8 / 25
12月8日【かそけきものの雲】
しおりを挟む
今日は朝から、みーちゃんがご機嫌です。
「みーちゃんは、みーちゃん。みーちゃんの名前は、みーちゃん」
歌いながら、あっちへころころ、こっちへころころ、転げ回っています。みーちゃんは、みーちゃんという名前をもらったことが、嬉しくてたまらないようです。
「名前があったんなら、教えてくれれば良かったのに」
ゆみこさんが言いますと、男の子はぷいとそっぽを向きました。朝ごはんの席でのことです。
実のところゆみこさんは、子供たちに名前をつけてあげようと思いもしたのです。何というふうに呼べば良いのか、分からないままというのも困りますから。
だけど、ゆみこさんは、お手紙たちを預かっている身です。迷子の子でも、逃げ出してきた子でも、自分のことを忘れてしまった子でも、その子自身の名前があるはずなのです。ですから、勝手に名前をつけてはいけないのじゃないかしら。そんなふうに、思っていたのでした。
「みーちゃん、みーちゃん。はーい、みーちゃんでーす」
だけど、リビング中を駆け回って喜んでいるみーちゃんを見ていますと、やっぱり、ちゃんと名前があった方が良いとも思います。
そりゃあ誰だって、ねえ。とか、あなた。とかいうふうに呼ばれるよりも、自分だけの名前で呼ばれる方が、ずっと嬉しいでしょう。
「ねえ、あなたまだお名前、教えてくれないの」
ゆみこさんがお願いしても、男の子は知らんぷり。まったく、とんだ強情っ張りがいたものです。
さて、お昼を過ぎたころ、キンコーン。今日も、玄関のチャイムが鳴りました。ゆみこさんがドアを開けますと、玄関ポーチに真っ白な封筒が、置いてあります。
拾い上げますと、封筒はどことなくひんやりしているようでした。もしかして、雪や霜のお手紙かしら。そんなことを考えながら、ゆみこさんは封筒を持ち帰ります。
真っ白な封筒は本当に真っ白で、きらきらもざらざらもしておらず、封蝋までが真っ白なのです。
「なんだと思う?」
「わかんないね」
男の子とみーちゃんに見守られながら、ゆみこさんは、封筒を開きました。
すると、ぽわん。湯気が立ち上ります。いいえ、湯気というには冷たすぎるようです。これは、雲です。
雲はゆみこさんの頭より少しだけ高い位置に留まって、ほわほわ円を描くように動いたあとで、床に向かって降りていきました。そして降りながら集まって固まって、ウインナーコーヒーの上に乗っている、よく泡立てたホイップクリームのような見た目になりました。
「こんにちは。あのう、迷子になったらここに行けば良いって、北風郵便局のひとに言われて来たんですけれど」
「ええ、その通りですよ。いらっしゃいませ、北風ゆうびん休憩所へ」
白いホイップクリームさんに、ゆみこさんはリビングの椅子を勧めました。ホイップクリームさんは、ゆみこさんの手のひらに収まってしまうほど小さいので、テーブルの高さに合わせるために、椅子にたくさんクッションを積みました。
「お飲み物は、何にします?」
昨日、長江商店のヨシオさんが、品物をたくさん届けてくれましたので、ゆみこさんのお家にはお湯と紅茶以外の飲み物もあるのです。たとえば、牛乳やコーヒー、緑茶やほうじ茶、ホットレモネードだって作れます。
どんなリクエストが来ても、応えられるます。ゆみこさんはわくわくしていたのですが、ホイップクリームさんは、じっと考えて、「では、お湯をくださいませんか」と言いました。
お湯でいいの。と、なんだか拍子抜けしましたが、遠慮をしているというわけでもないようですし、ゆみこさんはお湯をお出しすることにしました。
ゆみこさんのお気に入りの、白いマグカップ。ちょうどいい温度のお湯を、保温ポットからとくとく注ぎます。
「どうぞ」
と、テーブルに起きますと、ホイップクリームさんは「ありがとう」と言って、真っ白でふわふわの体から、真っ白でふわふわの手を伸ばしました。そして、マグカップを持って、お湯を飲みました。
「ああ、おいしい」
ホイップクリームさんは、三度に分けて、お湯を飲みました。こころなしか、ふわふわの体が大きく膨らんだような気がします。
「クッキーは、いかが?」
ゆみこさんが、クッキーの乗った丸皿を差し出します。ホイップクリームさんは、にこりと笑い(ホイップクリームに顔はありませんが、笑ったように思えるのです)、「とても美味しそうですが、遠慮させていただきます」と言いました。
「わたくし、透明のものか白いものしか、口にしないことにしているんです」
「そうでしたか。しかし、それはまた、どうして?」
「わたくしの、この雲の体を維持するためです。かそけきものたちの声を運ぶには、この体が必要ですから」
ホイップクリームさんが、彼(もしくは彼女)のお話をしてくれるというので、みんなテーブルに集合しました。ゆみこさんは熱々の紅茶、男の子はホットレモネード、みーちゃんははちみつを溶かしたホットミルクを手に、ホイップクリームさんの話に耳を傾けます。
「みなさん、お名前を呼ばれると、お返事をするでしょう。それは、言葉を持たないものたちや、実体を持たないものたちも同じです。名前を呼ばれれば、お返事をします。かそけきものたちも、そうなのです」
「かそけきものって、何ですか?」
ゆみこさんの問いに、ホイップクリームさんは、ふるんと体をふるわせました。
「かそけきものたちは、実体を持つはずだったものたちです。そして、実体としての名前すら与えられたものたちです。それでいて、実体を持つことができなかったものたちです」
ホイップクリームさんの言葉は難しく、男の子とみーちゃんは、さっそく理解できていないようです。難しい、と主張するように眉間にしわを寄せています。
それから、どうやら自分たちの手に余る話題らしいと勘付きますと、さっさと「ごちそうさま」をして、窓際の方へ遊びに行ってしまいました。
ゆみこさんはといいますと、ゆっくりと、ホイップクリームさんの言ったことを反芻します。実体を持つはずだったもの。実体としての名前を与えられながらも、実体を持つことができなかったもの。
「かそけきものたちのお返事は、それはそれはささやかな声で、実体を持つものたちの、実体のある耳では、とても聞き取れません。それどころか、世界が活動するあらゆる音の中に、すぐにかき消されてしまいます。ですからわたくしは、彼らの声を雪雲の中に包み込み、お手紙となって、実体を持つものの耳元まで届けてやるのです」
ホイップクリームさんは、穏やかな手つきで、ふわふわのお腹を撫でました。
「毎年、雪と共に地上に舞い降りて、実体のあるものたちの耳元にお届けするはずなんですが……ほら、今年はこの通り、暖冬でしょう。なかなかお届けの機会がなくって、そのうち声たちも、どこに行くんだったっけ? 誰が名前を呼んでくれたんだっけ? なんて言い出しちゃって……」
なるほど、それで、迷子なのです。
「そういうことでしたら、いくらでも、この休憩所で休んでいってくださいな。そのための、休憩所なんですから」
迷子というのは良くないことですが、迷子だけど休む場所があるというのは、たぶん、良いことです。ホイップクリームさんは、「ありがとう、そうします」と言って、お辞儀をしました。そして、窓際の子供たちに視線を向けました。
男の子とみーちゃんは、窓から熱心に空を見上げています。雪が降るのを、待っているのかもしれません。ホイップクリームさんは、すうっと大きく息を吸い込みました。すると、ホイップクリームのようだった体が膨らんで、真っ白な色が薄くなって、たちまち、雲になりました。雪雲です。
「おちびちゃんたち、雪が待ち遠しいのでしょう」
雪雲は、あっという間にリビングの天井を覆いつくします。そして、リビングは充分に暖かいというのに、ひらひら、綿のような雪が降り始めたのです。
「休ませてもらうお礼といってはなんだけど、おちびちゃんたちの上にだけ、雪を降らせてあげようね」
みーちゃんが、わあっと歓声を上げて、雪を掴まえようとジャンプしました。男の子は、おちびちゃんと呼ばれたことが不服なようで、ふてくされていましたが、間もなく雪の魔法に完敗し、はしゃぎ始めます。
かそけきもののための雪雲は、かそけき雪を降らせます。積もることなく、溶けることもありません。肌に触れると、ほのかに光ってほどけて消える、まぼろしの雪なのです。
「あると思えば、ある。ないと思うから、ない。積もらなくっても、雪が降ったことは、確かな真実」
雪雲が、歌うように言いました。あるいは、話すように歌いました。
「積もらなくっても、雪が降ったことは、確かな真実……」
ゆみこさんが、繰り返します。窓の外は穏やかな晴天で、雪はまだ、降りそうにありません。
「みーちゃんは、みーちゃん。みーちゃんの名前は、みーちゃん」
歌いながら、あっちへころころ、こっちへころころ、転げ回っています。みーちゃんは、みーちゃんという名前をもらったことが、嬉しくてたまらないようです。
「名前があったんなら、教えてくれれば良かったのに」
ゆみこさんが言いますと、男の子はぷいとそっぽを向きました。朝ごはんの席でのことです。
実のところゆみこさんは、子供たちに名前をつけてあげようと思いもしたのです。何というふうに呼べば良いのか、分からないままというのも困りますから。
だけど、ゆみこさんは、お手紙たちを預かっている身です。迷子の子でも、逃げ出してきた子でも、自分のことを忘れてしまった子でも、その子自身の名前があるはずなのです。ですから、勝手に名前をつけてはいけないのじゃないかしら。そんなふうに、思っていたのでした。
「みーちゃん、みーちゃん。はーい、みーちゃんでーす」
だけど、リビング中を駆け回って喜んでいるみーちゃんを見ていますと、やっぱり、ちゃんと名前があった方が良いとも思います。
そりゃあ誰だって、ねえ。とか、あなた。とかいうふうに呼ばれるよりも、自分だけの名前で呼ばれる方が、ずっと嬉しいでしょう。
「ねえ、あなたまだお名前、教えてくれないの」
ゆみこさんがお願いしても、男の子は知らんぷり。まったく、とんだ強情っ張りがいたものです。
さて、お昼を過ぎたころ、キンコーン。今日も、玄関のチャイムが鳴りました。ゆみこさんがドアを開けますと、玄関ポーチに真っ白な封筒が、置いてあります。
拾い上げますと、封筒はどことなくひんやりしているようでした。もしかして、雪や霜のお手紙かしら。そんなことを考えながら、ゆみこさんは封筒を持ち帰ります。
真っ白な封筒は本当に真っ白で、きらきらもざらざらもしておらず、封蝋までが真っ白なのです。
「なんだと思う?」
「わかんないね」
男の子とみーちゃんに見守られながら、ゆみこさんは、封筒を開きました。
すると、ぽわん。湯気が立ち上ります。いいえ、湯気というには冷たすぎるようです。これは、雲です。
雲はゆみこさんの頭より少しだけ高い位置に留まって、ほわほわ円を描くように動いたあとで、床に向かって降りていきました。そして降りながら集まって固まって、ウインナーコーヒーの上に乗っている、よく泡立てたホイップクリームのような見た目になりました。
「こんにちは。あのう、迷子になったらここに行けば良いって、北風郵便局のひとに言われて来たんですけれど」
「ええ、その通りですよ。いらっしゃいませ、北風ゆうびん休憩所へ」
白いホイップクリームさんに、ゆみこさんはリビングの椅子を勧めました。ホイップクリームさんは、ゆみこさんの手のひらに収まってしまうほど小さいので、テーブルの高さに合わせるために、椅子にたくさんクッションを積みました。
「お飲み物は、何にします?」
昨日、長江商店のヨシオさんが、品物をたくさん届けてくれましたので、ゆみこさんのお家にはお湯と紅茶以外の飲み物もあるのです。たとえば、牛乳やコーヒー、緑茶やほうじ茶、ホットレモネードだって作れます。
どんなリクエストが来ても、応えられるます。ゆみこさんはわくわくしていたのですが、ホイップクリームさんは、じっと考えて、「では、お湯をくださいませんか」と言いました。
お湯でいいの。と、なんだか拍子抜けしましたが、遠慮をしているというわけでもないようですし、ゆみこさんはお湯をお出しすることにしました。
ゆみこさんのお気に入りの、白いマグカップ。ちょうどいい温度のお湯を、保温ポットからとくとく注ぎます。
「どうぞ」
と、テーブルに起きますと、ホイップクリームさんは「ありがとう」と言って、真っ白でふわふわの体から、真っ白でふわふわの手を伸ばしました。そして、マグカップを持って、お湯を飲みました。
「ああ、おいしい」
ホイップクリームさんは、三度に分けて、お湯を飲みました。こころなしか、ふわふわの体が大きく膨らんだような気がします。
「クッキーは、いかが?」
ゆみこさんが、クッキーの乗った丸皿を差し出します。ホイップクリームさんは、にこりと笑い(ホイップクリームに顔はありませんが、笑ったように思えるのです)、「とても美味しそうですが、遠慮させていただきます」と言いました。
「わたくし、透明のものか白いものしか、口にしないことにしているんです」
「そうでしたか。しかし、それはまた、どうして?」
「わたくしの、この雲の体を維持するためです。かそけきものたちの声を運ぶには、この体が必要ですから」
ホイップクリームさんが、彼(もしくは彼女)のお話をしてくれるというので、みんなテーブルに集合しました。ゆみこさんは熱々の紅茶、男の子はホットレモネード、みーちゃんははちみつを溶かしたホットミルクを手に、ホイップクリームさんの話に耳を傾けます。
「みなさん、お名前を呼ばれると、お返事をするでしょう。それは、言葉を持たないものたちや、実体を持たないものたちも同じです。名前を呼ばれれば、お返事をします。かそけきものたちも、そうなのです」
「かそけきものって、何ですか?」
ゆみこさんの問いに、ホイップクリームさんは、ふるんと体をふるわせました。
「かそけきものたちは、実体を持つはずだったものたちです。そして、実体としての名前すら与えられたものたちです。それでいて、実体を持つことができなかったものたちです」
ホイップクリームさんの言葉は難しく、男の子とみーちゃんは、さっそく理解できていないようです。難しい、と主張するように眉間にしわを寄せています。
それから、どうやら自分たちの手に余る話題らしいと勘付きますと、さっさと「ごちそうさま」をして、窓際の方へ遊びに行ってしまいました。
ゆみこさんはといいますと、ゆっくりと、ホイップクリームさんの言ったことを反芻します。実体を持つはずだったもの。実体としての名前を与えられながらも、実体を持つことができなかったもの。
「かそけきものたちのお返事は、それはそれはささやかな声で、実体を持つものたちの、実体のある耳では、とても聞き取れません。それどころか、世界が活動するあらゆる音の中に、すぐにかき消されてしまいます。ですからわたくしは、彼らの声を雪雲の中に包み込み、お手紙となって、実体を持つものの耳元まで届けてやるのです」
ホイップクリームさんは、穏やかな手つきで、ふわふわのお腹を撫でました。
「毎年、雪と共に地上に舞い降りて、実体のあるものたちの耳元にお届けするはずなんですが……ほら、今年はこの通り、暖冬でしょう。なかなかお届けの機会がなくって、そのうち声たちも、どこに行くんだったっけ? 誰が名前を呼んでくれたんだっけ? なんて言い出しちゃって……」
なるほど、それで、迷子なのです。
「そういうことでしたら、いくらでも、この休憩所で休んでいってくださいな。そのための、休憩所なんですから」
迷子というのは良くないことですが、迷子だけど休む場所があるというのは、たぶん、良いことです。ホイップクリームさんは、「ありがとう、そうします」と言って、お辞儀をしました。そして、窓際の子供たちに視線を向けました。
男の子とみーちゃんは、窓から熱心に空を見上げています。雪が降るのを、待っているのかもしれません。ホイップクリームさんは、すうっと大きく息を吸い込みました。すると、ホイップクリームのようだった体が膨らんで、真っ白な色が薄くなって、たちまち、雲になりました。雪雲です。
「おちびちゃんたち、雪が待ち遠しいのでしょう」
雪雲は、あっという間にリビングの天井を覆いつくします。そして、リビングは充分に暖かいというのに、ひらひら、綿のような雪が降り始めたのです。
「休ませてもらうお礼といってはなんだけど、おちびちゃんたちの上にだけ、雪を降らせてあげようね」
みーちゃんが、わあっと歓声を上げて、雪を掴まえようとジャンプしました。男の子は、おちびちゃんと呼ばれたことが不服なようで、ふてくされていましたが、間もなく雪の魔法に完敗し、はしゃぎ始めます。
かそけきもののための雪雲は、かそけき雪を降らせます。積もることなく、溶けることもありません。肌に触れると、ほのかに光ってほどけて消える、まぼろしの雪なのです。
「あると思えば、ある。ないと思うから、ない。積もらなくっても、雪が降ったことは、確かな真実」
雪雲が、歌うように言いました。あるいは、話すように歌いました。
「積もらなくっても、雪が降ったことは、確かな真実……」
ゆみこさんが、繰り返します。窓の外は穏やかな晴天で、雪はまだ、降りそうにありません。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

二十五の夜を越えて
深見萩緒
児童書・童話
「ゆうちゃんが認知すれば、世界にはなんだってあるんだよ」……
全く見覚えのない場所に、ゆうちゃんはいつの間にか立っていました。
どうやらここは夢の中。ミトラという奇妙な生き物と一緒に、ゆうちゃんは夜ごと夢の中を散策します。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。
氷鬼司のあやかし退治
桜桃-サクランボ-
児童書・童話
日々、あやかしに追いかけられてしまう女子中学生、神崎詩織(かんざきしおり)。
氷鬼家の跡取りであり、天才と周りが認めているほどの実力がある男子中学生の氷鬼司(ひょうきつかさ)は、まだ、詩織が小さかった頃、あやかしに追いかけられていた時、顔に狐の面をつけ助けた。
これからは僕が君を守るよと、その時に約束する。
二人は一年くらいで別れることになってしまったが、二人が中学生になり再開。だが、詩織は自身を助けてくれた男の子が司とは知らない。
それでも、司はあやかしに追いかけられ続けている詩織を守る。
そんな時、カラス天狗が現れ、二人は命の危険にさらされてしまった。
狐面を付けた司を見た詩織は、過去の男の子の面影と重なる。
過去の約束は、二人をつなぎ止める素敵な約束。この約束が果たされた時、二人の想いはきっとつながる。
一人ぼっちだった詩織と、他人に興味なく冷たいと言われている司が繰り広げる、和風現代ファンタジーここに開幕!!
ラディアント魔宝石学園へようこそ
nika
児童書・童話
この世の全ての自然物には魔力が秘められている。
ただ一つ人間を除いて。
人間はその代わりに魔力をエネルギーとした魔法が使えた。
けれどそれも上手く使いこなせるのは一握りの人たちだけ。
一般人は魔力の込められた便利な道具”魔宝石”を使って暮らしていた。
魔法学校に通う主人公みかげは、魔宝石を作る宝石師になるのが目標。
しかし、ある日通っている魔法学校から退学を宣告されてしまう。
一度落ちこぼれたら二度と魔法学校には通えず宝石師になることもできない。
それが社会のルールだった。
みかげは夢を断たれた事になったが、優秀な二人の姉の企みで名門魔宝石学校の転入試験を受けることになる。
みかげは絶対に受かりたいと強い気持ちで試験に挑んだものの、試験中に起こした問題が原因でどん底に突き落とされる。
感情がぐちゃぐちゃになったみかげは、本当は大好きな姉たちに八つ当たりをして大嫌いと言ってしまう。
試験は放棄しよう。そう逃げかけたけれど、みかげはある事を思い出し再び立ち上がる。
今度は姉たちの手は借りられない。
そこで学園の責任者も一目置いている謎の教員シトアとタッグを組み、試験をパスするための特訓を始める。
シトアの助力により”魔力の本質”に気づいたみかげ。
試験で自分にできる最大限の力を発揮すると同時に、姉達の本当の思惑を知ったのだった。
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
ICHIZU~とあるコーギー犬の想い~
花田 一劫
児童書・童話
ママちゃん大好きなコーギー犬のラム。「ハアッ・ハアッ」ラムの犬生が終わろうとしていた。ラムの苦しさが無くなったが、それはあの世の世界だった。ラムはそれを知らずにママちゃんを探した。 そこに津軽弁で話す神と思われるケヤグ(仲間)が現れた。神の力でラムはママちゃんに会えるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる