人類はレベルとスキルを獲得できませんでした。

ケイ

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屋久島奪還編

屋久島奪還作戦と準備

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屋久島の縄文杉は、旧暦には世界遺産として有名だったらしいが、新暦となった今では孤島のボスモンスターとして有名となっている。
神がダンジョンを世界に与えた瞬間、屋久島は全体がフィールドダンジョンと化し、島民を虐殺し尽くした。
当時は政府も情報が混乱し、屋久島からの応援要請に対して迅速な対応が出来なかったと記録が残っている。
ダンジョンはそこ以外にも至る所に発生して、当時は超レアスキル保持者がいなかったからだ。
応援要請に応じてヘリを向けた時には、上空からでも分かるぐらい町は破壊し尽くされており、空にいるにもかかわらず、島から攻撃を受けて撤退せざるおえなかった。
その自衛隊員が帰還して島の様子を報告した。

「島にある町は全て破壊されているのを確認した。生存者は不明だがほぼ絶望的。上空から見る限りモンスターは一体しか存在していなかった。おそらく、縄文杉があの島を支配している」

その後、自衛隊は3度島の奪還作戦を敢行したが、全てが失敗。
上陸すらできずに終わっている。

「実は、私は前回の奪還作戦に参加していてね、どうしてもリベンジ戦を私の代でやりたいんだ」

第3回奪還作戦のあらましは、中学校の授業の一環で学んだ記憶がある。
当時は陸海空の全自衛隊が結集して、島を破壊するつもりで臨んだが、縄文杉の攻撃はフィールド外にも襲ってきたとあった。
このことから、モンスターに出会ったら、安全地帯にいても絶対に油断しないようにと口酸っぱく先生が言っていた。

「当時は酷い損害があったと聞きましたが」
「ああ、船が何隻も沈んでいくのをこの目で見た。ヘリも戦闘機もあいつにとってはハエでしかない。正直、個人の能力頼りになってしまうが、瀬尾さんの生命力吸収が希望の光なんだ」

城島さんの組んだ手に力が入り、指先が白くなった。
同僚・上司・部下、この人はその時に助けることが出来なかったことを後悔しているのだろうか・・・。
聞いたとしても意味のないことなのだろう。

「作戦は決まっているんですか?」
「君が受け次第、本部に作戦を伺うつもりだ。第4回は陸と空だけで行う。失敗は考えたくないが、君だけは何としてでも救出して見せる」
「・・・分かりました。お受けします」

僕の回答に、2人はホッとした顔を見せて背を背もたれに預けた。

「大体、僕が断るとは考えていなかったでしょ?」

僕はちょっと恨みがましく2人を睨む。

「いやいや、瀬尾くんが断る可能性も捨てきれなかったですよ。なんせ相手は縄文杉。その危険性は子供の頃から教えられているはずですから」
「本当に、受けてくれたこと感謝しますよ、瀬尾さん。作戦の概要は後ほど宮地くんの方からメールか何かで・・・紙の方が良ければそうするが?」
「メールでお願いします」
「分かった。宮地くん、後でメールでデータ送信をお願いしますよ」
「承知しました」

2人は頷いて、宮地さんは先に席を立った。
それから喉が渇いたのでみんなでお茶を飲みながらスキルについて話を始めた。

「超レアスキルはどれも卑怯だよな」

始まりは支部長のこの一言で、副支部長が同意して頷いた。

「そもそも、一つのスキルで複数の効果があるということが卑怯の極みです」
「そう言いますが、私の強化麻薬という支援限定の超レアもあるんですよ?」
「対象者の身体能力を最大10倍まで上げる卑怯支援スキルだな」
「多用すれば中毒になる使えないスキルですよ。だから私のスキルは将官クラスの許可が必要となっています」
「使用回数も決められていると聞いたことあります」
「ええ、緊急事態でない限り、年に5回。一度支援を受けた人は2年のスパンを置かなければなりません」
「万能感中毒か」
「最初は知らずにバンバン使ってましたから、重症化した人は何人もいますよ。当時は私のスキルを使えばB級モンスターをスキルを持たずに倒せることは周知の事実でしたから」
「・・・その事を重く見た当時の幹部クラスが禁止したんだったな」
「そんなに危険なスキルなんですか?」

僕のスキルもフレンドリーファイア有りで、ソロでしか活動は不可能だが、城島さんのスキルはパーティでしか活動できないのに副作用が致命的だ。

「代償系のスキルでな、この系統のスキルは効果が強すぎてリスクが付いているのではと言われるぐらい強い。探索者組合の1級にもいるぞ。武器を破壊するが、確実にダメージを与えるスキルが」
「市販の武器しか使えないじゃないですか」
「ああ。だからと言って、安い武器だとナイフとかになってしまうから、ある程度の値段の槍とかを選んでいたな。ちなみに投擲武器はスキルの効果外扱いらしい」
「確実にダメージを与えるけど接近戦の上、武器なしの時間ありですか・・・パーティに入れば何も問題ないですよね? 羨ましいんですが?」
「そうですね。羨ましい」

味方殺しのスキル持ちとしては、パーティを組めるというだけで嫉妬の対象になる。
しかも、確実にダメージを与えれるのなら、蝿王やドラゴンにも有効打を与えれることになる。

「無双出来るじゃないですか、そのスキル」
「弾丸を躱す相手に接近戦をする苦悩を味わってから言え。お前のはどんな敵でも無力化する卑怯技じゃないか。ソロが何だ!」
「精霊、ゴーレム、死霊には通じないんですよ! 精霊に通じないのは何でですか? アイツらは生きていないんですか?」
「自然と同列扱いだからね。魔力で出来ているっていう説もあるから」
「まあ、万能なスキルは無いのでしょう。魔法も人によって出来ること出来ないことが分かれますからね」
「組合のスキル判定士たちは、その基準を導き出すのに四苦八苦しているらしいな」
「自衛隊でもそうですよ。アイテム研究所の職員たちが適性の高い低いの基準を調べています」
「でも・・・瀬尾さんのおかげで前進しそうですね」

副支部長の言葉に、支部長と城島さんはうんうんと頷いた。
そんなに必要な情報だったなら、もっと早めに教えてあげればよかった。

それからも、僕の日常のことや学校を辞めたことなどを話題にして話をしていると、携帯にピコーンとメールが届いた。
画面を見ると宮地さんからだったので開いてみた。

「お、作戦案が届きましたか?」
「はい。・・・えっと」
「まあ、これしか無かったというのが現実です。本当に個人の能力頼りの作戦ですよ」

作戦内容は、僕を核とした人間弾頭。
旧暦の人間魚雷よろしく、鋼鉄の殻の中に入ってスキルをフル使用して戦闘機から縄文杉に向けて特攻となっていた。


探索者組合が運営している武器防具の販売店で、僕は装備品を確認しにきた。
火龍との戦いの際に燃えた代わりは購入していたが、ダンジョン中に入ったら今の装備とは別の冷却機能がある装備が必要になる。

「宮下さんは知ってるのかな・・・中は灼熱地獄だって。今度教えておかないとダンジョン前に引き返すことになりそう」

仙酔峡から入れるルートだと、灼熱地獄までに距離があり、通常の装備のまま中に入れる。
ただ、仙酔峡からのカルデラ湖エリアと灼熱地獄エリアは、ポータルによって遮られていて、その前にはボスが立ちはだかっている。
当然ながらA級モンスターで討伐は不可能判定とされている。
僕が以前利用した火口ポータルは、そのボスを無視して灼熱エリアに入ることができるのだ。
ただし、中はB級以上しかいないので、僕は前回、入って3分で外に出た。

「生半可な熱さじゃないからな。それと、攻撃アイテムか・・・火龍クラスに効く武器ってあるのか? 宮下さんの斬撃特化の短剣でも不可能だったのに」

冷却装備のサンプルを確認して、武器のエリアを見たが、全てにスキルが付いていて閲覧できるようになっていた。

「そういえば、ダンジョン内の都市なんだから当たり前か」

凄く気合の入った日本刀なのに、スキルが物が切れないとか、10円で売ってる。逆に、木のシャモジで美味しくなーれという変なスキルが付いて20万円で売られてた。
ただ、こういうスキルは考え方次第になる。
中には掘り出し物や、意外なセットスキル効果を発揮するものもあるのでバカには出来ない。
一つ一つ見ていったが、僕のスキルにマッチできるものは無さそうだ。
衝撃無効と組み合わせれば面白そうなスキルは結構ありそうなのだが。

「攻撃を受けたら臭いが強くなるっていうのはあったけど、使い道ないよね」

獣系のモンスターを集めるだけで、自殺志願者のスキルだ。
・・・僕にとってはお金稼ぎのスキルだが、買う気はない。お金欲しかったらB級を狩ればいいだけだ。

本当なら衝撃無効と相性のいい武器が欲しかったのだが、期待はできそうにない。
店を後にして喫茶店に入ってコーヒーを頼んだ。
ダンジョン都市ということもあって一杯700円もする。それは全ての加工品に通じることなので、喫茶店やレストラン、食事処を利用する人は探索者の中でも一握りと自衛隊関係者の一部の人がほとんど。

「あ、あの人」
「え? ああ。・・・俺、もう一回話をしてみるよ」
「え? でも私たち嫌われて」
「ハッキリとは言われてない。大丈夫。本当に嫌われてたらすぐ引くよ」

そんな声が聞こえて、僕は携帯サイトでオークションを調べていると、コーヒーに当たっていた照明に影がかかった。
顔を上げるとどこかで見たことあるような男の人が立っていた。

「すまない。今時間はいいかな?」
「? ええ、大丈夫ですよ?」
「先日はすまなかったね。機嫌が良くないときに話しかけてしまったみたいで」

どうやらどこかで会った人のようだ。
僕が思い出そうと眉間に皺を寄せると、相手はちょっと焦ったのかオドオドして視線が左右に動く。

「すまない、都合が悪ければいいんだ」
「あ、いえ、待ってください。えっと・・・失礼ですけど、どこで会ってましたっけ?」

僕の言葉にその人の首と肩がガクッと落ち、後ろにいた女性2人がすごい形相で立ち上がる。
どうやら本当に失礼だったみたいだ。

「噴火の前に、一度声をかけて怒られた明円というパーティのリーダーをしている武田と言います。あの時はパーティ名しか名乗れませんでしたが、どうですか?」
「あー、なんか、ちょっと怒鳴った記憶があります。パーティ名は憶えてなかったですね。すみません。噴火前だと色々気が立ってまして・・・今は大丈夫です」
「そうでしたか。それはよか」
「良くない!」

大きな声を上げた後ろの女性に皆が注目する。
店の店員からの視線は特に厳しく、「揉め事は起こしてくれるな」と伝えていた。

「すみません。そちらは4人席ですね。僕がそちらに行ってちょうどの人数ですので移動しましょう。すみませーん! 移動します! 後、おかわりを一杯」
「はい」

店員さんが頷いたのを見て僕と武田さんは席を移動して、女性陣と合流して席に座る。

「まずは、憶えていないとはいえ、どうも前回は失礼な事をしたみたいですね。大変申し訳ありません」
「いや、前回も君は正直悪くない。ただ、俺の話しかけるタイミングが悪かっただけだし、相談した内容も、簡単に言うと、自分たちでなんとかしろっと言うことになるから、あの時君が言った鍛える事とスキルを使う事になってしまうから」

武田さんが頭を下げながら少しだけ教えてくれた当時の話で、僕の記憶と神経が働き出した。

「あ、思い出した。あー・・・」

確かにあの時は気が立っていて、尚且つ苛立っていた。
安部浩の行方が分からず、情報も何一つない。そんな中、壁にぶつかっている、何とか出来ないか? と言われても・・・という状況だった。

「思い出してくれて良かった。でも、僕らの印象は悪くなったかな?」
「いえいえ、アドバイスならもっと優しく出来たはずですので、皆さんを悪く思うことはないですよ。えっと、今日話しかけてきたのも、アドバイスが欲しいからですか?」
「いや、そっちはもっとアイテムを増やす事を優先させるということでパーティ内で話がついたよ。ダンジョン内で宝箱を狙おうにも、ダンジョンワークが出来なかったら意味がないし。他の人と比べて、僕らは所有スキルが少ないことが分かったからね。一発逆転狙って阿蘇に来たけど、カルデラ湖はまだ僕らには早すぎたみたいだ」
「そうですか。アイテムの当てはあるんですか?」
「受肉祭を定期的にやっている高知か兵庫に行こうと思う」

いい選択だと思う。
どちらの県も、E級ダンジョンを2~3箇所保有していて、県と市が長期監視を行なっている。
探索者も初心者が多く、途中で挫折する人に対して他業種への転職サポートもしっかりしていると聞いた。
ただ、初心者が多い分、トラブルも起きやすいとも聞いている。

「阿蘇に来れる力はあると思うので、余計なお世話かもしれませんが、綺麗どころを2人も連れているんですから十分注意してくださいね」
「!」
「!」
「ああ、肝に銘じて置くよ」

女性2人は突然振られた話に驚きながらも、武田さんの言葉に顔を真っ赤にして俯く。
日本では重婚はまだ認められていないので、武田さんの将来がどうなるか分からないが、幸せに向かうよう祈っておこう。


それからいくつか会話をした後、お互いに蟠りが解けて、僕にとっても有益な情報を得られた。
ハッキリ言って僕は世間知らずなのだろう。
あまりにもスキルが強すぎて本来の狩りの仕方を知らない。
精霊とかが居たら僕も慎重になるのだが、モンスターは基本的に生きていて、生命力吸収が必ず効く。そして踏み潰せない相手も大猪ぐらいで、他には居なかった。

敵を見定め、相手との距離と群れか単独かを確認し、自分たちに優位な地形を選んで誘い込み、罠を利用して討伐する。
一体一体に対して手間がかかり、岩蜥蜴や水牛でも同じ手法が使われているそうだ。
確かにそのやり方だと、午前だけでもうまくいって3体、午後3体で一日6体が限界だろう。後はスキルを使って倒す速度で変わってくる。
魔石の大きさはC級で親指の爪ほど、B級で手のひらに乗るぐらい、A級はりんごサイズ以上となっている。もちろん、その範囲で多少の違いはあるが、荷物にはならない。

色々教えてもらったので、僕からも一つ情報を教えた。
3人が目の色を変えて外に出かけた。
だって受肉祭関係なく素材が手に入るしね。
スキルはそこそこのが付くし、狩り続けて損はない。

「頑張ってください」

僕も喫茶店を出てホテルに戻る。
部屋に戻ると、そこには天外天の4人が揃って酒盛りしていた。

「あ~~~! 嘘つきだ~!」

宮下さんが僕に濡れ衣を着せようとする。
失礼な!

「どういう話の流れで、僕は嘘つきになったんですか?」
「瀬尾くん、ダンジョンに連れて行くって言って、ずるずる引き伸ばしてるからよ」
「ダメな男ですね~。莉乃ちゃんはダメンズ吸引機ですね~」
「男は約束を破る生き物だからね・・・本当に・・・ホントウニ!」

若干一名、男全体を呪いそうな人がいるが、とりあえず誤解は少し解いておこう。

「装備品を見ていたんですよ。前回、火口から入ったら熱さにやられて3分ぐらいしか入れませんでしたから」
「熱いの?」
「ええ。宮下さんは冷却装備は持っているんですか?」
「もってないよ~?」
「買ってくださいよ。でないと長時間滞在できませんよ?」
「ふーん。莉乃はダンジョンデートか。羨ましいな、若いのを侍らせて」
「熱ーい中でアッツアツのデートだね。エロエロだね!」
「・・・男なんて!」
「何を言っているんですか? 3人も一緒ですよ」
「!」「!」「!」
「灼熱地獄の中で僕のスキルを全開にしたら、宮下さんと一緒に行動はできないですよ。僕が先行するので4人が後からついてくるフォーメーションで行きますよ。皆さんも冷却装備の準備をしてくださいね」

慌てる3人をよそに、僕はホテルの金庫を開けて中から通帳を出して残高を確認する。
長時間効果のある冷却装備はひじょーにお高い。
水を循環するのが一般的だが、小型の冷却装置が5箇所ついていて、更に循環機が1箇所。その全てに綺麗にカットされた魔石が付いている。
もちろん、短時間用であれば安くなるが、宮下さんの目的がアイテム探しだから長時間の方がいいだろう。
僕は500万ぐらいが消え去る未来を想像してため息をついた。
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