーッとみつめる。
「ほう、肩にいるのはうさリスだな。君のペットか?」
そう聞かれトウマは、一瞬どう返答するか迷ったが頷いた。
「はい、ペットと言うか大事な仲間です」
「なるほど仲間か、それは良い。その年齢での一人旅は、何かと心細いだろうからな」
そう言われトウマは軽く頭を下げる。
「お心遣いありがとうございます。ですが旅をしていて、さほど心細いと思ったことはありません」
「うむ、そうか。それはそれで良いことだ」
そうこう話していると、扉をノックする音がして「旦那さま。トウマ様の剣をお持ちしました」とハミルの声が聞こえてきた。
それに気づいたラガは「うむ、入れ」と言い、そを聞いたハミルが扉を開け会釈をすると部屋の中に入ってくる。
そしてラガの前までくるとハミルは、一礼しトウマの剣を手渡した。
ラガはハミルから剣を受け取ると、食い入るように隅々までみる。
「なるほど、確かにこの家紋はルディ家のもの。それにこの剣は、」
そう言い鞘から剣を抜いた。
「なかなか良い剣ではないか。このような素晴らしい剣を持っているという事はだ。やはり君は、ルディ家と深く関わりのある者だな」
「はい、ですが……」
そう問われ一瞬口を滑らせそうになるも、また俯き黙り込んだ。
(どうしよう、このままじゃ……)
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