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第二章 白馬の王子様

プロローグ ~いつか王子様が~

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 明日の見えなかった僕を。
 大人にはなれないはずだった僕を助けてくれた命の恩人が、僕には三人いる。

 一人はデゼル。                                                                                                     
 九歳の時、闇神殿の近くの公園で出会った、闇巫女様。
 デゼルと出会えていなければ、僕は今日まで、きっと、生きていられなかった。

 もう一人は『白馬の王子様』。
 僕、王子様って、お姫様だけを助けてくれるものだと思ってた。
 でも――
 つらくても、苦しくても、懸命に生きていれば、いつか王子様が助けてくれるんだね。

 だって、僕は公子様のものだから。
 オプスキュリテ公国の公子様は、困っている公民を助けてくれる、立派で優しい人だった。

 僕は公子様に忠誠を誓った。
 取るに足らない命だとしても、僕の生涯を懸けて、公子様と、その公国と公民を守ることを、この魂に誓った。

 あなたに出会えてよかった。
 幼い胸をときめかせた、この素敵な出会いに感謝を――
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