人類はレベルとスキルを獲得できませんでした。

ケイ

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黄泉比良坂編

装備

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扉の奥に短めの通路があった。
分かれ道はなく曲がり道もなく、ただ真っ直ぐで次の扉が見える通路。
その前に、まるで守護者のように2体の死体が立っていた。
死体だと分かったのは、明らかに2人の首の骨が折れ曲がっていたからだ。
そして、2人の手には銃が握られていた。

「私が前に出るわ!」

僕らの返答を聞かずに朱野さんが前に出て走り出す。
続いて日野さん。
僕は最後に彼らを追って走り出した。
パンパン! と数発発砲音が響く。
だが、僕らは走る速度を緩めず駆け抜ける。
彼女がいる限り、向けられた攻撃が僕らに当たることはない。

「絶対防御ではないけど、それなりに防げるスキルなのよ!」

シルフィードが飛び回り、ゾンビ2体の両手両足を切り飛ばす。
再生できないそれらは、もう何も出来ずにその場でうめくだけ。
僕らはその横を通り抜けて扉を開けた。

そこには部屋があって、奥に皆嶋さんと書物やモンスターのパーツが置いてある。
蝿の王の足もそこにあった。

「観念したか?」
『何を言っているのかな? 日野くん』

自信満々の笑顔を浮かべる彼女に、僕たちはジリジリと詰め寄る。
だが、少し進んだところで、僕たちはそれに気づいた。

「ガラス?」
『正解だよ。それも普通のガラスではなく、特殊で貴重なガラスなんだよね』
「エイジ!」

僕は右手の目を皆嶋さんに向ける。
この距離なら生命力吸収が届くはずだ!

「・・・主人・・・」

エイジが苦しそうに声を出す。
何か不測の事態が起きているのか、その声も酷くつらそうだ。

「どうした? 何かあった?」
「・・・あの壁だ。俺様たちの天敵だぜ・・・」
「エイジたちの天敵?」

訳わからずに日野さんを見ると、何かに気づいたように自分の手を見た。

「スキルが使えない!」

日野さんと朱野さんの額に汗が浮かぶ。
僕自身も危機感を覚えて周囲を警戒する。

『ふふふ、凄いよね。ダンジョンの不思議トラップの一つ。スキル使用不可の部屋。その壁を削って作ったガラスだよ。スキルを完全使用不可能とはいかないけど、自由には使えないはずさ』
「お前だって同じ条件だろうが。余裕ないだろ?」
『勘違いしてもらっては困るな。この壁はねスキルの力次第では発動も可能になるんだよ』
「お前のスキルでできるのか?」
『今は無理さ。この増幅装備を使ってもダメだったよ。でもね・・・』

皆嶋さんが僕らに背を向けて、壁にかかっていた蝿の王の足を抱え持った。
その瞬間にガラスを殴るが、かなり硬い。
厚みが普通のガラスのそれとは全く違っていて、身体強化が使えない状態ではヒビすら入れることができない。

『さてと・・・。本当はね、融合したかったんだけど、そんな時間が取れなくなったからね。別の方法を取ることにするよ』
「・・・どうするつもりだ」
『そこの少年と同じように、装備するに決まってるだろ』

僕たちが驚いたのを見て、皆嶋さんが笑みを浮かべた。

『そのために、色々と道具を揃えたんだよ』

そう言って、ガサゴソと棚から幾つもの薬剤と注射器・・・そして見たことのある刀。

「それは!」
『ん? この刀を知っているのかな?』
「ええ。元々僕の物でしたから」
「甘木のアレか」

日野さんの言葉に僕は頷く。
彼方此方で人の血を吸った・・・僕も斬られたことのある斬撃特化の刀。
こんなとこにまで関わってくるなんて、呪われているとしか言いようがない。

『まあ、気にしなくていいよ私には刀を使う力も技術もないから。これはね・・・』

皆嶋さんは、彼女の右腕に3回注射を打って天井を見上げて何かを待った。

「このままアレを装備されたら・・・」

蝿の王のは、僕が生命力を吸収した中でも大物の部類に入るが、僕たちの奇襲が上手くいってマトモには戦っていない。
もし炎の魔人と同じ強さのなら、黄泉比良坂一帯が危険だ!

「大丈夫ですぜ、主人」
「エイジ?」
「アイツはアレを装備できませんぜ」
「理由があるのか?」
「まあ、安心して見てて大丈夫だぜ」

エイジなりの理由があるのだろうが、僕には想像もつかない。

『さあ、時間だ』

刀を椅子とテーブルに固定して、なんの躊躇いもなく・・・皆嶋さんは右腕を振り下ろした!

血が飛び散る。
皆嶋さんが歯を食いしばって右腕を布で縛って蝿の王の足を握った。

『さあさあ! これで僕は先に進む! 蝿の王の力を手に入れて! レベルシステムを力尽くで神から奪い取る! ああ、知也! 待っててね! 必ず連れ戻して見せるから!!』

グッと彼女の右腕にそれを押し付けて、皆嶋さんは息を吸い込んだ。

『装備!』

その一言に、僕は構える。
日野さんも朱野さんも構えて、皆嶋さんから目を離さない。
そして・・・、

ゴトン。

蝿の王の足は、装備されることなく落ちた。

「・・・」
「・・・」
「・・・」
『何で・・・』

皆嶋さんは、必死になって蝿の王の足を右腕に何度も押し付けて『装備! 装備!』と狂ったように連呼する。
だが、足は彼女に装備される様子はない。

「エイジ・・・何か理由があるのか?」
「装備条件の一つ魔力の適合性が足りていないんだぜ。1%未満でも、ちょっとでもあれば装備はできますが、0%は装備ができない。そして、モンスターの魔力と人間の魔力は絶対に適合することはないんだぜ」

僕は自分の腕を装備したから適合性が100%だった。
皆嶋さんが装備しようとした蝿の王の足は皆嶋さんの魔力と適合性が無かったのか。

『チクショ! チクショー! 装備装備装備装備! 装備されろぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!』

苛立ちを隠さずに叫び声を上げながら、皆嶋さんが何度も右腕に押し当てる。
綺麗に斬られていた箇所も、グチャグチャになっていて、目を背けたくなるほど酷い。

「皆嶋、諦めろ」
『何をだ! 何を僕に諦めろって言うんだ!』
「今お前が抱えている全てだ! どう考えても今のお前は狂っている! 一度ゆっくり休んで自分を見つめ直せ!」
『ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!』

血塗れになって左手をバン! とガラスの壁に叩きつけ、瞳孔が開き切った目で彼女は日野さんを睨む。

『僕はぁ! 知也を連れ戻すために何だってした! これからも何だってする! 憎い憎い、ああああああああ憎いいいいいいいいい! 知也に死産なんて運命を押し付けやがったクソッタレな神が! 僕がぁ、力を手に入れて! 必ずぶちのめしてレベルを手に入れるんだぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!』

叫び声が部屋中に響き渡る。
あまりの五月蠅さに、キーンと耳鳴りがした。

「はぁ?」

誰かの声?
いや、これはエイジか?

「おい待てふざけるな。おい・・・おい!」
「エイジ? 何が?」

エイジが何かを言っている。
僕がエイジに目をやると、右手の目が震えていた。

「主人! あの女を今すぐに抑えるんだ!」
「え? エイジ? 何が?」
「やりやがった、やりやがったあのヤロー!」

皆嶋さんが、また落ちた蝿の王の足を拾って右腕につける。

「どうした? 瀬尾」
「エイジが今すぐ皆嶋さんを抑えろと」
「ダメよ! このガラスが邪魔! 他に扉もないの!」

そして・・・僕らは彼女を見た。

『そうびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!』

キーーーーーーーーーン

耳鳴りが一際高く鳴り響く。
僕は耳が痛くなって両手で押さえた。
それでも耐えきれずに膝をつく。
日野さんと朱野さんも耳を押さえて身を屈めている。

数秒だろうか?
音が止んで、正面を見ると、ガラスの向こうに蝿の王の足を装備した皆嶋さんが右腕を掲げて口を歪めた。

『やった! やったよ、知也ぁぁぁぁぁぁあああああ! これからだよ! これからすぐに! 知也を殺したクソ神をぶちのめして! レベルを手に入れて迎えに行くからね! ママは子供を助けるためだったら、何でもできるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!』

彼女の顔の血管が浮き出て青色に染まり、ドクンドクンと脈打つ。
右腕が振り回された。
型も何もないただの暴力がガラスに叩きつけられ、ヒビが入り、僕らではびくともしなかった壁が崩壊した。

「指向誘導!」

咄嗟に朱野さんが叫んで僕らの前に立つが、いつもよりスキルが発動していないのか、壁の破片が彼女の装備を傷つける。

「エイジ! せめて形状変化を!」
「そのぐらいなら・・・せい!」

大鎚まではできなかったが、棍棒ができたので、それを振り回して破片を弾く。
日野さんも、拳大の風の塊を作ってガラス片から身を守っている。

「どうかな? この力があれば・・・何でもできるって思わないぃぃぃぃ?」

スキルを使わずにこの威力。
何か対策をしないと倒せない!

「ああ、主人、早く! 早く倒すんだぜ!」
「生命力吸収は届かないのか!?」
「うぅぅ、クソ! 触れるぐらい近づかないと無理だぜ!」

エイジが焦っている。
地面に散らばったガラスがスキル発動を邪魔していて、それで苛立っているのかもしれない。

「アハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

笑いながら振り回される長くなった彼女の右腕。

「指向誘導!」

朱野さんがスキルでその方向をずらす。
だが、その力が足りずに僅かに斜め上を向いただけに止まる。
それを僕のベルゼブブの籠手と日野さんの風で押し上げて回避する。
救いだったのは、彼女の攻撃速度が身体強化をしていない僕の回避速度で対処できることだろう。
何度も振り回される攻撃の数々。
あの攻撃がもっと速かったら、もっと複雑だったら、僕では避けることができなかったかもしれない。

日野さんも朱野さんも、それを理解したのか、もう左側しか見ていない。
・・・皆嶋さんには、圧倒的に戦闘スキルが足りていないんだ。
本来の彼女は研究者。
戦闘スキルなんて、全く必要ない人なのだから。

「もうやめましょう!」

僕が大声で叫ぶ。
その声が聞こえたのか、皆嶋さんが攻撃を止めた。

「ハァ・・・ハァ、どうしたの? 降参してくれるの?」
「いえ、降参するのは貴方ですよ、皆嶋さん」
「・・・」
「僕らは戦い慣れているから、この程度の戦闘ならまだまだ続けることができます。でも、皆嶋さんは息が上がってますよね?」

まだ息を整えることができずに、彼女は肩を大きく動かして息をしている。

「確かにその腕の力は強いです。でもそれだけだ。僕たち3人なら、貴女を倒せます」

ジリッと皆嶋さんに近づこうと一歩踏み出す。
だが、皆嶋さんが僕の足を狙って腕を振った。
すぐに足を引いて攻撃を避けるが、まだまだ油断はできない。

「ふざけてる・・・」

皆嶋さんが僕を睨む。
青い血管がいっそ激しく脈をうつ。

「ふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてるふざけてる! ふざけるなぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!」

大きすぎる一撃が、壁を削り、僕らの後ろの扉を破壊して、天井を崩す。
しまった・・・退路が消えた!

「何が息が上がってるだ! 何が貴女を倒せるだ! やってみなよ! できないくせに! やろうともしないくせにぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいい!」

彼女の顔の血管が膨らんだ。
弾けるかと思いきや、それはすぐに治ってかわりに彼女顔を青く染める。

「主人! 早く! もう時間がない!」
「エイジ! 何を言っているんだ! お前が何を警戒しているのか僕にはわからない!」
「いるんだよ、アイツが! あの腕に!」

僕は彼女の右腕・・・蝿の王の足を見た。
足が右腕の接続部分を覆うように被さっていて、傷口を見ることはもうできない。

「なんつーしぶどさだよ。現世に執着するにも限度があるだろ!」
「・・・まさか」

まさか・・・そんなまさか!

「皆嶋さん! 早く装備を解除するんだ!」
「皆嶋! 装備を解除しろ! 乗っ取られるぞ!」

日野さんも気づいて皆嶋さんに警告する。

「何を言ってるのかわからないよぉぉぉぉおおおおおお! 考えるのは君たちを倒してから、じっくり考えるからさぁぁぁぁぁぁああああああああああ・・・あ?」

ボコッと皆嶋さんの顔の右半分が膨らんだ。

「エイジ!」
「スキルが届く場所まで!」

僕が走って右腕を伸ばす。
生命力吸収が元の範囲なら問題なかった。
すぐに彼女を鎮圧して、装備解除でも何でもできた。
でも、この場は僕らにとって悪すぎた!

「瀬尾くん!」

僕の体を朱野さんが抱き抱えて押し倒す。
その上を蝿の王の足が通り過ぎた。
皆嶋さんの目は虚で口から涎を垂らしている。
彼女じゃない・・・。
さっきの攻撃は!

ボコボコボコっと彼女の顔がコブで埋め尽くされて、一つの顔を作り出す。

まるで蝿のような顔。

そして彼女は両膝をついて、左手でその顔に触れる。

「何で・・・何で・・・」

その蝿の顔が大きく天を仰いだ。

「何で私がこんな貧相な身体に取り憑くことになってしまったのよぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

蝿の王が・・・彼女の身体を奪って再誕を果たした。
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