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鬼の島

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あの島には鬼がいると言われていた、だけど僕にはただの島にしか見えなかった。

でもいきなりやってきた彼等は確かに異形のものだったと思う、人よりも遥かに大きく肌は黒く、大きな目に大きな鼻、おそらく彼等特有の言葉だろいかよく分からない言葉で話しているのが聞こえた、まさしく鬼だったと思う村の人達はひどく怯え命だけは助けてもらえるよう、食料から金目の物まで全て渡し鬼達は満足して帰っていってもらった。とりあえずこの事を国の方に伝えるとすぐに討伐隊が組まれた。そしてその隊に僕も入りいざ鬼の住む島に行く事になった、その島に着くと鬼達は僕ら人間と同じような生活をしてるのがみてとれた、乾拭き屋根に畑、井戸のようなものもあった、と、島を見ていると討伐隊の連中は構わず鬼達を狩に行った、彼等は僕みたく自分の身を守るために来た訳ではなく英雄になるために来ていたのでなりふり構っていなかった。
あちらこちらで悲鳴が聞こえる、あちらこちらで人が死んでいる、そう、それらは鬼などではなくどこからどうみても人だった、「おい、やめろ!」そう言っても誰も聞こうとはしなかった、皆英雄になれると言われて来たのだから、目の前の島の人達は敵以外の何者でもなかった、女子供関係なく惨殺した彼等とただみていることしかできなかった僕は英雄として国に帰った。
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