猫仙郷

猫仙人の老後の備え

　令和元年に『老後2000万円問題』が騒がれましたね。
　ナンセンスです。
　老後の平均支出は、最低限度の支出とはまったく違うもの。
　上の世代がもらっている年金はやたら高額なので、平均支出は豪快に浪費する上の世代の富裕層がさぞ引き上げていることでしょう。
　一部の富裕層が引き上げる『平均年収』と、一般人の肌感覚に近い『年収の中央値』に乖離があるのと同じこと。

　じゃあ、老後の備えはもっと少なくても大丈夫なのでしょうか？
　残念ながら、氷河期以降の世代に『これだけあれば老後は安心』と太鼓判を押せる貯金額は存在しません。
　なぜならば。

１．氷河期以降の世代がいつまで年金を支払えばいいのかは、その時にならないとわからない。
２．氷河期以降の世代がいつから年金をもらえるのかは、その時にならないとわからない。
３．生活必需品がどこまでインフレするのかは、その時にならないとわからない。

　もともと、60歳からもらえるはずだった年金は、65歳からになり、支払いも65歳までに延期されそうな状況です。
　それで終わるはずもなく、私たちが64歳になる頃には70歳からの支給になり、69歳になる頃には75歳からの支給になる――
　そんなデタラメが現実になる可能性が、恐ろしいほど高いのです。
　そんなことあり得ないとしたら、『60歳から支給』の約束が『65歳から支給』に変更されたはずがないのですから。

　ゆえに、賢明な猫仙人が貯金をもって老後の備えとすることはありません。

　そもそも、お金とは他人に何かをしてもらうために必要なもの。
　しかも、お金を使って他人に何かをしてもらうと、高い税金がかかります。
　令和日本の国民負担率はもはや五公五民と言われており、それはつまり、労働者が千円を手に入れるためには、お客さんに人件費だけで二千円を支払ってもらわないとならないことを意味します。
　千円使う時に、時給千円の仕事で一時間働けば取り戻せると考えてはいけません。
　――そう、二時間です。
　これが、五公五民の意味するところ。

　日本の若年世代が置かれているとんでもない苦境を、私のように理路整然と説明できる猫仙人は少ないと思いますが、大多数は感じているはずです。
　説明できないけど苦しい、もはや、正直者が真面目に働くだけじゃ家庭なんて持てない、無理だと。
　だから、少子化が起きている。

　ならば、猫仙人は何を備えるというのか。

１．暮らしに必要なことで、できることを増やす。
２．暮らしに必要なことで、できることを減らさない。（心身の健康を大切にする）

　取り組みやすいところで、園芸（家庭菜園）やＤＩＹ、整体などなど。
　備えが進めば進むほど、現役のうちから支出が減りますし、一定レベルを超えれば開業も可能でしょう。
　何より、資産は盗めますが、技能は盗めません。
　生涯、暮らしに必要な技能を多く持ち続けることこそが、真に盤石な備えなのです。

※ 日本において男性より女性の平均寿命が圧倒的に長いのも、まさに、男性より女性の方が、暮らしに必要な技能を多岐に渡り習得しているためと考えられます。

★ お知らせ ★

　フリースペースから資料館『猫仙郷』にリンクしました。
　他人様の役に立つことを目的としたリンク集ではなく、私自身が便利に使うためのリンク集なので、親切なつくりではありませんが、私の役に立つということは、猫仙人になる素質のある他人様の役にも立つかもしれません。

　子猫のしっぽの立ち方がスゴイ✨
　ぱぱんとままんの寝床に大喜びで割り込む子猫。