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一輪の薔薇
一輪の薔薇33
しおりを挟む恋人同士ならドキドキするアトラクションも私からすれば切ないだけ。
私は少し落ち込みながら施設を出ると藤原が声をかけた。
「さて、次は?」
「うーん・・・・・・買い物がしたい!」
「へいへい、どうぞ」
アトラクションの建物から出てきたらもうだいぶ日が落ちていた。
夜のパレードだってもちろん見たい。
その前には買い物をすませたかった。
私は財布を持っていなかったが、土産が欲しければ出してやるから好きに買え、と言われ私は遠慮なくその申し出を受けた。
私が可愛い小さな箱に入ったお菓子を4つ持ってると、藤原が隣から声をかける。
「全部お前が食べるのか?」
「まさか!友達へのお土産だよ!」
「それ、誰と一緒に行ったって言う気?」
「あ」
私は項垂れると三つだけ棚に戻した。
「これは葛木先生の分」
「・・・・・・まだそんな事言うのか」
「え?何?」
ぼそりと呟かれた声が、私にはいまいち聞き取れなかった。
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