月曜日の巫女

桜居かのん

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Holy Night

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「ちなみにどこに出かけるんですか?」



「場所は内緒にされてるのでわからないです」



「内緒なのについていくんですか?!」



急に接近された迫力ある綺麗な顔と声に、私は思わずのけぞる。

もしかして私の知らないところで何か起きているんだろうか。



「もしかしてまた何か起きているんですか?」



私の途惑った声に、先生がはっとした顔をした。

やっぱり何かあるんだ。



「藤原にまた何かあったんですね?」



「い、いえ、無いです、違います!」



私は慌てて否定する先生をじと目で見上げる。



「その、東雲さんがあまりに簡単に彼についていくのが心配に思えまして」



「加茂君は優しいし良い人ですよ?」



私は思わず言い返す。

確かに最初はあんな事もあったけど、今ではとても優しくて素敵な私のクラスメイトだ。

葛木先生でも友達をあまり良いように言わないのは少しカチンときた。

そんな私の態度に、葛木先生が思い切り途惑っている。



「いえ、彼がというより、女子があまり男子の誘いに簡単に乗るとは危険ではと」



「先生だって誘って私、ついていきましたけど」



「私を一緒にされると切ないですね・・・・・・」



「とりあえず、加茂君はただのクラスメイトで大丈夫ですから!」



私はむっとしてお辞儀をすると、先生が必死に声をかけるのを無視してその場を去った。

単に友達と出かけるだけなのに、ふしだらみたいに言われたのも腹が立つ。

私はカフェに入り頭を冷やした後、加茂君へのプレゼント選びを再開した。



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