人類はレベルとスキルを獲得できませんでした。

ケイ

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阿蘇山噴火編

阿蘇防衛戦

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「温泉施設! 状況報告!」
『こちら温泉施設! 現在ファイアウルフの群れと交戦中! 天外天を先頭に防衛してます!』
「第8師団は!? 師団長の東田はそっちに行ってないのか!?」
『第8師団は南阿蘇からさらに東の場所を防衛線にしたみたいです! そちらにはジャイアントファイアゴーレムが行ったので交戦していると思われます!』
「クソが! 阿蘇駅は!?」
『こっちにはファイアビーどもが来た! 明星の刻が先頭で維持している! 攻撃が当たらない! 増援はないか!?』
「瀬尾を向かわせる! 瀬尾はそのまま南下して温泉施設へ向かえ! 途中のモンスターも潰していけよ!」

僕専用に用意されたオフロードバイクに乗ってエンジンをかける。

「戻ってくるまで耐えてください!」
「いざとなったら阿蘇神社に頼むさ」

オートバイを唸らせて一気にトップスピードに上げて突っ走る。
スキルは身体強化と生命力吸収のみを発動させる。
荒れ道を走るため、体のバランスをしっかりととる必要があるが、身体強化でそこは補える。
このままいけるかと思ったが、目の前に火を纏った鼠がパッと見て10匹以上。
バイクに乗ったままでは踏み潰すこともできないため、近づいたら降りて加重で踏み殺す。

「くっ! 効率が悪い!」

バイクで潰せればいいのだが、火を纏うモンスターはタイヤに悪い。
長時間これで走る必要があるため、無茶を避けて行動しなければならない。

その後も牛、猪、兎と多種多様な魔獣が火を纏って襲ってくる。
その全てを踏み殺して阿蘇駅に近づくと、火の狐と蜂に押されている人たちが見えた。

「離れろ!」

大声で叫ぶと、戦っている人たちが狐を蹴飛ばし蜂から距離をとって少しでも離れようと阿蘇駅の中に移動する。その隙に僕は狐の群れの中に突進した。
当然の如く倒れていく狐たち。
僕は同じように狐の首を踏み折っていく。
蜂たちも遠距離の探索者たちに落ちた側から駆除されていた。

「もう大丈夫です! デカいやつや、B級以上のモンスターはいませんでしたか!?」
「南の方に大きな猪がいた! あの方向だと温泉施設に行ってしまう!」
「すぐに向かいます!」

温泉施設はまずい!
あそこは探索者と自衛隊の生命線となっている。あそこがあるから恐怖を乗り越えている人たちもいるはずだ。
バイクを必死に操って、荒れ道を進むと、遠くに赤い物体が見えた。

「この距離で見えるって、デカすぎじゃないかな!」

運良く、突進ではなく悠然と歩いていただけだったので、施設に着くのはまだ先だ。
アクセルを全開にして、姿勢が崩れそうになっても身体強化で強引に地面を蹴って元に戻す。
途中、火を纏った何かがいたが、無視して猪を優先させた。

『こちら温泉施設! 現在大狼と交戦中! 遠くに巨大な猪が見えた! 緊急に救援を要請する!」

切羽詰まった要請がインカムから響く。
おそらく目の前のあいつのことだろう。

「瀬尾です! 現在猪を視認してます! スキル範囲に入り次第倒します!」
『承知した!』
『うおおおお! 私の瀬尾くんは世界一だ!』

最後の宮下さんの叫びで思わず体勢が崩れそうになったが、何とか堪えることができた。
危ない危ない。
戦闘中は最低限の緊張感は持って欲しいよっと心で叫んで、インカムから聞こえる声を無視した。

猪に追いついてスキルの効果範囲に入れると、それはゆっくりと横倒しに倒れた。
すぐ目の前に、宮下さんたちがデカい狼と戦っているのが見えた。
もう少し遅れていたら、施設は破壊されていたかもしれない。

「さてと、こいつを殺すのは・・・僕じゃ無理そうだ」

僕はインカムに手を当てる。

「こちら瀬尾です。大猪を今倒していますが、大きすぎるのと体の火でトドメが刺せません。水の魔法使いかこいつの目からひとおもいに殺せる人いますか?」
『朧月夜の美濃坂だ。俺がやろう。ちょっと離れてくれ』

言われるがまま離れると、恐ろしく速いものが飛んできて、猪の眼球に直撃し中に埋もれる。
だが、埋もれたそれは銀色の紐と繋がっていて、一気に引き抜かれ、再度猪の同じ目に直撃し、先ほどよりもさらに奥へと貫いていく。
それを4度耐えたが、流石に5回も同じ場所を貫かれ、猪は紫の欠片へと変わって消えていった。

「魔石は任せます」
『分かった』

次に僕はバイクで狼に一気に近づく。

「宮下さん! 合わせてください!」

狼はチラリと僕を見るが、宮下さんの攻撃が激しすぎて注意を向けることができない。
僕はバイクで狼の後ろに回って接近した。
狼は僕に向けて後ろ蹴りをしようとしたが、宮下さんの攻撃を受けてよろめく。

「私を見てよぉ。熱い時を一緒に過ごしているんだから! 浮気は厳禁よ!」

速度任せの高速一撃。
宮下さんが持つスキルの中で、最も強いスキルを発動させているのだろう。
その間に僕のスキル範囲に狼が入った。
グラリと傾く狼に、宮下さんは顎下に潜り込んで、一気に突き上げた。
斬撃特化の短剣と韋駄天の単槍。
二つの武器が顎を貫き、口蓋を突き破って脳に達した。
そして狼は紫の欠片となって散っていった。

「オェ! ぺっ! 血が一瞬口の中に入った。オェ・・・」

体ごと槍と化して攻撃したため、もろに浴びたのだろう。

「他にデカいモンスターかB級以上のモンスターは見ませんでしたか!?」
「こっちではジャイアントファイアゴーレムがいたぐらいよ。自衛隊の東田に任せれば問題ないわ。アレは東田と相性がいいから鴨ネギよ」

ということは、後は南と東か。
だが、東は豊後竹田と高千穂に駐屯していた自衛隊が守っているはず。

「それじゃ、僕は一旦支部長のところに戻ります。何かあったらインカムでれん・・・」

その時、大きな咆哮が阿蘇中に響き渡った。

何事かと咆哮の発信源を見ると、ドラゴンが何かに向けて炎を噴射していた。

「誰かが戦っている?」

僕の眉間に皺がよった。
他の人を見ても同じような顔になっている。宮下さんにいたっては、爪まで噛んでいた。
僕が見ると直ぐに止めたのでちょっとしたクセなのだろう。

「こちら温泉施設。瀬尾くんのおかげで大猪と炎の大狼を倒すことができました。瀬尾くんは支部長の元に一旦戻します」
『了解した』
「ところで、今、誰かドラゴンにアタックしていますか?」
『いや、こちらからは誰も行っていない。阿蘇駅からも行ってないはずだ。自衛隊から行ってないか?』
『自衛隊からは連絡はありません』
「東田がこっちから見える場所でジャイアントファイアゴーレムと交戦中です。おそらく他の者ではドラゴンの相手は不可能かと・・・」
「僕が行きます」

ある予感がした・・・。

「僕が確認してきます」
『・・・油断するなよ?』
「はい」

急いでバイクに乗ってエンジンを噴かし、アクセルを回した。
前輪が宙を掻くが気にせず体重移動で抑え込む。

最短で頂上を目指すため、整備されている道をひとまず目指す。
旧暦では観光客もいたらしく、火口までの道ができているので、荒れ道を進むよりも、ずっと時短になる。
道に乗ってからはスムーズに進み、時折出てくるモンスターは生命力吸収で無力化して無視する。
徐々に近づき、ドラゴンがどんな攻撃を受けているのか視認できる距離になって、その顔に爆発が当たったのを見ることができた。

「やっぱりだ・・・ほとんど勘だったけど、やっぱりお前はそこに居たんだ! 甘木から次はどこに行くのかずっと考えたよ! 交通機関を使って本州に行くか、九州の小さなダンジョンに行くか、それとも、大当たりを狙って阿蘇に行くか。僕の予想通りだ! そこに居るな! 安部浩ィ!」

アクセルを握る手が汗ばむ。
心臓の音が激しく鳴って、期待が膨らむ。
ああ・・・カーブが邪魔だ。
直進したい。
まだタイヤを温存しないと。
距離をもっと!

どんどん大きくなるドラゴンの姿を注意して突進すると、バイクの音に気づいたのか、ドラゴンの目がこっちを見た。

「うわ! マズイ!」

遠距離からのファイアブレスが吹き荒れ、熱風が僕の体を焼こうとする。
僕はいち早くブレスを避けて、一気にドラゴンの懐を目指した。
安部との戦いは終わっていたのか、ドラゴンは完全に僕に正面を向いている。
余裕の態度で飛び上がる気配がないのは有り難く感じながら、僕はスキルの範囲内にドラゴンが入ったのを確認してバイクから飛び降り、地面を転がった。
ドラゴンは何が起こったのか分からないままズシィン! と横倒しになり、プルプルと瞼を震わせる。

「安部! 安部浩! 何処だ! 何処にいった!」

力一杯叫ぶが、誰も応えを返さない。
ドラゴンの周囲を一周するが、人影一つ見当たらなかった。

「クソ! クソが!! だけど、お前がここに居ることは掴んだぞ! ようやくだ。尻尾を出さなかったお前が! ようやくミスを犯したんだ! 絶対に捕まえて! 地面に這いつくばらせて! 全身をきざんで貴様が持っているアイテムを全て奪ってから! 殺してやる!!」

憎悪が、恨み辛みが、口から漏れて火口中に響き渡る。
必ずあいつに伝わるように願いながら、僕は呼吸を整えてインカムに手を当てた。

「ドラゴンを倒しています。火を纏っているので僕には止めを刺せません。遠距離で確実にドラゴンを倒せる人たちを集めてください。後、僕の前に戦っていたやつがまだ周囲に居るかもしれないので、警戒をお願いします」
『分かった。阿蘇駅チームと温泉チームも聞こえたな! 状況が落ち着いたら瀬尾の元へ向え』
『ドラゴンに自分のスキルが効くか試せるなら是非もない!」
『羨ましい! 私も斬撃特化が効くか試したい!』
『・・・瀬尾、お前のスキルは足先が入れば効くようなスキルなのか?』
「以前、警官が足先を入れて倒れましたが、あくまで人間なので、ドラゴンはちょっと・・・。それに、できるか分かりませんが、スキルを封印している訳ではないので、結構危ないと思います」
『聞いての通り、遠距離のみとする。噴火もだいぶん収まったが、まだ油断するなよ。瀬尾も東側を回ってないからな、そっちから来る可能性がある』

浮かれそうになる気持ちを引き締める激がとび、気持ちが引き締まる。
っと言っても、僕はドラゴンを止めるためにこの場にいなければならないため、なるべく熱くない場所を選んでその場に座った。
しばらくすると、下の方からバイクの音がして2台こちらに向かってきた。

「お待たせした。さっきぶりだな」
「美濃坂さんでしたね。よろしくお願いします。そちらは?」
「俺は田中優という。4級探索者だが、遠距離スキルなら自信がある」
「それではお願いします。僕のスキル範囲外ですが、お二人にとっては中距離ぐらいの感覚になると思います。ただ・・・このドラゴンが余裕がありそうなので注意してください」
「余裕があるとは?」
「なんと言いますか・・・生命力吸収を受けると、人であれば呼吸が細くなって全身の力が入らない状態になるんですが、このドラゴン・・・寝てますよね?」

僕はドラゴンの顔を指差す。
そこには瞼を閉じて穏やかな呼吸をしているドラゴンがいる、

「こいつは多分分かっているんですよ。生命力を吸収された、それで? 状態です。蝿の王を自衛隊と警察と一緒に倒したことがあるんですが、その時は鬼教官がなんか強化されてスキルを使った上でようやく倒せた感じです。同じぐらいの攻撃力がないと難しいかもしれません」
「そうだな。俺も自分のスキルが通用しなかったら潔く諦めよう」
「俺もだ。無駄に時間をかけるのは性に合わない」

そう言って2人とも得物を構えた。

「っせい!」
「痺れろ!」

気合の入った声と共に、鉄球が投げられ、轟音と共に雷が走る。
だが、2人の攻撃はドラゴンの鱗を傷つけることすら出来なかった。
そのまま何度か攻撃を繰り返したが、ドラゴンの息は乱れない。

「応援を呼びましょう」
「そ・・・ゼェ、だな」
「あ・・・あとちょっとゼェ・・・惜しい」

息も絶え絶えで2人が同意する。
2人とも貫通と電導上昇という当たりスキルを持っているのに、全く効いていない。
生物としての格が違いすぎるのだろう。
人類にレベルでもない限り容易に勝てる相手ではない。
蝿王も本来ならもっと苦戦する敵だったのだろう。
たまたまあの場に僕と城島さんと鬼教官がいたから討伐できただけだ。

「支部長、追加の挑戦者をお願いします。宮下さんもきてください。火力に自信のある人は試す絶好の機会ですよ」

インカムの向こうですごい雄叫びが響き上がった。
それだけ自分のスキルに自信のある人たちが多いのだろう。

『待て待て! 全員は行くな! 阿蘇駅はもう問題ないのか? 温泉施設は客がいただろう! 放置するなよ! 一回落ち着いて待機組はそばに居ろ! 移動しやがったらぶちのめす!』
『俺行くからな!』
『ヘナチョコ剣がドラゴンに効くかよ! それよりは俺が行く!』
『あんたの槍なんて股間と一緒でフニャフニャのくせに何言ってるの! 私が行くわ』
『瀬尾くん! 私は絶対だよね? 指名だよね!?』

インカムから聞こえる宮下さんの声が必死だ。

「ええ。今、阿蘇にいる人で宮下さんがトップクラスの火力でしょ? 必ずきてください」
『ヒャッホーイ! いっきまっせうー!』

自分の今の力が試せて嬉しいのだろう。
他の人も支部長からの指名で、数名がピックアップされて、火口に来ることとなった。

「すみません、念のため、水か氷の魔法かスキルを持っている人も何人かお願いします」
『誰か行っているか?』
『小坂行ってます』
『一ノ瀬行ってますよ』

2人いれば、僕が我慢できるぐらいの火に抑えることができるだろうか?
最悪それに賭けるしかない。

そして宮下さんを含む第二陣が到着し、僕は尻尾を範囲から出るように調整する。
頭を出すと、何かしでかしそうな顔をこいつはしていた。

「この! ぎゃー! 手袋が燃えた!」
「剣が! 欠けたぁぁ!」
「鱗が! 取れない!」
「刺突も無理だ!」

挑戦者たちから悲鳴が上がっている。
最悪なのは得物が折れたり燃えたりしているらしい。
トボトボとこちらに宮下さんが近づいてきた。

「どうしました?」
「・・・刃が欠けた」

宮下さんが持っている短剣の刃が、ボロボロに欠けている。
いかに斬撃特化のスキルが付いていても、それでは十分に威力が乗ることはない。
しかも、欠け具合から見て、破棄するしかないだろう。

「単槍は壊してないでしょうね?」
「うん、そこは自重した・・・ホメテ」

相当悔しかったのだろう。
離れているのに彼女の歯軋りの音が聞こえる。

「そろそろお開きにしますよ」

彼方此方で凹んでいる人たちに声をかけて、僕は小坂さんと一ノ瀬さんに合図を送る。
2人は同時に魔法を詠唱して、それなりの量の水が生み出されドラゴンの首に当たった。
水蒸気が上がってドラゴンの首周りの炎が弱くなる。

「出来たらしたくなかったんだけどね、熱いだろうし」

僕は身体強化で高く飛び上がり、自然落下でそのままドラゴンの首を踏みつけた。

ドゴォォォ!!!

とてつもない音と共に、ドラゴンの首がくの字に折れ曲がる。

「待っている間、ずっと加重をオンににしてたんだ。こんなに長時間使用してたことなかったから君が初めてだよ。熱いから短時間で終わらせるね」

差し詰め古の最強物理攻撃、物体199と言ったところか。
僕は白眼を剥きながらもまだ生きているドラゴンの首から再度飛び上がり、もう一回そこに落ちる。
すると、今度は折れ曲がるのと同時にボキボキ! と軽快な音が鳴って骨が折れ、ドラゴンは紫の光になって消えていった。

僕はズボンや靴についた火を急いで消して、ふぅっと一息吐く。
水で火を消していたはずなのに、それでも靴とズボンを燃やす被害が出たのだから、水をかけていなかったらどうなっていたか・・・。
ドラゴンが残した、A級の魔石の中でも別格の大きさとなったメロン程ある魔石を見て、まともに戦わなくてよかったっとしみじみ思った。
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