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この楽しき祭りにて-Side A-
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しおりを挟む「は?メイド喫茶?」
「うん、加茂君の熱烈な後押しで決定しちゃった」
ここは英語教師室という名の藤原の自室。
私はここでいつもの用事と質問を終え、穏やかなティータイムになっていた。
文化祭の出し物が私のクラスはメイド喫茶になったと伝えると、藤原はぽかんとした顔で聞き返した。
「東雲さんもメイドになるんですか?」
紅茶を私のカップにつぎ足しながら、 葛木先生が尋ねる。
「いえいえ!私は裏方で調理スタッフです。
それで、葛木先生に喫茶で出すお菓子のレクチャーをお願い出来ないかと」
「菓子作りのレクチャーですか?
そういう事を教えたことは無いのですが・・・・・・えぇ、私で良ければお手伝いしますよ」
先生は少し悩んだ後、最後はにっこりと返され、私は両手をあげて喜んだ。
「まぁそうだよな、お前がメイドってのはなぁ」
ソファーで足を組みながらスコーンを食べていた藤原の一言が突然飛んできてイラッとする。
「藤原に言われると凄くむかつく」
「俺は客の立場になって冷静な意見をしたまでだ」
「・・・・・・葛木先生、毒入りスコーンって今日無いんですか?」
「申し訳ありません。本日は持ち合わせが無くて」
「じゃぁ次回お願いします」
「承りました」
最後は笑顔で葛木先生にお願いすると、これまた美しい笑顔で返された。
「二人で俺を毒殺する計画立てるのやめてくれ」
本気でびくついた様な顔をして、藤原はそう言った。
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