香一 乙輪 僕は信じない、短編童話集

香一 乙輪

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孤児を保護するおばあちゃん

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世の中じゃ私を魔女だなんて言う人もいるけどね、私からしたら自分が産んだ子供を森に捨てるような人達の方が魔女に見えるわ、私の父がちょっとした商人でそこそこのお金があったんだけど子供が私しか出来ず、そのまま死んでしまってね、使っても使いきれないほどの遺産がそのまま私に転がり込んで来たけど使い道なんてないから孤児院を作って身寄りのない子供達を助けてあげているんだけど、街の外れの小さな村なんかじゃ、口減らしのために森に子供達を捨てたりしてるみたいだから、孤児院は他の人に任せて口減らしの多い森に私が住む事にしたの、

ほら今日もかわいそうな子供が森を彷徨っているわ、お名前は何ていうの?ヘンゼとグレイいい名前ね捨てられたの?違う?ようよね、最初はみんなそう言うのよ、とりあえずうちにいらっしゃい、2人ともすごく痩せてるじゃない、ご飯をたくさん食べさせつあげるとヘンゼとグレイはすやすや眠った、

俺達兄妹はついに親に捨てられた、ヘンゼはすぐに戻ってくるって言っていた親の言ってたことを信じてるみたいだ、俺は駄々をこねるヘンゼを説得し森のさらに奥に進む事にした、するとそこには古屋があり人の声が聞こえてくる、その古屋に近づくと中から俺と同じぐらいの子供が出て来ておばあちゃん!おばあちゃん!と言いながら古屋の中に戻っていった、中から出て来たおばあちゃんと呼ばれていた人は俺達の名前を聞いて可哀想にって言ったヘンゼは否定していたが俺は何も言わなかった、おばあちゃんと言われていた人はご飯を食べさせてくれると言った、ここ数日ほとんど食べ物を食べていなかった俺達はすぐに中に入り久しぶりにお腹いっぱいにご飯を食べてすぐに寝た
それからはおばあちゃんの家に俺達は住む事になったここはすごく楽しかった、何よりご飯が食べられる事が幸せだった。ある日かくれんぼをしていておばあちゃんの部屋に隠れた俺はおばあちゃんが書いたらしい手紙があったので中を読んだ中にはこの小屋に住む子供達に自分の残った遺産を渡すという内容だった、

私ももうおばあちゃんだから私に何かあった時あの子達だけじゃ不安だからどうにかならないかしら、そうだわ、私の遺産を全てあげちゃいましょう心の綺麗なあの子達ならきっと正しく使ってくれるはずよ、早速手紙を書いて屋敷に送らないと行けないわ

俺は夜中におばあちゃんの寝ている部屋に火をつけた、そのまま自分達の部屋に戻りみんなを起こした、急いでみんな古屋の外に逃げた

チリチリと言う音と煙で目が覚めた私は周りを見て目を疑った自分の命など今更惜しくはなかったが、あの子達に遺産を残すための手紙が、その手紙だけはどうか燃えちゃダメよ、そうこうしていると私はいつのまにか地面に倒れていた

みんなおばあちゃんの死を悲しんでいるようだった、だけど俺1人だけはあの人の遺産が貰えると楽しみにしていた、が、そのまま俺達は何も貰うことはなく、あの人が経営していたらしい他の孤児院に移り今までより少し窮屈な生活になった、
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