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【1章】運命の仲間との出会い
17》♠︎パーティーの真の目的〜期待と疑問〜♠︎
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ここは、トパタパス村の村長ラガ・ロイズの屋敷。
ラガは客間のソファに座り、トウマが来るのを今か今かと心待ちにしていた。
「ハミル。先程もトウマのことを聞いたが。本当に、男とは思えぬような、美しい顔立ちをしておったのか?」
「はい。ですが、マリエス様の話ですと。トウマ様が15歳と言っていたらしいので。おそらくはそのため、まだ幼さが残っているのではないかと」
ハミルはラガの真横に立ちそう受け答えをする。
「なるほど15か。そうなると歳はマリエスよりも下になるな。まぁそれはそれで良いのだが。素性が……」
一瞬ラガは考え込んだが、ふとあることに気づきハミルに問いかける。
「そういえば、トウマの素性は分かったのか?」
「いいえ、申し訳ありません。まだ本人から聞いてはおりません」
ハミルはそう言い頭を下げる。
「そうか。やはり直接、本人から聞いた方が良さそうだな」
「あ!そうでした。昼間、トウマ様がお泊まりになられている宿屋の部屋に赴いた際。気になる物をみかけたのですが」
「気になる物とはなんだ?」
そう言いラガはハミルに問いかけた。
「トウマ様の服装が普通の冒険者の物とは思えず、辺りを見渡したのですが。その時、部屋の隅に置かれていた剣の鞘に刻まれていた紋章が気になりました」
「紋章?家紋か……そうなると。もしやトウマは、どこかの貴族の御曹司という事か?」
「おそらくは、そうかと思われます」
そうハミルが言うとラガは、更にトウマのことを詳しく知りたくなる。
「それで、どこの紋章なのか分かるのか?」
「はい。少し遠く、微かにしかみえませんでしたが。確か、あれはルディ家の紋章だったかと」
「な、なんと!まさか、あのルディ家とはな。本家であれば、アルベルト様の御子息と考えるのが普通だ。だが、まだあの方は結婚などしていなかったはず」
そう言いラガは、テーブルの一点をみつめ考えていた。そうルディ家の紋章が刻まれた剣を、トウマはなぜ所持していたのかと思ったからだ。
「……うむ。どう考えても分からぬ。やはり直接、本人に聞いた方が良さそうだな」
「その方がよろしいかと」
そうハミルが言うと、ラガは「うむ」と言い頷いた。
その後2人は、色々な話をしながらトウマを待っていた。
しばらくしてノックと共に扉が開きメイドがその場で一礼し、「トウマ様をお連れいたしました」と言った。
そう言われトウマは、軽く頭を下げ部屋の中へと入る。それを確認するとメイドは、扉を閉めその場を離れた。
そしてトウマを、ラガの側までくると会釈をし挨拶をする。
「初めまして。トウマと申します。今日はお招きいただきありがとうございます」
ラガは立ち上がりトウマの方を向いた。
「うむ。丁寧な挨拶いたみいる。私は、この村で村長をしている、ラガ・ロイズと申す。なるほど、君がトウマか」
そう言いラガは、トウマを見まわすと微かに笑みを漏らす。
「そうそう、山賊からマリエスを救い出してくれたそうだな。礼を言う。ありがとう。それよりも怪我などはしておらぬか?」
「いえ、大丈夫です。勿体なきお言葉ありがとうございます」
「うむ。それならば良かった。それで、パーティを行う前にトウマに聞きたいことがあるのだが」
そう言われトウマは不思議に思った。
(聞きたいことってなんだろう?大したことじゃなきゃいいけど)
「単刀直入に聞くが。君の素性が知りたい。先程ハミルから聞いた話では、トウマの剣にはルディ家の紋章が刻まれていたとな」
「そ、それは……」
そう言われトウマは、どう答えたらいいのかと思考を巡らせる。
そしてロイズは、更に質問をトウマに投げかけるのだった。
(うわ~。なんて答えたらいいんだぁ~)
ラガは客間のソファに座り、トウマが来るのを今か今かと心待ちにしていた。
「ハミル。先程もトウマのことを聞いたが。本当に、男とは思えぬような、美しい顔立ちをしておったのか?」
「はい。ですが、マリエス様の話ですと。トウマ様が15歳と言っていたらしいので。おそらくはそのため、まだ幼さが残っているのではないかと」
ハミルはラガの真横に立ちそう受け答えをする。
「なるほど15か。そうなると歳はマリエスよりも下になるな。まぁそれはそれで良いのだが。素性が……」
一瞬ラガは考え込んだが、ふとあることに気づきハミルに問いかける。
「そういえば、トウマの素性は分かったのか?」
「いいえ、申し訳ありません。まだ本人から聞いてはおりません」
ハミルはそう言い頭を下げる。
「そうか。やはり直接、本人から聞いた方が良さそうだな」
「あ!そうでした。昼間、トウマ様がお泊まりになられている宿屋の部屋に赴いた際。気になる物をみかけたのですが」
「気になる物とはなんだ?」
そう言いラガはハミルに問いかけた。
「トウマ様の服装が普通の冒険者の物とは思えず、辺りを見渡したのですが。その時、部屋の隅に置かれていた剣の鞘に刻まれていた紋章が気になりました」
「紋章?家紋か……そうなると。もしやトウマは、どこかの貴族の御曹司という事か?」
「おそらくは、そうかと思われます」
そうハミルが言うとラガは、更にトウマのことを詳しく知りたくなる。
「それで、どこの紋章なのか分かるのか?」
「はい。少し遠く、微かにしかみえませんでしたが。確か、あれはルディ家の紋章だったかと」
「な、なんと!まさか、あのルディ家とはな。本家であれば、アルベルト様の御子息と考えるのが普通だ。だが、まだあの方は結婚などしていなかったはず」
そう言いラガは、テーブルの一点をみつめ考えていた。そうルディ家の紋章が刻まれた剣を、トウマはなぜ所持していたのかと思ったからだ。
「……うむ。どう考えても分からぬ。やはり直接、本人に聞いた方が良さそうだな」
「その方がよろしいかと」
そうハミルが言うと、ラガは「うむ」と言い頷いた。
その後2人は、色々な話をしながらトウマを待っていた。
しばらくしてノックと共に扉が開きメイドがその場で一礼し、「トウマ様をお連れいたしました」と言った。
そう言われトウマは、軽く頭を下げ部屋の中へと入る。それを確認するとメイドは、扉を閉めその場を離れた。
そしてトウマを、ラガの側までくると会釈をし挨拶をする。
「初めまして。トウマと申します。今日はお招きいただきありがとうございます」
ラガは立ち上がりトウマの方を向いた。
「うむ。丁寧な挨拶いたみいる。私は、この村で村長をしている、ラガ・ロイズと申す。なるほど、君がトウマか」
そう言いラガは、トウマを見まわすと微かに笑みを漏らす。
「そうそう、山賊からマリエスを救い出してくれたそうだな。礼を言う。ありがとう。それよりも怪我などはしておらぬか?」
「いえ、大丈夫です。勿体なきお言葉ありがとうございます」
「うむ。それならば良かった。それで、パーティを行う前にトウマに聞きたいことがあるのだが」
そう言われトウマは不思議に思った。
(聞きたいことってなんだろう?大したことじゃなきゃいいけど)
「単刀直入に聞くが。君の素性が知りたい。先程ハミルから聞いた話では、トウマの剣にはルディ家の紋章が刻まれていたとな」
「そ、それは……」
そう言われトウマは、どう答えたらいいのかと思考を巡らせる。
そしてロイズは、更に質問をトウマに投げかけるのだった。
(うわ~。なんて答えたらいいんだぁ~)
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