109 / 134
黄泉比良坂編
組合で報告と妬み
しおりを挟む
車は一度くにびき大橋に入り、念の為消臭剤を浴びて探索者組合に戻った。
僕らは浴びる必要がなかったため、車内からその光景を見ていたが、窓の外が完全に真っ白に染まって何も見えなくなってしまった。
「松江の探索者って毎回これを浴びているんですか・・・大変ですね」
「みんなの装備も消臭に回す予定だ。組合で着替えたら、消臭コーナーがあるはずだから入れておくように。ゾンビどもの襲撃を受けたからな・・・臭うはずだ」
嫌な断言だ。
「装備の消臭は専門の業者がいるんですか?」
「島根の特殊清掃業者に依頼する。探索者組合で提携している業者がいるはずだ。そっちの所長にでも聞くといい」
才城所長か。
セキュリティーもしっかりしてもらえるだろうか?
「エイジ、ベルゼブブの籠手に何かあったらすぐに教えてくれ」
「分かったぜ、主人」
もし、23人の元研究所職員がこの消臭システムを知っていたら、消臭施設に届いた後を狙うかもしれない。
「俺だったら狙うな」
「私もよ。犯罪者になる気はないからそんなことしないけど、相手の立場ならやるわ」
金田さんと真山さんも同意見のようだ。
僕らは相手を察知することはできないけど、相手はすでに僕らを知っている。
僕らの武器を破壊できるチャンスをみすみす見逃したりはしないはずだ。
組合に戻った僕らは、日野さん達と別れて割り当てられた部屋でシャワーを浴びて私服に着替えた。
装備品は指定の箱の中に入れて蓋をしロックをかける。
6桁の番号を設定した上でカードキーを引き抜くと、もう開かなくなる。
もちろん、持ち運ぶことはできるので壊して中の物を取り出すことはできるのだが、それをするとひどい臭いが箱から出て、その臭いがついた装備品は絶対に身につけることができないらしい。
ベルゼブブの籠手がそんなことにならないように祈るしかない。
ちなみに、防護服を着てくにびき大橋で消臭剤を浴びたとしても、その防護服は同じように消臭施設に送られるらしい。
黄泉比良坂付近は本当に酷い臭いがするそうだ。
「あ、才城所長。いらっしゃったんですね」
「一刻も早く状況を知りたくて、皆さんが戻られてすぐにここで待機していました」
着替える時間もここにいたということか?
仕事は大丈夫なのだろうか?
僕が席に着くと、才城所長が端に置いていたペットボトルのお茶を二つ手にとって一本を僕に渡した。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。ふー。昨日まであんなに普通だったんですが、ちょっと気が抜けなくなってしまいましたね」
「・・・そちらで何か掴めましたか?」
「まだ何も、ですよ。ただ、探索者の一団がゾンビに襲われて全員死亡が確認されました。しばらくは黄泉比良坂は封鎖する予定ですが・・・残った探索者たちが不満の声をあげているようで」
「彼らの生活の基盤ですからね」
僕が見た一団は6名ぐらいだった。
仮にも探索者を名乗っているのなら、あのくらいのモンスターは倒して欲しいものだが、彼らの心は、そんな事が出来ないぐらい疲れ果てていたのだろう。
「お待たせ。あ、所長もいましたか」
「ああ、変に気を遣わなくていいよ。座って座って」
「ああ、所長は座っててください。お茶ぐらい自分で取りますから」
金田さんが恐縮しながらお茶を手に取って僕の隣に座った。
「あと2人が来ていませんが、先に教えてください。研究所はどうでしたか?」
「どうか、と問われたら、普通でした」
「中の人達は死にそうな目で働いていたけどな」
「皆嶋さんという副所長から状況を聞きましたよ。でも、その人にも何も知らされずにいなくなったそうです」
「研究所自体に不審な点はなかったでしょうか?」
僕と金田さんは首を横に振った。
「警察の2人も、今回の調査ではこれといったものは見つける事が出来なかったみたいです。でも、近日中に元所長の私物を回収して手掛かりがないか確認するようですよ」
「どうなるかな。パッと見た感じ、本とかメモが乱雑に置かれていたから、日記みたいなものもなかったと思う。探すとしても長期戦になりそうだな」
「そうですか。最低でも犯人の目星がつくまで黄泉比良坂は封鎖するしかありませんね。探索者の皆さんには悪いですが、仕方がありません」
才城所長が立ち上がって部屋の外に出た。
今から黄泉比良坂の封鎖を通達するんだろう。
多少混乱が起きるだろうが、死ぬよりマシだ。
お茶をちびちび飲んでいると、真山さんと朱野さんが入ってきた。
2人ともしっかりと髪を乾かして、化粧までして来たようだ。
時間がかかるはずだ。
「下から怒号が響いてたわ。部屋の中までは聞こえないみたいだけど何かあったか聞いてない?」
「あー、黄泉比良坂を封鎖するんだと。さっき所長と話をしててそうなった。だから、食い扶持を稼げない探索者が騒いでいるんだろ」
「別の地区に移動すればいいのにね」
「移動するお金すら持っていないんですよ。こんな状況になる事を予測していた人なんていないでしょうから」
心が折れて、戦うことから退いている人たち、もしくは社会から弾き出されて病んでしまった人たち。
彼らは安全に稼げるからこそこの土地に来た。
そんな人たちが、今更命のやり取りをできるとは思えない。
僕らは、所長が戻ってくるのを待っていたが、どうやら説得が難航しているのか、戻ってくる様子がない。
このまま待っていても仕方がないので、手荷物を持って受付でホテルを紹介してもらうことにした。
扉を開けると、下からの声が聞こえてくる。
ここは4階なのに、それでも聞こえてくるということは、騒いでいるのは1人2人ではないのだろう。
エレベーターで降りようと思ったけど、突っ掛かれたら嫌なので階段で下りることにした。
一階一階下りるたびに怒声が大きくなっていく。
所長だけでは抑え切れることができないみたいだ。
「組合が俺たちに生活費を支給すればいいだろ!」
「そうだそうだ! 散々俺たちが運んだ魔石で稼いだんなら、せめてそのぐらいしやがれ!」
聞こえてくる声を聞いていると、どうやら働くことができない間、生活費を寄越せということらしい。
時間をかければ組合の会議の中で、議案の一つとして議論し、一人当たり幾らまでと決まって支給されるのだろうが、今この場で結論は出せない。
さっきから所長も「落ち着いてください。本部と掛け合って支給案も検討しますから」と大声を出しているが、詰めかけている人たちは「今出せ、さあ出せ、ほら出せ」と聞く耳を持たない。
今もらったって、どうせ博打と酒で消えるだけだろ。
僕らは関わらないように一団とは離れて受付に近づこうとした。
「あっ! 瀬尾京平!」
所長にみんな集中しているかと思っていたが、そうじゃない人もいたようだ。
声の方を見ると、そこにはあの時の子供が僕を指さして睨んでいる。
「瀬尾京平! あんた強いスキルを持っているんだろう! なら、僕らを守って黄泉比良坂まで行けるよな! 強いスキルを持っているんだから、そのぐらい俺たちにしてくれてもいいだろ! こっちは金がないんだ!」
・・・久々にこの手の台詞を聞いた気がする。
小国町以来か・・・。
あれから阿蘇で色々とあったから、少年の言葉を聞いてもあの時みたいに荒れることはない。
冷静に周囲を見れる。
例えば、「そうだ、あんたがいれば安全に行ける」とか「もう十分金稼いだだろ。俺にアイテムを寄越せよ」とか「へへへ、あんた俺は役に立つから金くれよ。ちょっとでいいんだぜ」とか言いながら寄ってきている大人たちを見ても冷静だ。
「エイジ。少年以外、生命力吸収」
「承知だぜ、主人!」
一瞬で倒れる探索者たち。
「え? なに?」
大人たちがみんな倒れて少年が戸惑った。
おそらく、大人たちを味方につける考えだったのだろう。
残念だけど、そんなズルは許さない。
「所長、申し訳ありませんが身の危険を感じましたのでスキルを使用しました」
「私もスキル使用の必要性を感じました。処罰はなしとします」
「ありがとうございます。さて・・・何がしたいんだ? ガキ」
「・・・あ、あ・・・う」
味方が一瞬でいなくなって少年が戸惑っている。
だけど、僕はもう容赦はしない。
ああいうことを言う人間は、しっかりとその思考自体を潰しておかないと別の人にも寄生しようと悪知恵を働かせる。
「それで? 僕は君の名前も知らないんだけど? これだけ失礼なことしておいてそれでも名乗る気ない?」
僕が一歩近づく。
少年が一歩下がった。
「あれだけ強気なこと言ったんだ。今更ごめんなさいは無いよ。子供だからって許されることと許されないことがある」
個を対象として大人を扇動して大勢で非難することは、僕の中では許されないことに該当する。
旧暦は、個を対象としたネット内での誹謗中傷で精神を病んだ事例がいくつも残っている。
知らなかったでは、子供だからでは済まされない。
「さあ、教えてくれ。君の名は?」
僕らは浴びる必要がなかったため、車内からその光景を見ていたが、窓の外が完全に真っ白に染まって何も見えなくなってしまった。
「松江の探索者って毎回これを浴びているんですか・・・大変ですね」
「みんなの装備も消臭に回す予定だ。組合で着替えたら、消臭コーナーがあるはずだから入れておくように。ゾンビどもの襲撃を受けたからな・・・臭うはずだ」
嫌な断言だ。
「装備の消臭は専門の業者がいるんですか?」
「島根の特殊清掃業者に依頼する。探索者組合で提携している業者がいるはずだ。そっちの所長にでも聞くといい」
才城所長か。
セキュリティーもしっかりしてもらえるだろうか?
「エイジ、ベルゼブブの籠手に何かあったらすぐに教えてくれ」
「分かったぜ、主人」
もし、23人の元研究所職員がこの消臭システムを知っていたら、消臭施設に届いた後を狙うかもしれない。
「俺だったら狙うな」
「私もよ。犯罪者になる気はないからそんなことしないけど、相手の立場ならやるわ」
金田さんと真山さんも同意見のようだ。
僕らは相手を察知することはできないけど、相手はすでに僕らを知っている。
僕らの武器を破壊できるチャンスをみすみす見逃したりはしないはずだ。
組合に戻った僕らは、日野さん達と別れて割り当てられた部屋でシャワーを浴びて私服に着替えた。
装備品は指定の箱の中に入れて蓋をしロックをかける。
6桁の番号を設定した上でカードキーを引き抜くと、もう開かなくなる。
もちろん、持ち運ぶことはできるので壊して中の物を取り出すことはできるのだが、それをするとひどい臭いが箱から出て、その臭いがついた装備品は絶対に身につけることができないらしい。
ベルゼブブの籠手がそんなことにならないように祈るしかない。
ちなみに、防護服を着てくにびき大橋で消臭剤を浴びたとしても、その防護服は同じように消臭施設に送られるらしい。
黄泉比良坂付近は本当に酷い臭いがするそうだ。
「あ、才城所長。いらっしゃったんですね」
「一刻も早く状況を知りたくて、皆さんが戻られてすぐにここで待機していました」
着替える時間もここにいたということか?
仕事は大丈夫なのだろうか?
僕が席に着くと、才城所長が端に置いていたペットボトルのお茶を二つ手にとって一本を僕に渡した。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。ふー。昨日まであんなに普通だったんですが、ちょっと気が抜けなくなってしまいましたね」
「・・・そちらで何か掴めましたか?」
「まだ何も、ですよ。ただ、探索者の一団がゾンビに襲われて全員死亡が確認されました。しばらくは黄泉比良坂は封鎖する予定ですが・・・残った探索者たちが不満の声をあげているようで」
「彼らの生活の基盤ですからね」
僕が見た一団は6名ぐらいだった。
仮にも探索者を名乗っているのなら、あのくらいのモンスターは倒して欲しいものだが、彼らの心は、そんな事が出来ないぐらい疲れ果てていたのだろう。
「お待たせ。あ、所長もいましたか」
「ああ、変に気を遣わなくていいよ。座って座って」
「ああ、所長は座っててください。お茶ぐらい自分で取りますから」
金田さんが恐縮しながらお茶を手に取って僕の隣に座った。
「あと2人が来ていませんが、先に教えてください。研究所はどうでしたか?」
「どうか、と問われたら、普通でした」
「中の人達は死にそうな目で働いていたけどな」
「皆嶋さんという副所長から状況を聞きましたよ。でも、その人にも何も知らされずにいなくなったそうです」
「研究所自体に不審な点はなかったでしょうか?」
僕と金田さんは首を横に振った。
「警察の2人も、今回の調査ではこれといったものは見つける事が出来なかったみたいです。でも、近日中に元所長の私物を回収して手掛かりがないか確認するようですよ」
「どうなるかな。パッと見た感じ、本とかメモが乱雑に置かれていたから、日記みたいなものもなかったと思う。探すとしても長期戦になりそうだな」
「そうですか。最低でも犯人の目星がつくまで黄泉比良坂は封鎖するしかありませんね。探索者の皆さんには悪いですが、仕方がありません」
才城所長が立ち上がって部屋の外に出た。
今から黄泉比良坂の封鎖を通達するんだろう。
多少混乱が起きるだろうが、死ぬよりマシだ。
お茶をちびちび飲んでいると、真山さんと朱野さんが入ってきた。
2人ともしっかりと髪を乾かして、化粧までして来たようだ。
時間がかかるはずだ。
「下から怒号が響いてたわ。部屋の中までは聞こえないみたいだけど何かあったか聞いてない?」
「あー、黄泉比良坂を封鎖するんだと。さっき所長と話をしててそうなった。だから、食い扶持を稼げない探索者が騒いでいるんだろ」
「別の地区に移動すればいいのにね」
「移動するお金すら持っていないんですよ。こんな状況になる事を予測していた人なんていないでしょうから」
心が折れて、戦うことから退いている人たち、もしくは社会から弾き出されて病んでしまった人たち。
彼らは安全に稼げるからこそこの土地に来た。
そんな人たちが、今更命のやり取りをできるとは思えない。
僕らは、所長が戻ってくるのを待っていたが、どうやら説得が難航しているのか、戻ってくる様子がない。
このまま待っていても仕方がないので、手荷物を持って受付でホテルを紹介してもらうことにした。
扉を開けると、下からの声が聞こえてくる。
ここは4階なのに、それでも聞こえてくるということは、騒いでいるのは1人2人ではないのだろう。
エレベーターで降りようと思ったけど、突っ掛かれたら嫌なので階段で下りることにした。
一階一階下りるたびに怒声が大きくなっていく。
所長だけでは抑え切れることができないみたいだ。
「組合が俺たちに生活費を支給すればいいだろ!」
「そうだそうだ! 散々俺たちが運んだ魔石で稼いだんなら、せめてそのぐらいしやがれ!」
聞こえてくる声を聞いていると、どうやら働くことができない間、生活費を寄越せということらしい。
時間をかければ組合の会議の中で、議案の一つとして議論し、一人当たり幾らまでと決まって支給されるのだろうが、今この場で結論は出せない。
さっきから所長も「落ち着いてください。本部と掛け合って支給案も検討しますから」と大声を出しているが、詰めかけている人たちは「今出せ、さあ出せ、ほら出せ」と聞く耳を持たない。
今もらったって、どうせ博打と酒で消えるだけだろ。
僕らは関わらないように一団とは離れて受付に近づこうとした。
「あっ! 瀬尾京平!」
所長にみんな集中しているかと思っていたが、そうじゃない人もいたようだ。
声の方を見ると、そこにはあの時の子供が僕を指さして睨んでいる。
「瀬尾京平! あんた強いスキルを持っているんだろう! なら、僕らを守って黄泉比良坂まで行けるよな! 強いスキルを持っているんだから、そのぐらい俺たちにしてくれてもいいだろ! こっちは金がないんだ!」
・・・久々にこの手の台詞を聞いた気がする。
小国町以来か・・・。
あれから阿蘇で色々とあったから、少年の言葉を聞いてもあの時みたいに荒れることはない。
冷静に周囲を見れる。
例えば、「そうだ、あんたがいれば安全に行ける」とか「もう十分金稼いだだろ。俺にアイテムを寄越せよ」とか「へへへ、あんた俺は役に立つから金くれよ。ちょっとでいいんだぜ」とか言いながら寄ってきている大人たちを見ても冷静だ。
「エイジ。少年以外、生命力吸収」
「承知だぜ、主人!」
一瞬で倒れる探索者たち。
「え? なに?」
大人たちがみんな倒れて少年が戸惑った。
おそらく、大人たちを味方につける考えだったのだろう。
残念だけど、そんなズルは許さない。
「所長、申し訳ありませんが身の危険を感じましたのでスキルを使用しました」
「私もスキル使用の必要性を感じました。処罰はなしとします」
「ありがとうございます。さて・・・何がしたいんだ? ガキ」
「・・・あ、あ・・・う」
味方が一瞬でいなくなって少年が戸惑っている。
だけど、僕はもう容赦はしない。
ああいうことを言う人間は、しっかりとその思考自体を潰しておかないと別の人にも寄生しようと悪知恵を働かせる。
「それで? 僕は君の名前も知らないんだけど? これだけ失礼なことしておいてそれでも名乗る気ない?」
僕が一歩近づく。
少年が一歩下がった。
「あれだけ強気なこと言ったんだ。今更ごめんなさいは無いよ。子供だからって許されることと許されないことがある」
個を対象として大人を扇動して大勢で非難することは、僕の中では許されないことに該当する。
旧暦は、個を対象としたネット内での誹謗中傷で精神を病んだ事例がいくつも残っている。
知らなかったでは、子供だからでは済まされない。
「さあ、教えてくれ。君の名は?」
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
おっさんの神器はハズレではない
兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる