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阿蘇灼熱ダンジョン編
新装備到着
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桜が舞い散り出した。
装備について色々進捗を聞いているが、かなりの大作が作られているようだ。
当初は松下魔力電機と東京通信だけで装備を作り、松尾食糧工業と大鷲製薬が食事やモンスター対策を担当することになっていた。
だが、松尾食糧工業と大鷲製薬は自社内で何とかいけたらしいが、松下魔力電機と東京通信はそうはいかなかった。
詰め込みたいものが多すぎたのだ。
まず、冷却装置は当たり前に付いていないといけない。
そこから、対精霊・ゴーレム用に蝿王クラスの外殻、耐火耐熱性能の向上、通信システムの伝達速度、カメラと録画装置、全ての機能を支えるバッテリー。
僕らが最初に用意した冷却装備は、今作られている物からするとおもちゃでしかない。
最終的に特定案件共同企業体というものをいくつかの企業とつくったそうだ。
「蝿王クラスの外殻って何を持ってくるつもりですか?」
「・・・縄文杉を購入したそうだ」
「はぁ?」
一瞬何を考えているのかと思った。
「あれは木ですよ? 燃えると思いますけど」
「不燃剤を塗布するそうだ。どんなメカニズムか分からんが、とりあえず簡単には燃えないらしい」
その程度で灼熱の中を歩けるかが不安だが、難しければ戻ればいいだけのことだ。
そこからは個人個人で性能が変わり、僕は右足の加重の効果が直接攻撃に使えるように、凶悪なスパイクが取り付けられた。
全て画像なので、実物がどうなっているかすぐにでも見たい気持ちに駆られる。
「戻ってきたよー」
天外天のメンバーが、体の計測から戻ってきた。
今回の装備は体に密着するため、細かく体の寸法を計測された。
頭部だけでも6箇所計測されるとは思わなかった。
見た感じだと、冬のスポーツ選手が着るようなスーツでその上に外殻がセットされるようになっている。
「よかった・・・痩せれて」
「甘味禁止の効果が出たよ。よかったー」
「ダイエット成功記念に自分にご褒美が欲しい」
「アクセサリーとかブランド物にしなさい。食べ物はまだ禁止よ。・・・リバウンドしたいの?」
鬼木さんの容赦のない一言に、3人は身体を震わせて黙った。
「それにしてもカッコいいわね。全身白一色。プロトタイプアーマーって感じが出てるわ」
「これからどんどん性能が良くなって、いずれ型落ち品になるんでしょうね」
「それでも十数年後とかでしょ。一着・・・1億じゃきかないかも。売り出すなら2億か3億かな?」
「そんなに高いんですか!?」
「戦闘機と一緒よ。開発費用がかかる上に、オーダーメイドでしょ。まだ魔石に期待できるから採算が取れると考えているんでしょうけど、スモモの魔石でも手に入らないと割に合わないでしょうね」
上手くカバと会えるになら問題ないのだが、前回は2体いたからレアモンスターではないはずだ。
「喧嘩にならないように4つは必要ですよね」
「運次第だから、無理ない範囲でいいわよ。瀬尾くんが生きてないと大損になるんだから」
「でも、私たちは頑張らないとね!」
「そうね。このままだと瀬尾くんにおんぶに抱っこの状態から抜け出せないわ」
「ファイアーバードは仕方ないにしても、手の届くB級は倒せないと」
「自分に合う追加装備も付けてもらったからね。結果は出さないと」
スキルを自分に合わせることはできないので、元々持っている素材の性能を自分に合わせるしかない。
そういった物は受肉際でしか手に入らないため、加工できる素材は高級品になる。
それがふんだんに使われた専用装備。
探索者なら誰もが夢見る装備だ。
ただ、それだけに結果を企業から求められる。
使った素材はグラム単位で測られて、どのように組み込んだか記録されて探索者の装備した感覚を聞いて微調整が入る。
金額は僕は今まで知ることなかった世界だ。
「スキルだけでどんな場所でも行けるってことはないんですね」
「空想の世界だけよ。空気の薄い空高くを酸素ボンベ無しで飛んだり、ガス溜まりがあるかもしれない地下施設を装備無しで探索したり、水圧を考えずに泡に入って深海に行ったりするのは」
鬼木さんの毒吐きが止まらない。
視線も遠くを見ていて、過去に何かあったような気がする。
それから装備が出来上がって僕らの元に届いたのは1ヶ月後のことだった。
てっきり松嶋さんたち4人が持ってくると思ってたら、予想外の大名行列で、急遽一の宮体育館を使用することになった。
体育館に並べられた四つの装備。
僕と天外天メンバーの専用装備だ。
そして、僕らの後ろには震えそうになる程お偉い方々が並んでいた。
まず、企業からは松下魔力電機の楠木雄輝社長、東京通信の十時博之社長、松尾食糧工業の伊藤茂社長、大鷲製薬の上原孝太郎社長、あの場にはいなかったが、協力企業体に参加した会社で、本畑自動車工業の三部彰宏社長、東海重科学工業の岡本真矢社長、緑菱産業の柿木真純社長など。
次に、探索者相互組合から鍛冶圭之介代表が来た。
支部長が「何しに来たんだ」と気安く話をしていたが、本当に滅多に表に出ない人で有名だ。
自衛隊からは西部方面隊隊長の城島さんは当然のように来ていたが、その横に胸章をいくつも付けた将官がいた。
司令官の竹本龍司陸将だった。
それから、警察からは警察庁長官が来ていた。
梶原署長も少し硬い表情で僕を紹介してくれた。
最後に・・・防衛大臣の石橋徹大臣が来ていた。
「期待している。頑張ってくれたまえ」
しっかりと握手をして声をかけてくれた。
それから松嶋さん、兼良さん、大森さん、石井さんから装備と持っていく道具や食料について説明があった。
植木さんの装備が完全に魔法特化型になっていた。
彼女も何か考えがあって色々とお願いしていたらしい。
お披露目会はツツがなく進み・・・次の日、僕と天外天は阿蘇のファイアーバードの巣の前に集まった。
今回の目標は、最低2泊、最長4泊。
映像と音声について通常時と戦闘時は全てライブ発信。
求められる成果は、A級1個、スモモ魔石4個、B級可能な限り。
そして・・・全員の生還!
装備について色々進捗を聞いているが、かなりの大作が作られているようだ。
当初は松下魔力電機と東京通信だけで装備を作り、松尾食糧工業と大鷲製薬が食事やモンスター対策を担当することになっていた。
だが、松尾食糧工業と大鷲製薬は自社内で何とかいけたらしいが、松下魔力電機と東京通信はそうはいかなかった。
詰め込みたいものが多すぎたのだ。
まず、冷却装置は当たり前に付いていないといけない。
そこから、対精霊・ゴーレム用に蝿王クラスの外殻、耐火耐熱性能の向上、通信システムの伝達速度、カメラと録画装置、全ての機能を支えるバッテリー。
僕らが最初に用意した冷却装備は、今作られている物からするとおもちゃでしかない。
最終的に特定案件共同企業体というものをいくつかの企業とつくったそうだ。
「蝿王クラスの外殻って何を持ってくるつもりですか?」
「・・・縄文杉を購入したそうだ」
「はぁ?」
一瞬何を考えているのかと思った。
「あれは木ですよ? 燃えると思いますけど」
「不燃剤を塗布するそうだ。どんなメカニズムか分からんが、とりあえず簡単には燃えないらしい」
その程度で灼熱の中を歩けるかが不安だが、難しければ戻ればいいだけのことだ。
そこからは個人個人で性能が変わり、僕は右足の加重の効果が直接攻撃に使えるように、凶悪なスパイクが取り付けられた。
全て画像なので、実物がどうなっているかすぐにでも見たい気持ちに駆られる。
「戻ってきたよー」
天外天のメンバーが、体の計測から戻ってきた。
今回の装備は体に密着するため、細かく体の寸法を計測された。
頭部だけでも6箇所計測されるとは思わなかった。
見た感じだと、冬のスポーツ選手が着るようなスーツでその上に外殻がセットされるようになっている。
「よかった・・・痩せれて」
「甘味禁止の効果が出たよ。よかったー」
「ダイエット成功記念に自分にご褒美が欲しい」
「アクセサリーとかブランド物にしなさい。食べ物はまだ禁止よ。・・・リバウンドしたいの?」
鬼木さんの容赦のない一言に、3人は身体を震わせて黙った。
「それにしてもカッコいいわね。全身白一色。プロトタイプアーマーって感じが出てるわ」
「これからどんどん性能が良くなって、いずれ型落ち品になるんでしょうね」
「それでも十数年後とかでしょ。一着・・・1億じゃきかないかも。売り出すなら2億か3億かな?」
「そんなに高いんですか!?」
「戦闘機と一緒よ。開発費用がかかる上に、オーダーメイドでしょ。まだ魔石に期待できるから採算が取れると考えているんでしょうけど、スモモの魔石でも手に入らないと割に合わないでしょうね」
上手くカバと会えるになら問題ないのだが、前回は2体いたからレアモンスターではないはずだ。
「喧嘩にならないように4つは必要ですよね」
「運次第だから、無理ない範囲でいいわよ。瀬尾くんが生きてないと大損になるんだから」
「でも、私たちは頑張らないとね!」
「そうね。このままだと瀬尾くんにおんぶに抱っこの状態から抜け出せないわ」
「ファイアーバードは仕方ないにしても、手の届くB級は倒せないと」
「自分に合う追加装備も付けてもらったからね。結果は出さないと」
スキルを自分に合わせることはできないので、元々持っている素材の性能を自分に合わせるしかない。
そういった物は受肉際でしか手に入らないため、加工できる素材は高級品になる。
それがふんだんに使われた専用装備。
探索者なら誰もが夢見る装備だ。
ただ、それだけに結果を企業から求められる。
使った素材はグラム単位で測られて、どのように組み込んだか記録されて探索者の装備した感覚を聞いて微調整が入る。
金額は僕は今まで知ることなかった世界だ。
「スキルだけでどんな場所でも行けるってことはないんですね」
「空想の世界だけよ。空気の薄い空高くを酸素ボンベ無しで飛んだり、ガス溜まりがあるかもしれない地下施設を装備無しで探索したり、水圧を考えずに泡に入って深海に行ったりするのは」
鬼木さんの毒吐きが止まらない。
視線も遠くを見ていて、過去に何かあったような気がする。
それから装備が出来上がって僕らの元に届いたのは1ヶ月後のことだった。
てっきり松嶋さんたち4人が持ってくると思ってたら、予想外の大名行列で、急遽一の宮体育館を使用することになった。
体育館に並べられた四つの装備。
僕と天外天メンバーの専用装備だ。
そして、僕らの後ろには震えそうになる程お偉い方々が並んでいた。
まず、企業からは松下魔力電機の楠木雄輝社長、東京通信の十時博之社長、松尾食糧工業の伊藤茂社長、大鷲製薬の上原孝太郎社長、あの場にはいなかったが、協力企業体に参加した会社で、本畑自動車工業の三部彰宏社長、東海重科学工業の岡本真矢社長、緑菱産業の柿木真純社長など。
次に、探索者相互組合から鍛冶圭之介代表が来た。
支部長が「何しに来たんだ」と気安く話をしていたが、本当に滅多に表に出ない人で有名だ。
自衛隊からは西部方面隊隊長の城島さんは当然のように来ていたが、その横に胸章をいくつも付けた将官がいた。
司令官の竹本龍司陸将だった。
それから、警察からは警察庁長官が来ていた。
梶原署長も少し硬い表情で僕を紹介してくれた。
最後に・・・防衛大臣の石橋徹大臣が来ていた。
「期待している。頑張ってくれたまえ」
しっかりと握手をして声をかけてくれた。
それから松嶋さん、兼良さん、大森さん、石井さんから装備と持っていく道具や食料について説明があった。
植木さんの装備が完全に魔法特化型になっていた。
彼女も何か考えがあって色々とお願いしていたらしい。
お披露目会はツツがなく進み・・・次の日、僕と天外天は阿蘇のファイアーバードの巣の前に集まった。
今回の目標は、最低2泊、最長4泊。
映像と音声について通常時と戦闘時は全てライブ発信。
求められる成果は、A級1個、スモモ魔石4個、B級可能な限り。
そして・・・全員の生還!
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