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男「なるほど……基本は分かったし、やってみるか」

後輩「一人プレイで練習してみるといいですよ」

男「ん、そうだな」ピコピコ

後輩(先輩が選んだのは……)

『くにへかえるんだな、おまえにもかぞくがいるだろう』

後輩(適当に選んだだけ、だよね……?)

男「……お、っとと」ポチ ポチ

『ブーン!ブーン!ブーン!』

後輩(そういえば、人がゲームしてるとこ眺めるなんて初めてな気がする……なんか新鮮)


男「なんか適当にやってたらクリアしてた」

後輩「先輩、凄いです!いきなりでクリアできるなんて」

男「んー、そうなのか?」

後輩「筋がいいんじゃないですかね……きっと上手くなりますよ!」

男「そうだったらいいんだが……っと、いけない。そろそろ帰らないと」

後輩「あれ?もうそんな時間でしたっけ……」

男「結構長居しちゃってたみたいだな」

後輩「あっ……今日は楽しかったです、凄く!」

男「今度は俺から誘わせてもらうよ。じゃあ」


後輩母「あら、もう帰るの?」

男「だいぶお邪魔してしまってすいません」

後輩母「またいつでもいらっしゃいね」

男「はい、ありがとうございます」


後輩母「にやにやにや」

後輩「……なによ」

後輩母「頑張りなよー。なんだか鈍そうな子だったし、一筋縄じゃいかなそうよ?」

後輩「う、うるさいなぁもう!」


男「ただいまー」

妹「おにいちゃんおかえりー……って、なんでそんな嬉しそうな顔してんの?」

男「そうか?別に何も無いが」

妹「……ふぅぅーん……さては昨日の女の人だね」

男「そうだけど、どうかしたか?」スタスタ

妹「やっぱりね……ってなんでそんな反応薄いの……」

男「腹、減ってる?」

妹「うん、凄く減ってる」

男「じゃ、すぐ飯にするか」


後輩「今日は楽しかったな……」プクプク

後輩「家に呼べたし、料理もおいしいって言ってもらえたし……」

後輩「先輩も、楽しめてたかな?そうだったら嬉しいな……」

後輩「こりゃ、後輩友には感謝極まりないや」ザパーン


妹「今度は格闘ゲームしてるんだ……最近よくゲームするね、おにいちゃん」

男「別に、したくなっただけだ」

妹「ふーん、そうですかー。お風呂沸いたからねー」

男「……」ポチ  ポチポチ



後輩友『ふーん、上手くいったんだ……よかったじゃん』

後輩「うん、友のおかげだよー。ありがとう」

後輩友『ふっふっふ。崇め敬いたまえ』

後輩「ははっー……今度ジャンボパフェおごるよ」

後輩友『へへへ、やっりー!忘れんなよー?』

後輩「ふふふ、ちゃんと覚えておくって……うん、じゃぁね」

後輩「次からも、今日みたいに楽しめるといいなー……ふぁ」


妹「すー……すー……」

男「……少し、付き合わせ過ぎてしまったな」

男「コントローラーを握りながら寝るとは、器用な奴め」

男「……いよ、っと」

男「ん、意外と軽いんだな」

妹「んー、んー」

ゲシゲシ

男「……さっさと運んで俺も寝るか」

男(後輩はこれを何時間って練習するんだろうな……尊敬するわ)
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