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来訪者
来訪者21
しおりを挟む「あの、それで、放課後の、どうでしょうか?」
昼休みがスタートし、おにぎりをほおばろうとした瞬間、
突如現れた加茂君に私は口を開いたまま見上げた。
そんな事、すっかり忘れていた。
「買い物、男子誘った方が良いんじゃない?」
一緒にご飯をしている実咲が側に立っている加茂君に声をかけた。
「あ、いえ、買いたいのは女性用のものなんです」
もじもじと小声になってきた加茂君に、
実咲と塔子と私は顔を見合わせた。
「実は、姉の誕生日が近くてプレゼントを買いたいんです」
「加茂君ってお姉さんいるんだ」
「はい、凄く優しい人なんです」
私の何気ない言葉に、加茂君は少し照れたように笑った。
その反応に再度私達は顔を見合わせた。
「そういう事かー。
私、放課後暇だから付き合うよ?
塔子も今日は部活無いでしょ?」
「まぁそうだけど」
私を置き去りにして実咲は塔子にそう言うと、
塔子は微妙そうな顔をした。
「女子が3人もいればプレゼントの選択肢も広がるし。
んじゃ、掃除終わったら正門前集合ね」
実咲はにかっと言った。
加茂君はどうみても押され気味だったが、
ありがとうございます、と一言言うと教室を出て行った。
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