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第一章《証明と始まり》
ep.33 美鈴、やっと決心しましたね
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「ウチは……自分で、どうしていいか分からない。この世界を変える力があるって言われても……今のところ、その気もないし」
そう言い美鈴は俯き無作為に一点をみつめた。
「そうなのですね。そうでないのならミスズ様は、どうされたいのですか?」
「モドルグ……ウチは、まだこの世界のことを知らない。だけど、そうだね……もし変えられるなら争いのない世界にしたいかな」
「争いのない世界か。うむ、そうなると多くの種族を束ねるのは大変だろうな」
そうドラバルトが言うと美鈴は遠くをみつめる。
「そうだね。だけど、それでも……」
「争いをなくす方法は簡単だ。皆、同じような思考にしてしまえばいい」
「ファルス……何を言ってるの? そんなことしたら人じゃなく、ただの人形になっちゃうよ」
美鈴はそう言いファルスを睨んだ。
「悪い……例えばの話をしただけだ。本気には、そう思っていない。だが、他にあるのか? そんな方法が……」
「ファルスの言う通りだ。争いをなくすのは難しいだろうな」
そう言いドラバルトは美鈴を見据える。
「そうだよね……でも悪い所をみつけ責めるんじゃなくて、いい所を探して褒め合うようにすれば喧嘩にならないんじゃないかな」
「なるほど……確かにそうですね。ですが、それを実行するには……」
「ミスズが先頭に立ち……旗を上げなければならんな」
そうファルスに言われミスズは困った表情になった。
「……どうしてもウチがやらないと無理なの?」
「ああ、ミスズ以外に……やれる者はいないと思うぞ。それに俺は、お前以外の者のいう事を聞くつもりなどない」
「そうですね……ミスズ様でなければ、その発想はできません。それに私も貴女の指示なら、なんでも聞きます」
それを聞き美鈴は、どうしていいか戸惑っている。
「オレは悪くないと思うぞ。ただ拳で黙らせるよりも困難かもしれんが」
「でもミスズがその気ニャらアタシは、いくらでも協力するわよ。まあ元々アタシはミスズの守護精霊だけどね」
ミスズは更に悩んでしまった。
「……そう言ってくれるのは嬉しい。でも……本当にできるの?」
「心配するな。俺が陰で支えてやる」
「先に言われてしまいました……私もドラバルト同様、貴女のために尽くします」
そう言いドラバルトとモドルグはミスズをみつめる。
「どうする? これはミスズ次第だ。ただ……場合に寄っては女神に睨まれるかもしれんが」
「別にスイクラムに睨まれるのは構わない。ウチは……一発だけでいいから殴り倒したいし」
「相当、恨んでるのね。まぁ……ミスズの言っていることが事実なら仕方ニャいわ」
それを聞き美鈴は深呼吸をしたあと真剣な顔になった。
「そうだね……ウチの力でどこまで変えられるか分からない。でも……争いがなく、みんながいつも笑顔で居られるような世界にできるならっ!」
そう美鈴は言い決心する。
そして美鈴たちは、その後も話していたのだった。
そう言い美鈴は俯き無作為に一点をみつめた。
「そうなのですね。そうでないのならミスズ様は、どうされたいのですか?」
「モドルグ……ウチは、まだこの世界のことを知らない。だけど、そうだね……もし変えられるなら争いのない世界にしたいかな」
「争いのない世界か。うむ、そうなると多くの種族を束ねるのは大変だろうな」
そうドラバルトが言うと美鈴は遠くをみつめる。
「そうだね。だけど、それでも……」
「争いをなくす方法は簡単だ。皆、同じような思考にしてしまえばいい」
「ファルス……何を言ってるの? そんなことしたら人じゃなく、ただの人形になっちゃうよ」
美鈴はそう言いファルスを睨んだ。
「悪い……例えばの話をしただけだ。本気には、そう思っていない。だが、他にあるのか? そんな方法が……」
「ファルスの言う通りだ。争いをなくすのは難しいだろうな」
そう言いドラバルトは美鈴を見据える。
「そうだよね……でも悪い所をみつけ責めるんじゃなくて、いい所を探して褒め合うようにすれば喧嘩にならないんじゃないかな」
「なるほど……確かにそうですね。ですが、それを実行するには……」
「ミスズが先頭に立ち……旗を上げなければならんな」
そうファルスに言われミスズは困った表情になった。
「……どうしてもウチがやらないと無理なの?」
「ああ、ミスズ以外に……やれる者はいないと思うぞ。それに俺は、お前以外の者のいう事を聞くつもりなどない」
「そうですね……ミスズ様でなければ、その発想はできません。それに私も貴女の指示なら、なんでも聞きます」
それを聞き美鈴は、どうしていいか戸惑っている。
「オレは悪くないと思うぞ。ただ拳で黙らせるよりも困難かもしれんが」
「でもミスズがその気ニャらアタシは、いくらでも協力するわよ。まあ元々アタシはミスズの守護精霊だけどね」
ミスズは更に悩んでしまった。
「……そう言ってくれるのは嬉しい。でも……本当にできるの?」
「心配するな。俺が陰で支えてやる」
「先に言われてしまいました……私もドラバルト同様、貴女のために尽くします」
そう言いドラバルトとモドルグはミスズをみつめる。
「どうする? これはミスズ次第だ。ただ……場合に寄っては女神に睨まれるかもしれんが」
「別にスイクラムに睨まれるのは構わない。ウチは……一発だけでいいから殴り倒したいし」
「相当、恨んでるのね。まぁ……ミスズの言っていることが事実なら仕方ニャいわ」
それを聞き美鈴は深呼吸をしたあと真剣な顔になった。
「そうだね……ウチの力でどこまで変えられるか分からない。でも……争いがなく、みんながいつも笑顔で居られるような世界にできるならっ!」
そう美鈴は言い決心する。
そして美鈴たちは、その後も話していたのだった。
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