月曜日の巫女

桜居かのん

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来訪者

来訪者27

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翌日、朝加茂君は私達を見ると、ぺこりとお辞儀だけして、
そそくさと席に着いていた。
だが午後の授業で彼の姿は席になかった。

授業が終わり、加茂君は早退したという話しを他のクラスメイトから聞き、
昨日の今日でなんだか妙に不安になっていた。
私は実咲と塔子に、藤原のところに言ってくると告げると、
2人はにやにやと笑いながら私を送り出した。




英語教師室のドアの前に立つ。
何だかここに来たのはとても久しぶりに思える。
それに、もしかしたらここに来たことをまずは怒られるかも知れない。
私は緊張しつつ、二回ノックをして静かにドアを開けた。


「失礼します・・・・・・」


「おう」


藤原は椅子の背もたれに寄りかかり、こちらを振り向いた。
やはり自分の机に辞書やら何やら広げて、仕事をしているところのようだった。
だが私が来てもごく普通の態度の藤原に途惑う。
先日学校内で二人きりになるなと言われたのに。
私が入り口の所で途惑ってると、藤原が苦笑いを浮かべた。


「紅茶が飲みたいんだ。
入れてくれないか?」


「・・・・・・うん」


そう、毎週月曜日の放課後、藤原が昼寝して私が勉強して。
その後には葛木先生の手作りおやつと、紅茶を入れて、3人で過ごした場所。
何だか本当に遠い昔だったような気がして、何故か目が潤んできた。

私はそれに気づかれないように、急いで中心にある大きなテーブルに鞄を置くと、
いつも使ってた棚に向かい、
いつも使っていたカップと紅茶のティーバッグを準備しだした。

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