月曜日の巫女

桜居かのん

文字の大きさ
上 下
129 / 200
一輪の薔薇

一輪の薔薇26

しおりを挟む



「あー、いや、言葉は間違ってないんだが、言うな、誰にもその言葉で言うな」


「は?」


「そうか・・・・・・本当に子供だったか」


再度ため息をついて肩を落とした藤原を見ながら首をかしげる。

何か変なことを言っただろうか。


「・・・・・・あ」


「それ以上言うなよ?間違っても俺にあってるか確認するなよ?」


私は思わず自分の口に手を当てた。

急に顔の熱がまた上がってきて焦ってしまう。


「まぁ、その、でも、未成年を家に泊めたのは事実だからな。

責任も取れないのに、親御さんには申し訳無い」


「それは・・・・・・婚約者がいるから?」


困ったように頭をぐしゃぐしゃかいていた藤原の手が止まる。

私は思わず聞いてしまった。

聞かなければ良かったのに。


「加茂のやつか」


「何もしないでね?私が色々知りたいって言っただけだから」


「何もしないよ。あいつも馬鹿じゃない。約束を守ればそれでいい」


もしかしてまた藤原の心が何か冷めていくのではと、思わずびくびくしてしまう。

そんな私に気がついたのか、苦笑いを浮かべた。


「悪い。心配させたな。大丈夫だ、いつも通りだから」


「うん・・・・・・」


しおりを挟む

処理中です...