月曜日の巫女

桜居かのん

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一輪の薔薇

一輪の薔薇31

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2人並んでアトラクションに乗って、パレードを見て、また他に移動して。

ふと周囲を見れば、カップル達が手を繋いで歩いている。



私は隣を歩く、背の高い想い人の手を見る。



触りたい。



何故かそういう気持ちが湧いてきて仕方がない。

昨日の夜は撫でることが出来た髪、触ることの出来た頬。

私の腰にあったあの腕に抱きついてみたいのに、もう出来ない。

それは私にとって拷問にすら感じた。





急に肩を引きよせられびっくりしてみあげると、呆れたような顔。


「ちゃんと前向いて歩けよ?今柱とぶつかりかけてた」


「あ、ごめん」


そういうとすぐに私の肩から手は離れた。


胸が締め付けられて、苦しい。


藤原にとって私は生徒で子供で、ここに連れてきてくれたのもあくまで昨日のお礼だってことくらいわかってる。

昨日まで無意識に出来たことが、好きだと認識した途端、果てしないハードルに思えてきた。


そんな事なら気がつかなければ良かった。


そうすれば、こんなにも苦しくなくて済んだのに。



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