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ダンジョン排除地域編
佐藤さんの色々な事情
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「なんだい、アンタの知り合いかい?」
「ああ、福岡にいた頃、一緒にダンジョンアタックしたんだよな! 鬼教官にも一緒に立ち向かった仲間だぜ」
「へー、あんたが? あの鬼に? その子におんぶに抱っこじゃないでしょうね?」
「そんなわけないだろ! おばさん!」
「お・ば・さ・ん!!??」
ぐわっ!
凄まじい圧が襲いかかってきた!
思わぬ圧力に、折れそうになる膝を必死に立たせるが、震えが止まらない!
「やべ! でも、おばさんはおばさんだろ! いい加減自分の年齢受け止めてくださいよ!」
「いい度胸だ、小僧! そこから動くな!」
グシャ!
受付の窓口が、一瞬で地面まで押し潰れて、そこからお姉様が出てくる。
そこは出入り口じゃないよね? と突っ込みたいところだが、口が思うように動かない。
そんな僕を肩に担いで、佐藤さんが階段を駆け上がる。
この圧力の中動けるの?
「待ちな、小僧!」
「待つかよ、おばさん!」
下から怒声が響き昇るが、佐藤さんの階段を上る速度のほうが速い?
声が急速に小さくなっていく。
「ふぅ~。もう大丈夫だろう。瀬尾くんは何号室だ? 鍵を貸してくれ」
「701ですね」
肩から下ろされて佐藤さんに鍵を渡すと、彼は躊躇うことなく階段に一番近い扉の鍵穴にさした。
「いいよな、7階は3LDKで独身には貸してくれないんだよ」
「僕1人には広すぎますね」
「長く居ると荷物が増えるから、部屋はあるだけほしいと思うようになるよ」
「佐藤さんの部屋は1LDKですか?」
「いや・・・1Rだよ・・・。覚えとけ、これが格差社会だ」
「・・・」
部屋に入って先に運び込まれていた僕の荷物を早速チェックする。
最初に確認するのは、やっぱりベルゼブブの籠手だろう。
自衛隊を疑うわけではないが、何か仕掛けられていたら致命的だ。
それから僕の初期装備も確認して、着替えをケースから一通り出して部屋に備え付けられたタンスに入れていく。
「そういえば、その腕って意思があるんだよな?」
「ええ、阿蘇から出るときに、記者会見で披露はしていますが、観ましたか?」
「いや、その時は高知に居たな。ちょっとダンジョンが増えすぎたとかで借り出された。あ、俺もあのダンジョンのモンスターの素材が回ってきて、なかなかいいアイテムを手に入れることができたんだよ! 右宮と桐谷も、それぞれあの時の素材から加工されたアイテムをもらってるはずだよ」
「そうなんですね。ちなみにどんなアイテムをもらったんですか?」
「俺のは力場を発生させるグローブだったよ。攻撃防御共に使えるスキルなんだけど、一つの物にしか付与できなくて・・・それでも霊体にも効果あるから、ダンジョンアタックの際に先頭を任されてるよ」
「それは凄いですね」
ダンジョンの先頭は最も致死率の高いポジションだ。
特に自衛隊のような大所帯のクランだと誰が先頭に立つか揉める時もあるらしい。
それだけ危険且つ重要な場所を佐藤さんは頼まれるぐらい成果を上げているのだろう。
「これまで幾つのダンジョンを攻略したんですか?」
「3つだな。EとDだけど」
「EとDでも十分な成果ですよ。手持ちのスキルは一つだけなんですよね?」
「・・・縁がなくてな・・・」
「あ、すみません」
「いいって事よ。宝箱なんて普通は縁がない物ってわかっているからな」
そんな物を僕は一つだけだが、木下は三つ見つけている。
運だけは人並み以上に持っているよな・・・。
「それより、瀬尾くんはあれから彼女とかできなかったのか? テレビではよく見かけたけど、そっちの方は情報がなかったからな。色々な憶測ばかりが流れてたけど、実際はどうよ?」
佐藤さんは、冷蔵庫を開けてペットボトルのコーヒーを2本取り出し、一本を僕に渡してソファーに座る。
「島根県ではミラクルミスティーと一緒だったんだろ? 朱野探索者って美人だから心揺れなかったのか?」
「あー、その前に気になる人にあって・・・」
「ほう! ほう! ほう!」
「告白はしたんですけど・・・何か言えない理由があってどっかに行ってしまったんです」
「ほ・・・ぅ」
空気が少し重くなる。
まあ、あまり楽しい話でもないから、僕が納得して前を向かないと、この件を話すたびに同じ空気になってしまうだろう。
「他の女性からは声はかけられなかったのか? 俺が言うのもなんだが、瀬尾くんはイケてる方だと思うぞ?」
「サインや握手は散々求められてますよ。それ以外だと・・・朱野さんからはそれっぽいアプローチはあったと思います。こっちにくる前も、もっと強くなって僕を追うからと言われましたし」
「情熱的だな。SNSとかで発信してないのか?」
携帯で何かを検索し始めたので、とりあえずそれは止めて仕返しの話題を振ることにした。
「佐藤さんは今彼女いるんですか?」
ドサッとソファーに倒れた。
どうやら致命傷を与えたみたいだ。
「自衛隊にも女性はいるでしょ?」
「いる・・・いるけど、彼氏持ちが多いんだ・・・。男はフリーが多いのに、何でだろうね?」
「ダンジョン内で恋に発展することはないんですか?」
「完全にアウト・オブ・眼中だよ。小説とかであるような颯爽と現れて女性を救い出すなんて、そんな現場は全くない。一回経験したのは、顔面に蟻酸を浴びた隊員を急いで救出してヘリを呼んで見送ったことぐらいかな。・・・男だったけど。イケイケでこっちの言うことを聞かずに前に出過ぎたバカだったけど・・・」
・・・枯れた隊員生活を送っているみたいだ。
「休暇とかで、飲み屋で一緒になった人をナンパしたりは?」
「瀬尾くんはナンパできる人?」
「できない人です」
「ミー・トゥー」
「・・・」
じゃあ性処理はどうしているのかと思うが、それはそういうお店に行っているらしい。
それも、1人じゃ寂しいから仲間を巻き込んで行っているようだ。
「瀬尾くんは20歳になったっけ? 福岡では確か16とかそんぐらいだったよな?」
「5月3日で20歳になりましたよ」
「お! じゃあ今度一緒に!」
「行きませんよ。彼女になってくれるかもしれない人がいるのに。それを知られて嫌われたらどう責任取るつもりですか?」
「あー、隊員がよくいく場所だからみんな口硬いぞ?」
「街を歩くだけでみんな僕にカメラを向けるんですよ。流石に逃げれません」
「そっかー」と寝たまま佐藤さんは呟くが、その後すぐに上半身を起こして目を見開いて僕に向けた。
「酒は!?」
「え?」
「極度の下戸とか、アルコールアレルギーとかは?」
「試したことないですけど・・・」
「ちょっと待て。さっきあった!」
そう言って冷蔵庫に向かい、扉を開けて何やらゴソゴソしてコップに何かを入れて持ってきた。
「これは?」
「梅酒だ。氷を入れてるから飲みやすいはずだ。それでもキツいならサイダーや水で割ってもいい。ちょっと試してみてくれ」
「・・・少しだけなら」
20になったので、僕自身もお酒に興味はあったが飲むタイミングがなかった。
これもいいタイミングだろう。
佐藤さんの手からコップをもらって口をつける。
液を口に含んで喉の奥に流し込む。
瞬間、体が熱を帯びた。
「飲みやすいですね」
「梅酒だからな。ビールの苦味は初心者だと好き嫌いが分かれるからこっちを選んだ。目眩とか、気分が悪くなったりしてないか?」
「特にはないですね」
「分かった。・・・30分間様子を見よう。それで何もなかったら歓迎会だ!」
そして30分後、何もない僕を見て「酒が飲めるぞ!」と叫びながら部屋から出て「ようやく出てきたか、小僧!」「しまったギャー!」と二つの声が宿舎中に響き渡った。
・・・場所や時間は後で連絡が来るかな?
僕は空になったキャリーケースを部屋の隅に置いてソファーに腰を下ろした。
「ああ、福岡にいた頃、一緒にダンジョンアタックしたんだよな! 鬼教官にも一緒に立ち向かった仲間だぜ」
「へー、あんたが? あの鬼に? その子におんぶに抱っこじゃないでしょうね?」
「そんなわけないだろ! おばさん!」
「お・ば・さ・ん!!??」
ぐわっ!
凄まじい圧が襲いかかってきた!
思わぬ圧力に、折れそうになる膝を必死に立たせるが、震えが止まらない!
「やべ! でも、おばさんはおばさんだろ! いい加減自分の年齢受け止めてくださいよ!」
「いい度胸だ、小僧! そこから動くな!」
グシャ!
受付の窓口が、一瞬で地面まで押し潰れて、そこからお姉様が出てくる。
そこは出入り口じゃないよね? と突っ込みたいところだが、口が思うように動かない。
そんな僕を肩に担いで、佐藤さんが階段を駆け上がる。
この圧力の中動けるの?
「待ちな、小僧!」
「待つかよ、おばさん!」
下から怒声が響き昇るが、佐藤さんの階段を上る速度のほうが速い?
声が急速に小さくなっていく。
「ふぅ~。もう大丈夫だろう。瀬尾くんは何号室だ? 鍵を貸してくれ」
「701ですね」
肩から下ろされて佐藤さんに鍵を渡すと、彼は躊躇うことなく階段に一番近い扉の鍵穴にさした。
「いいよな、7階は3LDKで独身には貸してくれないんだよ」
「僕1人には広すぎますね」
「長く居ると荷物が増えるから、部屋はあるだけほしいと思うようになるよ」
「佐藤さんの部屋は1LDKですか?」
「いや・・・1Rだよ・・・。覚えとけ、これが格差社会だ」
「・・・」
部屋に入って先に運び込まれていた僕の荷物を早速チェックする。
最初に確認するのは、やっぱりベルゼブブの籠手だろう。
自衛隊を疑うわけではないが、何か仕掛けられていたら致命的だ。
それから僕の初期装備も確認して、着替えをケースから一通り出して部屋に備え付けられたタンスに入れていく。
「そういえば、その腕って意思があるんだよな?」
「ええ、阿蘇から出るときに、記者会見で披露はしていますが、観ましたか?」
「いや、その時は高知に居たな。ちょっとダンジョンが増えすぎたとかで借り出された。あ、俺もあのダンジョンのモンスターの素材が回ってきて、なかなかいいアイテムを手に入れることができたんだよ! 右宮と桐谷も、それぞれあの時の素材から加工されたアイテムをもらってるはずだよ」
「そうなんですね。ちなみにどんなアイテムをもらったんですか?」
「俺のは力場を発生させるグローブだったよ。攻撃防御共に使えるスキルなんだけど、一つの物にしか付与できなくて・・・それでも霊体にも効果あるから、ダンジョンアタックの際に先頭を任されてるよ」
「それは凄いですね」
ダンジョンの先頭は最も致死率の高いポジションだ。
特に自衛隊のような大所帯のクランだと誰が先頭に立つか揉める時もあるらしい。
それだけ危険且つ重要な場所を佐藤さんは頼まれるぐらい成果を上げているのだろう。
「これまで幾つのダンジョンを攻略したんですか?」
「3つだな。EとDだけど」
「EとDでも十分な成果ですよ。手持ちのスキルは一つだけなんですよね?」
「・・・縁がなくてな・・・」
「あ、すみません」
「いいって事よ。宝箱なんて普通は縁がない物ってわかっているからな」
そんな物を僕は一つだけだが、木下は三つ見つけている。
運だけは人並み以上に持っているよな・・・。
「それより、瀬尾くんはあれから彼女とかできなかったのか? テレビではよく見かけたけど、そっちの方は情報がなかったからな。色々な憶測ばかりが流れてたけど、実際はどうよ?」
佐藤さんは、冷蔵庫を開けてペットボトルのコーヒーを2本取り出し、一本を僕に渡してソファーに座る。
「島根県ではミラクルミスティーと一緒だったんだろ? 朱野探索者って美人だから心揺れなかったのか?」
「あー、その前に気になる人にあって・・・」
「ほう! ほう! ほう!」
「告白はしたんですけど・・・何か言えない理由があってどっかに行ってしまったんです」
「ほ・・・ぅ」
空気が少し重くなる。
まあ、あまり楽しい話でもないから、僕が納得して前を向かないと、この件を話すたびに同じ空気になってしまうだろう。
「他の女性からは声はかけられなかったのか? 俺が言うのもなんだが、瀬尾くんはイケてる方だと思うぞ?」
「サインや握手は散々求められてますよ。それ以外だと・・・朱野さんからはそれっぽいアプローチはあったと思います。こっちにくる前も、もっと強くなって僕を追うからと言われましたし」
「情熱的だな。SNSとかで発信してないのか?」
携帯で何かを検索し始めたので、とりあえずそれは止めて仕返しの話題を振ることにした。
「佐藤さんは今彼女いるんですか?」
ドサッとソファーに倒れた。
どうやら致命傷を与えたみたいだ。
「自衛隊にも女性はいるでしょ?」
「いる・・・いるけど、彼氏持ちが多いんだ・・・。男はフリーが多いのに、何でだろうね?」
「ダンジョン内で恋に発展することはないんですか?」
「完全にアウト・オブ・眼中だよ。小説とかであるような颯爽と現れて女性を救い出すなんて、そんな現場は全くない。一回経験したのは、顔面に蟻酸を浴びた隊員を急いで救出してヘリを呼んで見送ったことぐらいかな。・・・男だったけど。イケイケでこっちの言うことを聞かずに前に出過ぎたバカだったけど・・・」
・・・枯れた隊員生活を送っているみたいだ。
「休暇とかで、飲み屋で一緒になった人をナンパしたりは?」
「瀬尾くんはナンパできる人?」
「できない人です」
「ミー・トゥー」
「・・・」
じゃあ性処理はどうしているのかと思うが、それはそういうお店に行っているらしい。
それも、1人じゃ寂しいから仲間を巻き込んで行っているようだ。
「瀬尾くんは20歳になったっけ? 福岡では確か16とかそんぐらいだったよな?」
「5月3日で20歳になりましたよ」
「お! じゃあ今度一緒に!」
「行きませんよ。彼女になってくれるかもしれない人がいるのに。それを知られて嫌われたらどう責任取るつもりですか?」
「あー、隊員がよくいく場所だからみんな口硬いぞ?」
「街を歩くだけでみんな僕にカメラを向けるんですよ。流石に逃げれません」
「そっかー」と寝たまま佐藤さんは呟くが、その後すぐに上半身を起こして目を見開いて僕に向けた。
「酒は!?」
「え?」
「極度の下戸とか、アルコールアレルギーとかは?」
「試したことないですけど・・・」
「ちょっと待て。さっきあった!」
そう言って冷蔵庫に向かい、扉を開けて何やらゴソゴソしてコップに何かを入れて持ってきた。
「これは?」
「梅酒だ。氷を入れてるから飲みやすいはずだ。それでもキツいならサイダーや水で割ってもいい。ちょっと試してみてくれ」
「・・・少しだけなら」
20になったので、僕自身もお酒に興味はあったが飲むタイミングがなかった。
これもいいタイミングだろう。
佐藤さんの手からコップをもらって口をつける。
液を口に含んで喉の奥に流し込む。
瞬間、体が熱を帯びた。
「飲みやすいですね」
「梅酒だからな。ビールの苦味は初心者だと好き嫌いが分かれるからこっちを選んだ。目眩とか、気分が悪くなったりしてないか?」
「特にはないですね」
「分かった。・・・30分間様子を見よう。それで何もなかったら歓迎会だ!」
そして30分後、何もない僕を見て「酒が飲めるぞ!」と叫びながら部屋から出て「ようやく出てきたか、小僧!」「しまったギャー!」と二つの声が宿舎中に響き渡った。
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