39 / 124
第四章 爆発
第三十五話 不変なるもの
しおりを挟む
「これが、転生の秘密……それとついでに明かした、世界の秘密だよ」
クダリ仙人はそう言って、再び俺の目と鼻の先まで迫る。
「そ、そうですか、それとちょっと近いです」
「あ、ごめんね。パーソナルスペースだっけ?そういうの遠い感じ?」
「クダリさんが近過ぎるだけです」
俺は数歩引き、改めて問い直した。
「……つまり、俺が転生したのは五つ全部の前世に未練があったからで」
「うん」
「でも、今まで生きてきた世界は完成したから、まだ完成してないこの世界に転生したと」
「そうそう」
「で、クダリさんは全部の世界を観測してる神様で、ゲームプレイヤーのように降りてきては、俺みたいに転生経験者を対象に世界の満足度調査をしていると、そういうことですか?」
「ほぼ正解。一つ間違えてるのが、私は神の別の姿ってことくらいかな」
「ややこしや」
「別人格だと思ってもらえればいいヨ」
「は、はぁ」
今日はやけに頭がこんがらがる日だ。
しかし今、本当に高位の存在と話しているのであれば、それも当然のことだろう。
むしろ、よく頭がこんがらがるくらいで済んでいるものだ。
「ところで、肝心なところを聞き忘れてたヨ。……君は今、幸せですか?」
「インターホン鳴ったら扉の前にいるおばちゃん?」
「誤解を招くような発言を訂正させてもらうヨ。君の身の上話をしてもらったのはいいんだけどネ、肝心の満足度調査を忘れてたと思って。……ま、私の主人格が君にロクな人生を提供できたかは、ぶっちゃけ自信ないんだけどネ」
「うーん……。一回目は本当に未練もへったくれもないくらいの死に方しましたけど……二回目の人生で教わった風牙流も、三回目の人生で覚えた戦争の恐ろしさも、四回目の人生で出会った尊姉ちゃんも……結果的に今、大切な俺の力になってるので……。結果としては今、幸せですよ。五回目の人生をくれてありがとうございます、神様」
俺は確かに望まない死に方をして、その命に未練が無いわけではない。
しかし俺は今、前世以前の記憶を活かして、大好きな尊姉ちゃんもといガラテヤ様と一緒に生きることができている。
ガラテヤ様がいる限り、俺は幸せだ。
だから今の俺は、とても幸せなのだ。
「……その言葉が聞けて嬉しいよ。こちらこそ、私の世界で幸せになってくれてありがとう」
クダリ仙人はそう言うと、指先から何か光のようなものを俺に放ち、その光は俺の胸に収まって消えていく。
「今のは何ですか?」
「君は一回目の人生で、数少ない『巻き込まれた人』だった。あの街に正しい人が十人でもいれば、私の主人格はあの街を滅ぼさないつもりだったからネ。でも、結果としてあの街は滅びた。君が受けた最初の命は、片手の指で数えられる……どころか、滅びた原因ではないたった一人の人間だったんだよ」
ソドムにて、滅んだ人間達。
彼らは我が身可愛さに囚われ、奪い合い、殺し合った。
しかし、あの街にいながらそれを知らなかった、たった一人の少年。
それが、かつての俺だった……ということらしい。
かなり昔のことであるため、身に覚えはないが……どうやら昔から変わらない俺の生き方は、当時にしては良識がある部類に入るものだったらしい。
「……なるほど?」
「だから、ちょっとオマケ」
「オマケですか」
「そう、オマケ。といっても、大魔法にも等しい力連発してを使えるとか、真理が解るとか、そんな大層なものではないけど」
「そうですか……まあ元々、そんなものがあるとは思ってなかったものなので……頂けるだけありがたいです」
「なら良かった。私が今、君に渡したオマケは……『君が持つ力の秘密が解る鍵』だよ」
「鍵?」
「そう、鍵。君が使う力は、ただの風じゃない。それは分かってるでしょ?」
「火封じ喰らっても効かなかった時のこと言ってます?」
「そうそう。だから……時が来れば、それが理解るようになるカギをプレゼントしたんだヨ」
「……非常に言いにくいんですけど……何のこっちゃって感じです」
「君が『そのこと』を知るのに相応しい時が来た時に閲覧できるように設定したビデオメッセージ。これで分かる?」
「なるほど、実感はありませんけど何となく分かりました」
とりあえず時を待て、ということだろう。
その鍵とやらが何なのかは、いずれの楽しみにしておくとしよう。
「あ、でも、その力が何なのか判明して、さらに理解できたとしても……過信しないことだヨ?パワーアップさせた訳じゃあないんだからネ」
「覚えておきます」
「ウム、素直でよろしい。じゃ、私はこれで失礼するヨ。まだまだやることはいっぱいあるからね」
「神様ですもんね。今日はありがとうございました」
「いやいや、いいんだヨ」
「あ、でも……最後に一つ、お願いしてもいいですか?」
「何?」
「帰り道、教えてください……。俺、導かれるままに来たので……道を全然覚えてなくて」
「ああ。なら、光の霧で道を作っておくから……それを辿れば君がいた屋敷に戻れるはずだヨ」
「ありがとうございます、クダリさん」
「じゃあ、これで本当にさよならだ」
「さようなら!」
俺は霧の向こう側へ消え去っていくクダリさんを見送って、それから飛び回る無数のホタルが案内する道を辿り、男爵家へと戻る。
「あら、ジィン。朝の散歩?奇遇ね」
「ガラテヤ様。あれ、もう朝ですか」
そして山を下りた頃には、すっかり夜が明けていた。
目の前にはガラテヤ様。
朝の散歩に出かけていたらしい。
俺はガラテヤ様と並び、屋敷まで残り短い道を歩く。
「山で何か見つけたの?」
「どうしたの姉ちゃん?藪から棒に」
「顔つきが変わったと思って」
「……山の中で、仙人に会ったんだ。そしたら、俺の転生の話とか世界の秘密とか知ってて……代わりに、俺は人生の満足度調査に協力して……。そしたら、ついでに俺の力のことがわかる鍵をくれたらしいよ」
「うーんと?よく分からないけど、すごい人に会ったんだね」
「そうなんですよ。俺もまだ実感無いんだけど……あの人がデタラメを言っているようには見えなかった」
「……そう。私にはよく理解できなさそうだけど……その体験は、きっと大切なものだと思う」
「うん。俺もそう思う」
そして俺は、しばし尊姉ちゃんモードなガラテヤ様と手を繋いで歩いた。
あの体験は夢か現か、今となってはよく分からない。
神秘とは、往々にして忘れ去られるものであると、お坊さんから聞いたことがある。
しかし、あのクダリ仙人と話した経験は、もし夢だったとしても、確かに脳に刻み込まれている。
それだけは、確かなのだ。
クダリ仙人はそう言って、再び俺の目と鼻の先まで迫る。
「そ、そうですか、それとちょっと近いです」
「あ、ごめんね。パーソナルスペースだっけ?そういうの遠い感じ?」
「クダリさんが近過ぎるだけです」
俺は数歩引き、改めて問い直した。
「……つまり、俺が転生したのは五つ全部の前世に未練があったからで」
「うん」
「でも、今まで生きてきた世界は完成したから、まだ完成してないこの世界に転生したと」
「そうそう」
「で、クダリさんは全部の世界を観測してる神様で、ゲームプレイヤーのように降りてきては、俺みたいに転生経験者を対象に世界の満足度調査をしていると、そういうことですか?」
「ほぼ正解。一つ間違えてるのが、私は神の別の姿ってことくらいかな」
「ややこしや」
「別人格だと思ってもらえればいいヨ」
「は、はぁ」
今日はやけに頭がこんがらがる日だ。
しかし今、本当に高位の存在と話しているのであれば、それも当然のことだろう。
むしろ、よく頭がこんがらがるくらいで済んでいるものだ。
「ところで、肝心なところを聞き忘れてたヨ。……君は今、幸せですか?」
「インターホン鳴ったら扉の前にいるおばちゃん?」
「誤解を招くような発言を訂正させてもらうヨ。君の身の上話をしてもらったのはいいんだけどネ、肝心の満足度調査を忘れてたと思って。……ま、私の主人格が君にロクな人生を提供できたかは、ぶっちゃけ自信ないんだけどネ」
「うーん……。一回目は本当に未練もへったくれもないくらいの死に方しましたけど……二回目の人生で教わった風牙流も、三回目の人生で覚えた戦争の恐ろしさも、四回目の人生で出会った尊姉ちゃんも……結果的に今、大切な俺の力になってるので……。結果としては今、幸せですよ。五回目の人生をくれてありがとうございます、神様」
俺は確かに望まない死に方をして、その命に未練が無いわけではない。
しかし俺は今、前世以前の記憶を活かして、大好きな尊姉ちゃんもといガラテヤ様と一緒に生きることができている。
ガラテヤ様がいる限り、俺は幸せだ。
だから今の俺は、とても幸せなのだ。
「……その言葉が聞けて嬉しいよ。こちらこそ、私の世界で幸せになってくれてありがとう」
クダリ仙人はそう言うと、指先から何か光のようなものを俺に放ち、その光は俺の胸に収まって消えていく。
「今のは何ですか?」
「君は一回目の人生で、数少ない『巻き込まれた人』だった。あの街に正しい人が十人でもいれば、私の主人格はあの街を滅ぼさないつもりだったからネ。でも、結果としてあの街は滅びた。君が受けた最初の命は、片手の指で数えられる……どころか、滅びた原因ではないたった一人の人間だったんだよ」
ソドムにて、滅んだ人間達。
彼らは我が身可愛さに囚われ、奪い合い、殺し合った。
しかし、あの街にいながらそれを知らなかった、たった一人の少年。
それが、かつての俺だった……ということらしい。
かなり昔のことであるため、身に覚えはないが……どうやら昔から変わらない俺の生き方は、当時にしては良識がある部類に入るものだったらしい。
「……なるほど?」
「だから、ちょっとオマケ」
「オマケですか」
「そう、オマケ。といっても、大魔法にも等しい力連発してを使えるとか、真理が解るとか、そんな大層なものではないけど」
「そうですか……まあ元々、そんなものがあるとは思ってなかったものなので……頂けるだけありがたいです」
「なら良かった。私が今、君に渡したオマケは……『君が持つ力の秘密が解る鍵』だよ」
「鍵?」
「そう、鍵。君が使う力は、ただの風じゃない。それは分かってるでしょ?」
「火封じ喰らっても効かなかった時のこと言ってます?」
「そうそう。だから……時が来れば、それが理解るようになるカギをプレゼントしたんだヨ」
「……非常に言いにくいんですけど……何のこっちゃって感じです」
「君が『そのこと』を知るのに相応しい時が来た時に閲覧できるように設定したビデオメッセージ。これで分かる?」
「なるほど、実感はありませんけど何となく分かりました」
とりあえず時を待て、ということだろう。
その鍵とやらが何なのかは、いずれの楽しみにしておくとしよう。
「あ、でも、その力が何なのか判明して、さらに理解できたとしても……過信しないことだヨ?パワーアップさせた訳じゃあないんだからネ」
「覚えておきます」
「ウム、素直でよろしい。じゃ、私はこれで失礼するヨ。まだまだやることはいっぱいあるからね」
「神様ですもんね。今日はありがとうございました」
「いやいや、いいんだヨ」
「あ、でも……最後に一つ、お願いしてもいいですか?」
「何?」
「帰り道、教えてください……。俺、導かれるままに来たので……道を全然覚えてなくて」
「ああ。なら、光の霧で道を作っておくから……それを辿れば君がいた屋敷に戻れるはずだヨ」
「ありがとうございます、クダリさん」
「じゃあ、これで本当にさよならだ」
「さようなら!」
俺は霧の向こう側へ消え去っていくクダリさんを見送って、それから飛び回る無数のホタルが案内する道を辿り、男爵家へと戻る。
「あら、ジィン。朝の散歩?奇遇ね」
「ガラテヤ様。あれ、もう朝ですか」
そして山を下りた頃には、すっかり夜が明けていた。
目の前にはガラテヤ様。
朝の散歩に出かけていたらしい。
俺はガラテヤ様と並び、屋敷まで残り短い道を歩く。
「山で何か見つけたの?」
「どうしたの姉ちゃん?藪から棒に」
「顔つきが変わったと思って」
「……山の中で、仙人に会ったんだ。そしたら、俺の転生の話とか世界の秘密とか知ってて……代わりに、俺は人生の満足度調査に協力して……。そしたら、ついでに俺の力のことがわかる鍵をくれたらしいよ」
「うーんと?よく分からないけど、すごい人に会ったんだね」
「そうなんですよ。俺もまだ実感無いんだけど……あの人がデタラメを言っているようには見えなかった」
「……そう。私にはよく理解できなさそうだけど……その体験は、きっと大切なものだと思う」
「うん。俺もそう思う」
そして俺は、しばし尊姉ちゃんモードなガラテヤ様と手を繋いで歩いた。
あの体験は夢か現か、今となってはよく分からない。
神秘とは、往々にして忘れ去られるものであると、お坊さんから聞いたことがある。
しかし、あのクダリ仙人と話した経験は、もし夢だったとしても、確かに脳に刻み込まれている。
それだけは、確かなのだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~
櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。
ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒異世界最強カップル
釧路太郎
ファンタジー
異世界に行っても僕たちはいつまでも仲の良い関係です
勝手にスピンオフ始めました。
こっちの世界ではヤンデレ成分もサイコパス成分も特盛になっていきます。
この作品は「小説家になろう」「ノベルアッププラス」「カクヨム」にも投稿しています
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
アイテムボックスだけで異世界生活
shinko
ファンタジー
いきなり異世界で目覚めた主人公、起きるとなぜか記憶が無い。
あるのはアイテムボックスだけ……。
なぜ、俺はここにいるのか。そして俺は誰なのか。
説明してくれる神も、女神もできてやしない。
よくあるファンタジーの世界の中で、
生きていくため、努力していく。
そしてついに気がつく主人公。
アイテムボックスってすごいんじゃね?
お気楽に読めるハッピーファンタジーです。
よろしくお願いします。
ゲイツラント大陸興国記~元ヤクザが転生し、底辺の身から成り上がって建国をする!
101
ファンタジー
元ヤクザが殺されて転生したのはエルフやドワーフのいる異世界!
そこで、彼は傭兵家業を営み、自分たちの自由に住める国作りを目指す!!
その世界ではエルフやドワーフという異民族が存在し、人間族が先住民である彼らを劣悪な土地へ強制的に移住させ、虐げている世界。
そして大陸を二分する人間族の大国、アリエミール王国とヴァルドノヴァ帝国との戦争が近くに迫っていた。
主人公、デイランはアリエミール王国の“少年王”ロミオに認められ、王の傭兵団となった、デイラン率いる“虹の翼”は土地を与えられる。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる