月曜日の巫女

桜居かのん

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巫女という呪

巫女という呪9

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「ほらほら、落ち込まないで。

せっかく加茂君がデートに誘ってきたんだからさ、思い切り遊んで来なよ。

もし何か嫌なことされたら、股間蹴っ飛ばしてくれば良いんだから」


場を和まそうと明るくそう言った実咲に、私は、ちょと最後のそれは難しいかも、と返すと、今夜練習すれば?と笑われた。


「・・・・・・実咲、塔子、ありがとうね」


ずっと自分の事で一杯一杯で、親友達が見守っていてくれたことに私は気がついていなかった。

こうやって見守って、背中を押して、そしてちゃんと注意してくれる2人がいることを、私は心から感謝した。









「ごめんねぇ」


「加茂君遅刻」


私は15分前に集合場所に居たというのに、加茂君は10分遅れてきた。


「どう、どう?」


加茂君は私の前に来た途端、両手を少しあげながらくるりと回る。

大きめのTシャツを二枚重ねして、革紐の先にシルバーのチャームのついた長めのネックレス、スキーニージーンズはくるぶしの長さにして、黒の斜めがけのバックをしている。

さすがハーフというべきか、こんなに加茂君はスタイルが良かったのかと初めて知った。

タレ目がチャームポイントの可愛い系モデルと言われても信じそうだ。

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