人類はレベルとスキルを獲得できませんでした。

ケイ

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甘木市未確認ダンジョン編

日常とダンジョンと

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山狩りから一夜明けて、甘木市のダンジョンに関する情報が報道されて、テレビ局の記者が学校の門で何人かの生徒に声をかけていた。

「近くにダンジョンがあったとのことですが、どう思いますか?」
「怖いですね。モンスターが外に出ていないかしっかり調査してほしいです」

大平山の山狩りは広さを考えると短時間だったみたいで、被害もほとんどないらしい。
強いて言えば、山にいた野生の動植物が食い殺されたり倒されたりされていたぐらい。
包囲網から逃れたモンスターもいないらしく、街には安堵の空気が流れている。

民間の探索者もテレビに出て、手に入れたアイテムを自慢していた。

聞いたところによると、受肉したモンスターから得られるアイテムには、コンニャクが切れるみたいなハズレスキルは存在しないらしい。
その探索者が自慢していた杖も、水操作というスキルがあったようだ。魔法には劣るが、水辺では詠唱がない分、評価は高い。

「あいつも、討伐に参加したらしい」
「警察からお願いされたって?」
「またレアスキルを手に入れたってよ」
「アイテム売って億万長者になったって聞いた」

教室に入ると、色々な噂が飛び交っていた。
僕に関することは出鱈目が混じっているが、微妙にかすっていて怖い。
それでも誰も話しかけてこないから、まだ平和に過ごせる。

「おい、ここに瀬尾ってやつ居る?」

昼休みに上級生が教室に来て僕を呼んだ。
見たこともない先輩だった。
関わりたくないなーって考えていたが、クラスメイトが僕を指差してしまったので逃げることができなくなった。

「よぉ、最近調子に乗っているって聞いたぜ」

先輩が入ってくるのと同時に、クラスにいた人たちが我先にと教室から出ていく。
その事に何も疑問に思わないのか、それとも考える頭がないのか。

「ちょっと守ってやるから金よこブベッ!」

仕方ないのでスキルを使って先輩の生命力を吸収する。
可哀想に、倒れた際に顔面を強打していた。

「先輩・・・邪魔です」

山狩りでのヒューさんと比べたら、月とスッポン。
教室の端に移動させてスキルを切る。

「お前!」

まだ突っかかってきそうだったのでまたスキルを使うと、今度は横に倒れて側頭部を打っていた。

「えっと、面倒くさいので戻ってくれますか?」

グッタリしていても目だけはギラギラと僕を睨んでいる。
仕方ないので、ベランダに出して扉と窓の鍵を閉めてスキルを切った。

「てめー! 開けろやこら! ぶちのめすぞ! あっ」

スキルを入れるそして切る。また吠えたので再度入れて切る。

何回目で学習するか考えてたら追加で5回もかかってしまった。
逃げるのも吠えながらグラウンドへ走って逃げるのでさらに2回スキルを使用して倒れるのを見学した。

「もういいですよ」

外にいる人たちに呼びかけると、無言で入ってきて着席した。
今回は誰一人として巻き込んでいないのにみんな無言で座っている。

それから放課後まで、誰一人として喋らず、放課後のチャイムが鳴っても僕が立ち去るまで動かなかった。

僕は・・・いじめられっ子予備軍だったと思うし、無差別にスキルは使用していないのだけど、どうしてこんな扱いを受けているのだろう。

帰り道で、クラスメイトとの関係改善について考えていると、気づいたら家に着いた。

「ただいま」
「おかえりなさい。警察の人と自衛隊の人が来てるわよ」
「あー、わかった。手を洗ったら行くよ」

待たせるのもいけないので、手を洗ってリビングに行くと、校長室の前で睨み合っていた二人がいた。

「浜田正勝、甘木警察署所属で階級は巡査です。警察の仕事を知ってもらいたいので、精一杯お伝えします。よろしくお願いします」
「宮地勝、西部方面部隊第4師団所属。階級は一等陸士であります。ダンジョンアタックは福岡市中洲の不夜城と長崎県の軍艦島を経験しております。よろしくお願いします」

ゴツイ二人がうちのリビングにいると、部屋が凄く狭く感じてしまう。

「えっと、ご用件は」
「スカウトです」
「スカウトです」

二人の声が揃う。

「っと言っても、おそらく瀬尾さんは承諾しないことは我々も承知しております。ですので、浜田巡査と話をして私の方から案がございます」

宮地さんが懐から一枚の券を机の上に置く。

「自衛隊が発行できるダンジョンアタック許可証です。この券は1回だけ我々と一緒にダンジョンアタックを体験できる権限を得られます。ソロでのアタックは不可能ですが、モンスターを倒すこともできます」
「今回は完全攻略が第一目標となりますので警察が周辺地域を封鎖しての攻略になります」
「アタックは陸上自衛隊第4師団から3チームが参加。洞窟型のダンジョンですので、大人数での物量戦ができませんので精鋭で進む事になります」

結構大掛かりなのだろうか?
そもそも、ダンジョンは資源の宝庫であると授業で習ったはずなのに、完全攻略・・・つまりダンジョンを破壊するとこの人たちは宣言している。

「甘木市はその作戦に賛同しているんですか?」

ダンジョンという名の資源の宝庫を市や県がそう簡単に破棄するわけがない。

だけど、僕の質問に二人は深く頷いた。

「まず、警察として甘木市に配備されている人員数から見ても圧倒的に数と質が足りていません。瀬尾さんが遭遇したカマキリタイプはC級の魔石を落としました。そこから考えて、今回のダンジョンは洞窟型の広域ダンジョン。階段やポータルが存在しないダンジョンだと思われます。受肉するモンスターはほぼD級以下とはいえ、それ以上のものも出る可能性があります。そうなった場合、我々では対処できなくなる可能性が高いと判断しました」
「自衛隊としても、第4師団が担当している区域にはなるのですが、やはり人員の関係で手が足りてない状況です」

ダンジョンが発生して、地球規模で人口が減っているって授業で学んでいたのを思い出す。
竜の棲家となっている天空大陸ムー。
海竜やセイレーンが守る海底神殿アトランティス。
その二つのダンジョンのせいで空と海が危険地帯となり、飛行機と船が使えなくなった。
日本はそれまで外国に頼っていた小麦や大豆を自国で生産するようになったが、それでも供給が間に合わず価格が高騰した。
日本政府も色々対策をして農家の戸数を増やしたが、今だに満足いく供給は出来ていない。
その結果・・・子供が1人という家庭が増えた。
更に悪かったのが動画配信者たちだった。
彼らは再生数稼ぎに危険なダンジョンへ単身で入り戻ってこれなくなるということが多発したのだ。しかも、そういった人たちは20代から30代前半の人が多かったらしく、日本の人口の年齢別でも75年前から80年前の20~30代が極端に減っている。
当時の有名な動画でスライム事件と言うものがあり、ライブ配信者が頭からスライムを被って、徐々に溶かされていく様子が全て配信されたという。
当時の記事によると、その動画を見ていた人たちは何らかの精神的ダメージを負っており、人の顔がまともに見れなくなっているらしい。

「あのダンジョンのランクが暫定ながらB級と判定されました。これは不夜城と同じランクで攻略するには3級のチームが推奨されています。安全を考えると複数のチームが必要と考えられますので、単身でモンスターを無力化できる瀬尾さんがいると、非常に助かるんです」

宮地さんのお願いに、僕も悩むが流石に一人では決めることができない。

「いつまでに回答が必要ですか?」
「自衛隊の準備も必要ですので、2ヶ月後の9月14日にアタックを開始します。銃などの訓練も行いますので早ければ早い方がいいですが、最低でも1ヶ月は訓練と連携の確認の時間に当てて欲しいですね」
「・・・ちょっといいかな、お二人さん」

今までじっと聞いていたじーちゃんが浜田さんと宮地さんを見る。

「ワシらにとって京平は唯一の孫。できれば、そんな孫に危険なことはさせたくないんだが?」
「・・・瀬尾さんが危険になることは恐らくありません」
「だが、ダンジョンに行くのだろう?」
「それだけ彼のスキルが別格なんです。彼を中心にダンジョンアタックを行えば、日本3大ダンジョン攻略も夢ではないと思われます」

・・・過大評価でしょ、それは・・・。

日本の3大ダンジョンは、全てフィールドと迷宮の複合ダンジョンで樹海を含む霊峰富士山、鳴動し続ける九州最大のダンジョン阿蘇山、北海道最大の湿地帯釧路湿原。
釧路湿原に至っては、フィールドからダンジョンにつながる入り口すら未だ発見されていない、それほど攻略難易度の高いダンジョンだ。

じーちゃんとばーちゃんが僕の顔を見る。
手と足が切られたことは内緒にしてたけど、伝えるしかないようだ。


・・・
じーちゃんが手を震わせて怒っている。
ばーちゃんは静かに涙を流していた。
二人とも僕の話の後に一言も喋らないでいる。

「感覚はないから細かい動きは無理だけど、とりあえず動くし、今は左手を練習中だから、いずれ普通に文字も書けるようになるよ」
「そういう問題ではない」

じろりとじーちゃんに睨まれた。

「お前たちはこんな目にあった子供を更に戦わせようというのか? 右手と右足が不自由になった子を? 満足に走れない、逃げることも難しい子を、死に近いダンジョンに連れて行くのか! 貴様たちはそれでも国と民を守る自衛隊と警察官か!! この子は何だ? 未成年の守られるべき子供じゃないのか!」
「・・・」
「・・・」

浜田さんと宮地さんが口を閉じた。
僕も何も言えなかった。
だって、じーちゃんが言ったことは本当のことすぎたから。
普通に考えて、自衛隊と警官が民間人、それも高校生に「戦え」は無い。

「今日は帰りなさい。京平が何と言おうと今日判断することでは無い! いつの間にこの国は子供に日本の運命を背負わせるようなセリフを吐く大人が増えたのか! 反吐が出るわ!」

浜田さんと宮地さんは叩き出されるかのように家の外に追い出された。

「かーちゃん! 外に塩撒いといてくれ!」
「・・・」
「わしが撒くから塩取ってくれ!」

ばーちゃんも泣きながら怒っていて、怒っていたじーちゃんがちょっとビビった。

その後は、僕らは珍しく何も喋らずに食事をして部屋に戻って勉強をし、そして就寝した。


翌朝、じーちゃんとばーちゃんは怒っていなかったが悩んでいた。
僕も悩んでいた。

正直、危ないのはわかっている。死ぬかもしれないことも理解はしている。
でも、ちょっとだけヒーローになりたい。
そんな気持ちが僕の中にある。

「どう・・・したらいいのかな」

一人部屋で呟いた。

学校に着いてからも、授業は上の空でずっとダンジョンのことを考えていた。

ダンジョンブレイクが起きたらどうなるのだろうか?
ここにいる人たちは生きていけるのだろうか?
僕がダンジョンアタックに参加しないことで、何か問題があるのだろうか?
僕が参加しないことであの人たちが大怪我をしたら、僕は後悔しないだろうか?

悩みは尽きない。

僕がスキル持っていない一般人なら悩まず拒否するだろう。
それこそ、自衛隊と警察の仕事だ! と言ったかもしれない。
でも、僕にも自信が持てるものができた。
偶然の産物だけど、それでもみんな凄いと言ってくれるものだ。
そして、それはみんなを助けることができるものなんだ。

日野さんに相談しようかと思ったけど、あの人は探索者と警官の視点から喋るから、今回は参考にならない。
あくまで民間人の立場でのアドバイスが欲しい。

そう思って僕は職員室に来た。

「すみません。安達先生いますか?」

授業が終わった後で、先生たちは戻ってきていると思うのだが、僕はぐるっと室内を見回すと手を振っている安達先生がいた。

「どうした? 瀬尾が来るなんて珍しいな」

おいでおいでと手招きされて、自分の席の横に丸椅子を引き寄せて座るように促した。
実は以前、僕が木下たちから小突かれていた時に目ざとく発見され、「これ以上君が何も言えないままエスカレートするようだったら、先生は割って入るつもりだ」と言われたことがある。
見て見ぬ振りをする人もいる中で、この人が先生でよかったと思えた日だった。

「えっとですね、先生は僕のスキルを知ってますよね?」
「ああ、知ってるよ。そのせいで酷い目にあったからね」

先生がちょっと怖い顔になって、拳骨でグリグリされる。

「その節はすみませんでした。まさか岸田さんの上に倒れるなんて思ってなかったので」
「まあ、運が悪かったんだろうな。日頃の行いはいいはずなのに・・・。それで、どうした?」
「えっと、実は・・・」

僕は昨日の出来事を先生に説明すると、先生は腕組みをして眉間に皺を寄せた。

「まず、先生の立場からすると、君のお爺さんたちの意見に近くなる。ダンジョンは死を覚悟していく場所だ。たまたま強いスキルを手に入れただけの子供が行く場所じゃ無い。しっかり訓練をして、専門知識を憶えて、出来うる限りの準備を整えた者だけがいける場所だと考えている」

それは主に自衛隊のことを指しているのだろう。

「はっきり言って、君に依頼をしてきた自衛官と警察官は君のスキルにしか目を向けていなかったと思うよ? 本来なら君が志願し、彼らと同等の特訓をして準備が整った段階でなるべく簡単なダンジョンから経験していくのが普通の道のりのはずだ。今回はそれを逸脱している」
「そう・・・ですね」
「ただ別の意見を持つ私がいる。断っておくが、敢えて厳しい意見を伝えるがそれを持って君の意志決定をしないでほしい。約束できるかい?」

僕は覚悟をして頷いた。

「俺たちを守ってほしい」

どストレートに言い放った。

「俺たちは弱い。近くにダンジョンなんて不安で仕方がない。俺には嫁と子供がいる。魔物なんかに殺されたくない。お前には力がある。俺たちを守れる力だ。なら、俺たちのために使ってくれ。どうせ国からお金がもらえるんだろ? そのお金は俺たちの税金だ。なら俺たちのためにその力は使われるべきだ」

・・・周囲の先生たちもこちらを見ている。でも、誰も何も言わない。何故なら、安達先生の言葉が自分たちの気持ちと一致しているからだろう。
もしかしたら僕の意見待ちなのかもしれない。
僕の心が重くなる。

「あー、言っといて何だが、先に言ったとおり気にしないでほしい。俺がこの場で言ったのは、瀬尾が行かないという立場を選んだ際に、絶対に言われる言葉だからだ」

安達先生が笑顔で僕の髪をかき混ぜた。

「ちょっと、髪が」
「心無い言葉は必ず出てくる。でもな、お前は自分でちゃんと選べ」

周囲の先生たちも頷いている。
結局自分自身で決めるしかないけど、先生の意見は聞けた。
僕は先生たちに一礼して職員室から退室した。

「どうしたものかな」

みんなの本音は参加してほしいのだろう。
その方が少しでも安心できるから。
でも、僕にとっては死ぬかもしれない場所に行くことになる。

「ヒーローは行くんだろうな」



家の自分の部屋で、僕は指輪を一つ目の前に置いた。
ゴブリンから手に入れた身体強化のスキルが付いたアイテムだ。

「適合性が何%になるか・・・それによって決める!」

僕はそれを左手の中指に着けていつもの言葉を言おうと口を開く。

「そう・・・あれ?」

装備と言う前に、体内の何かが左腕を通って指輪に流れていくのがわかる。

「あれ? 痛みは? 言葉は?」

装備されたのは分かる。
身体強化も使える。
でも言葉がこない。
痛みが来ない。
不安が押し寄せた。
上手く装備できたのか? 
僕に宿るスキルはまともなものなのか?

しばらく悩んだが、答えは出ない。

まずはスキルの調子を確認しよう。

普通の人間が身体強化スキルを使った場合、オリンピック選手や格闘技のチャンピオンクラスの身体と同等の動きができる。

僕が必要なのは逃げ足。
家の前の道を軽く走り、右足の感覚と左足の踏み込みを確認した。

「・・・凄い」

息が全く切れない。
一流アスリートの身体を堪能して、家に戻り、リビングにいるじーちゃんの前に立った。

「じーちゃん」
「・・・」
「僕、行くよ」
「そうか・・・それ以上怪我せんようにしろよ。和之と美里さんに申し訳がたたん」
「うん」

ばーちゃんが手を拭きながら僕の顔を見る。

「元気にせなあかんよ。あの子たちみたいに親不孝なことはせんどいてね」
「うん。絶対に戻ってくるよ」

翌朝、僕は自衛隊に連絡し、宮地さんの携帯を聞いて連絡した。

「すまない。・・・ありがとう」

宮地さんもじーちゃんの言葉に思うところがあったのだろうか。
静かに感謝されて、いつの何時に迎えに行くかを話した。
学校に着いてからは先生に僕の意志を伝えた。
先生も安心したような、それでいて罪悪感を感じているかのような表情で、僕に感謝を伝え、無事に戻ってくるように願ってくれた。

そして数日後・・・僕は自衛隊で特訓を開始した。
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